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白球の軌跡  作者: タレ柳
13/19

No.13 キングカーブ

──6月10日

今回は日曜日の練習

日曜日はゆっくりしたいのだが…

「よし!アップ終わったか?」

山口がみんなに声をかける

「今日は徹底的に打力強化中心メニューで行く!と言っても各自で考えてやってくれ〜!」

そう言って去っていく

監督としてどうなんだか…

「じゃあ…始めるか…」

とりあえずフリーバッティングをやるのに当たって、島谷をバッティングピッチャーをさせた

これには投げる側にもちゃんとした練習になるのだ!

「俺からやるよ〜」

安室が手を挙げてバッターボックスに向かう

「へっ!怪我すんなよ〜」

島谷はそう言って投げる

カキーーーン!

「へ?」

「130m位かな〜」

そうか!元々セントニクスにいた人間だもんな!

「うぬ〜!」

島谷悔しがってるな…

怒っている島谷を横目に俺は木田と神奈川に声をかけた

「あのさ、俺ってみんなより野球経験浅いじゃん?」

「そうだな…仕方ないんじゃないか?」

「いやそれじゃダメ!だからよバッティングピッチャーやってくれよ!」

必死のお願い…

多田のバッティングに惚れたのもある

まぁたどり着けるまでどれだけかかるやら…

「行くぞ!」

最初は神奈川か…

まずはストレートだ

カキーーン!

「まぁまぁだな!よしフォーク投げるぞ!」

フォークか…

あれはストレートに似た軌道で落ちる…

神奈川は振りかぶって投げた

(来た!ここで思い切って…)

キーーン!

「それじゃ〜セカンドフライだな!」

厳しい言葉で…

「まぁフォークの打ち方っていうかコツとしてはだな…」

「なるほど…」

わかりやすい説明だ

「次はなに投げるかは言わないからな!」

そう言って投げる

(絶対フォークだ…)

シュルルル!

「!?」

ズバーーン!

「ストレート?」

「あのなぁ…フォークってのは決め球として投げるの!」

(くそ!踊らされてるな…次は絶対…)

シュルルル!

ズバーーン!

ストレートか…

腕の振り方もよく見ておいた

ちょっとでも違ったら…

振りかぶって投げる!

「!?」

(腕の振りが違うような…?フォークか!)

フォークとよんでバットを振る!

カキーーーン!

「うぉ!」

完璧にとらえた

どうやら神奈川の話を聞いた所によると、フォークはいい投手だと、フォームがストレートと変わらないらしい…

腕の振り方で読むのはやめよう

「よし!次は俺が投げる!」

木田がグルグル腕を回してマウンドに上がる

まぁカーブに磨きかけた筈だからな…

甘くみれないな…

「オラァ!」

シュルルル!

ククッ!

カキーン!

「ファールだな…」

「まぁ合格点としよう!これはどうだ?」

ビュッ!

シュルルル!

クククッ!

「!?」

バシッ!

変化量が増した?

いやスピードとキレが若干変化したような…

「まぁ打てないわな…、次も打てないぜ!」

ビュッ!

シュルルル!

フッ!

「うぉ!」

バシッ!

今度は急激にカーブしたな…

カーブはこれで三種類…

一球目のカーブは普通のカーブ

二球目はストレート系のカーブ

三球目はフォーク系のカーブ

腕の振りが全部同じ…

リリースポイントの位置も同じ…(リリースポイント:ボールを離す位置)

参ったな…、癖なんかないぞ

むしろコイツかなりレベル上がってないか?

「いいか?投げるぞ!」

そう言って投げる!

ビュッ!

シュルルル!

「遅っ!」

カーン!

「なんだそのへっぽこ打法は?」

スローカーブか…

四種類になったぞ

「山張るのは無理だな…」

感を頼りにしか…

「これが!俺の必殺ボール!」

ビュッ!

シュルルル!

ククッ!

「球が!?ブレて…」

ブーン!

空振りしてしまった

「球が揺れた…?」

神奈川に聞く

「俺も驚いた…、あれはナックルじゃ…」

「ナックルじゃない!あれはウルトラハイパーストロングサンボマンボ(中略)ライガーボールだ!」

名前だけに三十秒かかったな…

まぁ彼の話によると、ナックル系のカーブらしい

五種類かよ…

まぁよくカーブを五種類も投げようと思うね…

その後神奈川も打てなかった

「木田!すごいじゃんよ!」

「こんなにカーブ投げれるのお前だけだよ〜」

「おぉ!まぁな!ハハハハ…」

調子乗ったな…



練習終了後

「ご苦労さん!みんなによい話があるぞ!」

疲れてるのに良い話で疲れが癒されるものか…

「16日練習試合やるからな〜!」

「早いスパンで練習試合回すのね…」

「相手は明星高校だ!」

明星…?あそこは…

「そこに野球部ありましたか?」

明星は陸上部しかない…

(つーか家近いから聞く話によると、だいぶ前から陸上部だけしかない)

「うん!それなんだけど…」

山口の話を聞くと、スポーツで明るい星のある高校を目指すために今年から他の部も作ったらしい

(どうせ校長が変わったから、学校色も変えようって話しだろう)

「じゃあセントニクスよりはマシって感じ?」

「まぁバカには出来ないけど…」

油断大敵!先生も案外慎重なんだな…

「そうそう!先発木田だから!」

そう言って帰ってしまった

「ったくあの先生は…」

「って木田が先発ぅ?」

あぁみんな知らないんだったな…

五種類のカーブを…

神奈川と俺、木田は試合まで黙っておくことにした



その夜、安室家

「もう少しなんだよな…」

ビュッ!

シュルルル!

フッ!

「!!!」

「今落ちたよな?」

試しにもう一回投げた

ビュッ!

シュルルル!

フッ!

「やっぱり落ちた!」

安室は何かをマスターした


木田は五種類のカーブを操り、安室は何かをマスターした…



続く


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