天使の涙の夜
掲載日:2026/02/14
ちょっとむかしの、はなしです
悲しみばかりが、降る夜に
ひとり冷たい公園で
夜空みあげて清らかに
微笑む少女がいたのです
そしてさくやの、はなしです
まぼろしみたいな夜の海
海路を撫ぜる淡い風
もう失われた霧雨が
そっと少女の頬を撫ぜ
むねでかがやく、はなしです
たったひとりで懺悔する
夢の名残りを火にくべる
愛する人はその夜に
わたしを待っててくれるでしょう
そしてこんやの、はなしです
いまも少女は微笑んで
罪の重さを棄て去って
幻想よりもささやかな
あすへ消え去る夢をみて
これがホントの、はなしです
夜は悲しい刺青を
苦しい胸に刺すのです
レモンの希望を目指すとき
かたく未来をみるのです
ここから夢の、はなしです
わたしは少女になるでしょう
ふたりは夜へと逃げるでしょう
夜がメガネを外したら
ふたりは天使に、なるでしょう




