No.14 意味なしのスカウトマン
六月十六日
「ここが明星…」
俺香川と、安室、神奈川は明星高校に来ていた…
転校じゃないからな!
「いいか?偵察の雰囲気を出すんじゃないぞ?」
そう偵察で来たんだ!
あれは言い出しっぺの山口のせいだ!
「でもよこの格好…」
「無いよな〜」
見るからにスカウトマンっぽい服装
「とりあえずスカウトマンらしくして、じっくり観察しよう…」
なんだかんだで明星に潜入…
バレたらヤバいよな…
「すいません〜野球部のグランドは?」
とりあえず手当たり次第にグランドの場所を聞く
場所がわかり、そこに向かった
「やってるな…」
「神奈川、安室手分けして分析だ!」
「おう!じゃまたな!」
そう言って三人は散っていく…
─安室編
「さて…どうしたものかな?」
手分けしてってなに探せば…
「一番うまい奴探すか!」
まぁその通りだ
まぁ明星なんて新設校だからな
キープレイヤーなんてのはいない筈…
それでも偵察って…
「まぁいいか…」
文句はあるけど頼まれたからにはさ…
「あいつに聞いてみよう!」
安室は人に一番うまい選手を聞くことにした
「すいませ〜ん!野球部で一番うまい選手はいませんか?」
そう聞くと明星の生徒はそろって口を開く
「原」と…
「原君を探せば良いわけか…」
こうして原を探すことにした…
─神奈川編
「さて!守備と攻撃面を確認するか…」
ちょうど始めるみたいだな…
「どれどれ…」
見始めてから数分で気付く事がいくつかあった
「内外野下がりすぎじゃねぇかな…」
普通、守備をする時は前進せずかといって後進せず…
程良い程度が良いのだが…
かなり下がっているな
そんなこんなでメモを取りながら三十分…
「打撃練習だな…」
じっくり観察する…
また気になっているところがいくつか…
「バントしかやってない…」
これじゃ、意味がない
偵察の意味ないし、する必要もなしだ
バカバカしくなった神奈川は安室と香川を探しに後を去った
─香川編
まぁ俺なんかは投手の癖を読んだりしてだな…
とは言っても、クセがわかってもみんなには教えないけどな〜!
「ブルペンにいるな…」
ブルペンにいたのは、大柄な男がいた
190cmあるかな…
「どれどれ球速は…」
ビュッ!
バシッ!
「119km/h…」
遅いな…
変化球無いのか?と思って見ているが、一向に投げる気配を見せない
いや変化球投げれないんじゃ…
新設校だからな…
結局偵察は不発で終わる…
三人集まったってなにも変わらない
まぁ唯一使える情報は
「原」という選手の存在…
一体誰なんだかな…
知馬高に帰ってきて
結果報告をして、みんなの様子をうかがう
セントニクス戦よりは楽できるからな…
みんな完全に安心していた
─明星高校
「原!」
「ん?」
「お前さっきスカウトの人いたんだぜ!」
「うわ〜!めっちゃ損したわ〜」
「スカウトまた来ないかな〜!」
「そういや、50mのタイム…」
「あぁ…知ってるから良い!」
「そうか!まぁ明日試合頑張ろうぜ!」
そういって謎の男は去った
原と知り合いなんだろうな…
明星はもとは陸上専門校…
それがどんな化け物になるか?
知る由もなかった…
続く