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白球の軌跡  作者: タレ柳
11/19

No.11 バス

「この回先頭出たら…」

「勝ちはないだろ!」

谷山がそういった

「しゃあ!しっかり守んぞ!」

二番三番は完全に抑えている!

四番は危ないけどな…

「お願いします!」

(カーブはあんまり投げない方が…)

サインを確認して、島谷は大きく振りかぶる

投げた!

カキーーン!

「よし!」

レフトフライでワンアウト

三番も打たせてとるピッチングでセカンドゴロ

「本命登場か…」

四番神奈川…

ホームラン打たれたら、マズい…

「お願いします!」

(あれ?いつの間にか真剣にやってるな…)

まぁ真剣になってるなら、また気をつけないといけない

島谷は力強く投げる

「ストライク!」

(初球は見た…)

サインをパッパッと出しては、島谷はうなづいて投げる

「カキーーン!」

「マズい!ライト!」

打球は伸びてる!

「神奈川!」

懸命に走る走る!

フェンスによじ登る!

腕を伸ばす

駄目だ!届きそうもない…

「バシッ!」

グラブにボールが収まった

「アウト!チェンジ!」

何とかチェンジになった

それにしても懸命に走った…

九回の裏

サヨナラにしたかったけど、三者凡退になってしまった

十回の表

この回久本が先頭で当たる

「お願いします!」

(敬遠もあるが…島谷はそれを許さないと思う…)

島谷はゆっくりと振りかぶって投げる

カーーン!

「嘘だろ?」

打球はぐんぐん伸びる!

バックスクリーンの遙か上を越えホームランになった

俺は後悔している

欲が出た感じだ…

「おい!ファーストに打たせろよ!」

ホームランを打たれたが、励ましの檄が内外野から飛び交う

島谷は投げる気力を無くしてはいない

今日の試合では、まだ言ってなかったな…

「しまっていくぞ〜!」

島谷は後続を抑え、スリーアウトチェンジとなった

十回の裏

「いっちょホームラン打ってくるは!」

香川から回る打線

悪くない!

俺はマジでホームラン打つ気でいる

足場を固めて…

気持ちはホームラン…

だったが…

「デッドボール!」

ユニフォームの袖に当たった…

「ちぇっ!」

まあサヨナラのチャンス!

多田の打席だが、敬遠…

次の吉野はフォアボール

「満塁で俺かよ?」

バッター神奈川

ノーアウト…

一打サヨナラのチャンス!

だが…!ホームランしか無いのだ!

「約束」があるからな…

「ストライク!」

(うわっ!)

ボーっとしてた…

絶対打たないと…

「ストライク!」

今度はクソ球に手を出してしまった

う〜!このままだとマズい!

(そういや、あいつの…)

神奈川は大きく振りかぶって力強く投げる!

カキーーン!

ライナー!

「回れ回れ!」

コーチャーは腕をグルグル回す!

だがボールはまだ伸びる!

ガン!

「…………」

「…入った?」

「サヨナラだ!サヨナラ!」

打った神奈川は涙が溢れ、投げた神奈川は悔し涙をこぼし…

「整列!」

「ただいまの試合!知馬高校の勝ち!礼!」

「ありがとうございました!」

神奈川はサヨナラグランドスラム(グランドスラム…満塁ホームランの事)を打ったのだ!

山口はワケわからない事を言ってたが、みんな聞いてはいない!

うれしいからね!

「おい!健!」

神奈川が呼ぶ

「何だよ…」

「健の勝ちだな!」

「あぁそんなの忘れたな…」

「何だよ、バカにしてるのか?」

「バカにしてたのはお前だろ?今度は本気でやれよ…」

「おぅ!」

兄弟は握手をしてグランドを後にした



帰りのバスの中

「神奈川!最後なんでホームランになったの?」

多田は羨ましそうに聞く

「球種がわかってたから…」

「どういう意味?」

まぁ簡単に言うとだ…

双子ってよくシンクロすると言われる

(例にあげると、マナカナとか、ザたっち)

それと同じで投げた球種(コースはわからないけど…)が何投げるか?わかっていたらしい…

そんなこと言ってたって、たまたまかもしれないし…

まぁ勝ったから、良しとするか…



利根大橋高校

「練習試合でセントニクス負けたらしいですよ…」

「本当かよ?どこに?」

「二軍とやったらしいんすけど、無名の知馬とか言う…」

「いっちょ偵察でもしとくか…」

「えっ?倒したのは二軍ですよ、一軍倒したなら偵察する価値ありますよ!」

「バカだな!138km/h出す投手に勝ってるんだろ?」

「それに、一軍に138km/hまでは出せる投手いないだろ!」

「まぁ戦力的には一軍と変わらないですよね…」

「だから偵察!さっさといくぞ!」

「今からすか?待ってくださいよ〜」



セントニクスの未来のエース神奈川が負けたと言う噂は千葉県中に流れた


続く


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