No.1 初めてのホームラン
「時は金なり」
みなさんご存じのことわざ
まぁ呼んでの通りだが、俺は今まで無駄な時を過ごしたことがない!
そう断言できる!
ん?俺は誰かって?
自己紹介がまだだったな
俺の名は、香川 圭輔私立知馬高校一年生
趣味は特にないが、強いて言えば、観察が得意だな
観察と言っても、植物とかじゃないぞ
人だ、人
ちょっとした仕草や動揺を見抜く事が出来る
が、あまり生きてる上で俺には役にたたないし
俗に言う宝の持ち腐れだね!
自己紹介はこの辺にしとこうかね
さて、この俺香川が起こす奇跡?の三年間を御覧いただきたい!
ただ単に自意識過剰だって?
まぁ気にしないの
─五月二十三日
学校にも慣れ、クラスの友達とも話せるようになった
たが俺は友達を作ると言うことをしなかった
「……………」
2枚目を気取っている訳でない!
最初言ったが、無駄な時を過ごしたくないからだ
俺の考えはこうである
「友達を作ってる暇があるなら、金の稼ぎ方を学べとね」
コレ俺の持論ね
まぁ生き方間違って無いしな…
「お〜い、次体育だから早く行こうぜ!」
「あぁ……」
「何だよ〜、調子悪いのか?」
こいつの名は島谷 智入学式の時に話しかけてきた奴
まぁ唯一話せる存在だな
「大丈夫だ……行くぞ」
「あ〜待てよ〜!」
島谷を置いて外に出てしまった
どうやら教室の奴らの話を聞いた所によると
今日の体育は野球らしい
まぁ体育は嫌いじゃないが…
俺の持論に反してるからな…
無駄なのか無駄じゃないのか…
「じゃあ、二チームに分かれてな」
体育の先生が大きな声をかけた
基本的にこう言われると仲のよい友達が固まる
案の定俺と島谷は同じチームになった
「先生〜!俺ピッチャーやっていい?」
島谷が元気良く発言をした
むろん授業の体育だから誰がやってもいいので、先生はOKを出した
「じゃあ、始めろ〜」
こうして野球は始まった
俺は六番捕手と勝手に打順とポジションを決められてしまった
俺らは表の攻撃なので、俺の番まで回ってこない
予想通り三者凡退となって俺らの守備となった
「香川、捕手初めてなんだよな?」
「そうだが…」
「じゃあ軽く投げるから」
「軽く投げて打たれるなよ」
めんどくさがりな俺でも負けるのはイヤだから
「よしっ!いくぞ〜」
シュッ!
ズバーン!
「なんだ楽なもんだな」
俺は初めて捕手のポジションにいるが、ただ投げられたボールを捕れば良いなら楽だ
そうこう考えてる内に守備が終わっていた
「お前やるなぁ〜」
「そうか?結構楽だったぞ」
「初めてにしちゃ、上出来さ!」
島谷に凄い褒められた
まぁ悪い事じゃないな
「香川〜!次だぞ!」
審判の先生に怒られた
「ったく!凡退しやがって!」
ネクストサークルで俺の前の打者の様子と投手を伺った
何やら相手の投手は曲がる球を投げてるな…
「あれじゃ打てないわな」
素人相手にあれは変化球って言うんだろうな
打てないだろ…
「ストライク!バッターアウト!」
前のバッターが三振してきた
「ちょっといいか…」
「ん?」
「早くしろ〜!」
「はいはい!ありがとうな」
バッターボックスに入ると先生はプレイと声をかけた
始まりの合図なんだろう
投手は振りかぶって、投げた!
ヒュン!
ククッ!
「来た…!」
カーン!
白球はぐんぐんと天に昇り…
審判は腕をぐるぐる回した
「何だ?」
投手はがっくりとうなだれている
「とりあえず、走りますかね」
ダイヤモンドを一周した
ホームに帰ると、島谷がよってきた
「ホームランじゃねえか〜!」
「ホームラン?俺が?」
なんだか知らないが、ホームランを打った
これが俺の人生初ホームランってヤツだな…
ホームランの後、相手チームはバカスカ打たれて体育の授業が終わった
圧勝だった!
久々に体を動かした後は疲れたせいか、授業をそっちのけて寝てしまった
続く