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ババァ召喚  作者: にわ冬莉
第一章 汝、諦めることなかれ
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第十八話 隣国の動き

「鈴子殿、一体どうすれば」


 国王ハースは眉間に皺を寄せ落ち着きなく部屋を歩き回っていた。ユーリルは、ここミリールに匹敵する大国であり、亜種への戦に一番好戦的だったのだそう。今までのお付き合いとしては、特に揉めるような要素もなかったらしく、友好国だったとのこと。

 ところが、掌を返したような対応。


「そりゃ、王様も気が気じゃないわよねぇ」

 頬杖をついて、鈴子。


「でも!」


 シャキッと背筋を伸ばし、大国の地図を見る。ユーリルとミリールは近隣国ではあるが、途中にガイアールという国を挟んでいるため、隣同士ではない。つまり、ユーリルが攻めてくるにはガイアールを納得させ、領地を通らせてもらう必要があるわけだ。


「ガイアールはどんな国なんですの?」

「ああ、ガイアールは農業が盛んな穏やかな国だ」

 なるほど。

「では、まずはガイアールに行きましょうか、ゼンちゃん」

 傍らのゼンににっこり微笑む。


「行く? 鈴子殿がか?」

 国王はキョトン、とした顔だ。


「ええ、そう。だってガイアールがうんと言わなければユーリルは攻めては来られないのでしょう?」

「だけどよぉ、スズ、ガイアール共々一気に攻め落とす、って戦略もありじゃねぇの? ユーリルって国は、そもそも武力行使上等、って構えなんだろ?」

 ゼンが口を出す。


「どうかしらねぇ? どこまでを想定して宣戦布告なんてしてきたのかはわからないけど、大陸間で大戦争したいなんて思ってやいないって、私は考えてるわ」

「じゃあ、」

「半分は脅しなんじゃないかしらね。私を預言者だって信じられなかったか、友好的な解決に納得がいかないか、ま、そんなところかしらね」


 最高指揮官が国王であるのなら、あの映像を見ていないのだから、家臣の話だけで納得しないのも頷ける。ユーリルだけじゃない。他の国だってNOを突きつけてくる可能性がないわけではないのだ。


「とにかく、ガイアールに出向いて国王に話をつけてみるわ。王様、紹介状みたいなの、書いてくださる?」


 さて、いよいよ城の外へ!

 鈴子はどきどきとワクワクを半分ずつ抱え、旅支度を始めるのであった。


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