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ある「初め」に寄せて

作者: 武田道子

ある「初め」に寄せて



その日は始まった

突然その日が来た

丹念に計画を立て

未来を予測し

けれどもその日は

誰にも選ばれることなく

自ら初めの日を選び

歩き始めた


門が開き

ダムの水が流れ

冬を越した水田に水が満たされ

大地は潤う

そんな時が来たのだった

水をはらんだ池や川

眠りから醒めた生命

ゆっくりと、少しずつ

結ばれた精卵(いのち)は自由に泳ぎを覚えていく

音、声、音楽、笑い

波紋のように広がって

感性はつくしのように芽を出し

深い暗い泉の中で

うとうとしながら育っていく


初めが生まれた日

誰も気づくことはなかった

宇宙で星が生まれるように

どこかで喜びの歌が歌われ

地球は静かに回転し

人々は日常の生活を営み

風の向きが変わり

雲が思いつくままに形を変えながら

飄々とその日は

始まったのだった


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― 新着の感想 ―
なんの初めてかは分からないけど、とても好きです!!!宮沢賢治みたい!!!
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