表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンクブレイカー  作者: りくおう
第一幕
3/8

~荒野~其の二

「見つけた。」


少女とは全く違う影は、俺に向かい確かにそう言った。


俺・・・


そう、俺の名は『じん』。


そして目の前にいるのは、




わからん。誰だっけ?




漆黒のコートにマント。

このくそ暑い中、正気とは思えないね、全く。

でも、顔立ちはサングラスで目元はよくわからないけど、間違いなく美人。

しかも飛びっきりの。

そんな女が、俺を「見つけた。」ときたもんだ。




神様ありがとー!




「で、ウチはイチゴミルクしか無いんだけど、それでいいかい?」


いかん!何を言ってるんだ、俺は!

「見つけた」て、アイス屋じゃないだろ!

ほら、何も答えてくれないし、何か銃のような物を・・・


それって、銃ですよね?


黒色の、そのT字型の物は、T字の縦棒部分が、貴女の白く美しい手に収まらないってことは、いーっぱい弾が入ってるってことですよね?


それも、ご丁寧に両手に持っちゃって。


あっ、丸いパイプ状の・・・否!銃口がこっちを向いて・・・


タタタタタッ!


軽い音とは裏腹に、仁が直前まで座っていた椅子は粉々に砕け散った。


「おわっ!ご、ごめんなさいっ!名前とか、貴女のことを忘れていた事について怒ってるのなら謝りますし、頑張って思い出しますっ!だから、撃たないでっ!」


間一髪逃れた仁は、スクラップの山の影に逃げ込み、美人だが、迷惑極まりない女に向かい叫んだ。


ガラッ


頭上の音に仁が視点を移すと、スクラップの山の頂上に、漆黒を纏った女が仁を見下ろしてした。


タタタタタタッ!

「何でどいつもこいつも俺の話を聞いてくれないんだよっ!」


紙一重で銃撃をかわした仁は、だが、砂に足をとられ、大きくバランスを崩した。


タタタッ!


さらに容赦なく放たれた銃弾は、仁の心臓の位置に吸い込まれるように着弾した。




「がっ!がはっ!い、いてぇ!」



仁が痛みにのたうち回るが、血は一滴も出ていない。

「この着流しは耐弾性があるから貫通はしないけど、やっぱ死ぬ程いてぇ!」

鶯色の仁の着流しには穴一つ空いていなかった。

「だけど、俺は何でこんなモンを着て・・・」


キィィイン!


しまった!余計な事を考えてっ!


痛みと吐き気にフラつく仁に、女はとどめとばかりに発砲した。


ヤバい!やられる!


弾丸は、今度は着流しに邪魔をされないよう、仁の頭部を確実にとらえようとしていた。



キレが無いのも仕様です。(笑)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ