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白球の軌跡  作者: タレ柳
15/19

No.15 チビ

─六月十七日

「練習試合の日か…」

また緊張して早く起きてしまった…

「16日は明星の監督が用事で試合できなかったからな…」

17日に延期である

いいのか?こんなんで?

場所は明星のグランド

偵察で行ったからわかるし、現地集合なんで早めに家を出た

「明星なんて家のすぐ近く…」

その時後ろから声がかかった

「君!知馬の野球部?」

そこにはチビ(160くらいか?)と島谷くらいの背のやつがいた

「そうだけど…」

「そうか!じゃあグランドで少しでも良いから練習しない?」

練習?二人の風貌からしてもとてもじゃないがレギュラーとは見れないので…

「断る…」

「なんだ〜つれないな〜」

「そうだな〜原!」

原…

!?

「君!あの原!?」

俺は目を疑った…

なんでこんなチビ助が?

「そうだよ〜!」

これはチャンスだと思って練習の話に乗った



─グランド

適当にアップを始め、体が温まった

アップの時もちゃんと観察していた

(肩、守備は悪くない)

「じゃあ次は…」

「お〜い!香川!ミーティングやるぞ!」

アップをしていた時にみんなもう集まっていた

山口の話は「油断しちゃだめだ!」といった戒めの言葉だった

「両校整列!」

ザザッ!

「只今より、明星高校対知馬高校の試合を始めます!礼!」

「お願いします!」

俺らの三回目の練習試合が始まった

一回の表

「北野!初球からブッ叩け!」

バッターボックスに入って構える

(投手デカいな〜)

190cmはあるな…

(まぁ身長が高けれゃ勝てるなんてルールじゃないからな)

北野は冷静にミーティングの話を思い出す

「相手投手は変化球はない!100km/h台のボールしかない!」

本当かよ!って思いたくなるね…

信じてないワケじゃないけどさ…

ピッチャー振りかぶって投げた!

シュッ!

「遅!」

本当だ!これはチャンス!

北野は思いっきりバットを振った

キーン!

「ピーゴロかよ!」

北野は打ち損じてしまった

「何やってんだよ〜!」

深野はそういって打席に立つ

シュッ!

「うわっ!打ちごろ!」

キーン!

セカンドゴロだ!

「悪い!香川!」

ツーアウトか…

せいぜいワンアウトで回ってきて欲しかった…

ワンアウトなら球筋を多田に教えられて、得点を取れる…

「まあ…理想的なパターンだね!」

バッターボックスに入る

(前の二人は、初球から叩いた…)

山口の指示はない

(自由にやらしてもらうか…)

シュッ!

ヒョロヒョロ!

スパーン!

「ストライク!」

「…………」

(回転してない?)

ボールが無回転だった様な…

もう一球見よう…

シュッ!

ヒョロヒョロ!

スパーン!

「ストライク!」

(なんだか、どこかで見たような投げ方…)

色々疑問に思いながら、構える

振りかぶって投げる!

シュッ!

ヒョロヒョロ!

「よく見て…」

キーン!

「ファール!」

(今曲がった?と言うより…)

ボールを見ていたが、若干ボールがブレたような…

「考えすぎはダメだ!切り替え!」と言い聞かす

シュッ!

ヒョロヒョロ!

「やっぱり…」

キーン!

パスッ!

「アウト!チェンジ!」

あっさり三者凡退になってしまった…

でも気になる点があったので、みんな守備につく前にさっきの打席での事を話した

「ボールがブレたようなってナックル?」

ナックルは木田が似たものを投げていたから分かるけど、あれより変化していない!

「なんか…ぐにゃぐにゃしてるんだよな…」

俺の発言で益々分からなくなってしまった

「あれはクセ球だね!」

山口はニコニコしながらそう言った

「クセ球?」

まぁ簡単にまとめると、投球指導受けてないとちゃんとした真っ直ぐが投げられない(ストレートも真っ直ぐな回転をかけている)

それとあの体格から投げるのと、投げ方とボールの握り方がホーガン投げと同じといったのもあるのかもしれない…

「ドカベンにそんな選手いたなぁ〜」

山口はそういってみんなに守備につくように命じた



一回の表は0の文字がスコアボードに表示された

未知なる相手に挑むのは正直怖い!

でも勝つのは俺たちだ!


続く


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