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弟君と呼ばれたい。  作者: 暗黒星雲
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第10話 姉の猛攻に耐えよ!

「ふう~。気持ちよかったあ~」


 玲香姉さんが風呂から上がってきた。俺はリビングでTVを見ていたのだが、彼女の艶やかな姿に視線が釘付けになってしまう。姉さんはいつものブルーのパジャマを着ていなかった。

 上は白いタンクトップで何となく乳首は透けているような雰囲気だし、下は素脚丸出しのホットパンツだし。ドライヤーを当てていない濡れた髪が妙に色っぽかった。


「さてさて、彩花のBD(ブルーレイディスク)を見る前に、〝ヨウツベ〟見ていいかな。チェックしたい動画がいくつかあるんだ」


 〝ヨウツベ〟とは、米国に本拠があるオンライン動画共有プラットフォームだ。主に個人がアップロードした動画を無料で再生できる世界で最もアクセス数の多いウェブサイトとなっている。また、動画をアップしている個人をヨーチューバーと言い、再生回数の多い動画をアップしているヨーチューバーは若者の憧れの的となっているらしい。


 俺の返事も聞かずに、玲香姉さんはTVのリモコンを操作してヨウツベのサイトを表示する。そして、お気に入りのチャンネルをチェックし始めた。


「なあ緋色。ちょっと腐った映像とか百合の花とか出てくるけどさ、気になるなら席外してもいいよ」

「うん」


 腐った映像って何だ? ドラクエの腐った死体とか? それとも本物の腐敗した死体? いや、単なる生ごみとか? どれにしても気持ちが悪いな。それとは対照的な百合の花。美しい花の映像なら癒されるからいいんじゃないかな……。


「こりゃいい! 掘り出し物だよ。えへへ。チェックしてよかった」


 とか言いながら、よつんばいで画面にかぶり付く玲香姉さんだ。あの、ホットパンツに包まれた可憐なお尻を俺の方に向けてるんですけど……。

 

 俺が玲香姉さんの無防備な姿に欲情しそうになったその時、TV画面には姉さんの言う〝腐った映像〟が再生され始めた。


 アニメだ。登場人物はいわゆる少女漫画的なイケメンキャラが二人で……抱き合っている。二人は唇を重ねて、舌を絡ませ濡れた音を響かせながら熱いキスを交わす。二人はお互いの股間に手を伸ばしつつ、ベッドに倒れ込んだ。


「おお! これは大当たりです! ハアハア」


 姉さんは激しく息を荒らげながら悶えている。


 こ、これは!

 いわゆるBL(ボーイズラブ)。しかも、モザイクがかかっているが、かなり明確な性的描写がされている。18禁だ。間違いない。


 玲香姉さんは、そんなアダルトな動画に悶えながら熱中している。確かに、少女漫画的なイケメン同士が絡む映像はパッと見は美しいものだが、俺としては、男同士の絡みはあまり気持ちのいいものではない。


「ああ、やっぱり大画面で見るのは別格だよね。いつもはさ、お父さんいるからここじゃ見れないんだよ。今夜がチャンスって事ね」


 確かにその通りだ。親がいない今夜は、エロ動画を見放題なのは間違いない。満面の笑顔を浮かべて喜んでいる姉さんを見てると、本当にBL好きな腐女子なんだなって思う。


「おおおおお。これも良いわ。ああ。ロリ系女王様が公爵夫人をいじめる展開ね。きょっ、巨乳です! 公爵夫人、巨乳すぎます!」


 今度の動画はファンタジー系の(レズビアン)系のSM系らしい。姉さんはキャアキャア叫んで悶えている。ふむ。玲香姉さんの性的趣向はやや偏っている事がわかった。男女問わず、同性愛が大好きなんだ。


「玲香姉さん。同性愛が好きなの?」

「ふふーん。そう思った? 確かにLとかGの同性愛も好きだけど、私は男の子も大好きなの。基本、異性愛者(ヘテロセクシャル)だと思って間違いないよ」


 つまり、趣味的には色々多彩だが恋愛観としては多数派であり普通って事か。それはつまり、姉さんは俺の事を誘っているのか? 強引に背中を流すとか言ったりしたし、今もかなり無防備な姿を晒しているわけだ。


 確かに、玲香姉さんの容姿は俺好みだ。ド・ストライクと言ってもいい。だからと言って、ここで理性を失ってしまう訳にはいかない。


 そう、姉弟で過ちを犯し離れ離れになってしまうような悲劇的な結末なんてまっぴらだ。俺は玲香姉さんと恋人同士になるよりも、姉弟として末永く仲良くしていきたいと思っている。これは正真正銘、俺の偽りのない本音だ。


「ねえ、緋色。私の事、どう思う?」


 突然の質問だ。四つん這いのまま、俺の方に向いて上目遣いで聞いて来た。タンクトップの胸元は隙間が空き、下着をつけていない胸元が見えそうになっている。


「ええっと、玲香姉さんはすごく綺麗だと思います」

「本当に?」

「もちろんです。色白で活発で、大きな目元が素敵です。その、スレンダーな体形もイイです」

「胸が寂しいって思うでしょ? 爆乳の椿と比べたら、私って極貧民だよね」

「椿さんは特別です。胸は比較するものじゃないです。みんなそれぞれの一番があって、その人のオンリーワンが何より尊いのだと思います」

「あれ? 言うじゃん。じゃあ緋色のオンリーワンって椿?」


 俺は必死に首を振った。椿さんの巨乳は嫌いじゃないけど。


「じゃあ彩花?」


 また首を振る。確かに彩花様も美しいし、あの美乳は完璧じゃないかとも思う。しかし、俺の一番は玲香姉さんなんだ。あの、極貧民と自称している控えめすぎる胸元に、とにかくドギマギしてしまう。


「もしかして、私の貧相な胸元がイイの?」


 尻もちをついた俺に、玲香姉さんは更に接近してきた。顔と顔の距離はもう、20センチくらいしかない。目線を下げると、タンクトップの隙間から、少しだけ姉さんの胸が見えてしまった。


「返事、しないんだね。じゃあさ、少し触ってみる?」


 姉さんは俺の右手を掴んで、そっと自分の胸元へと誘導していく。姉さんの胸は控えめだが、ちゃんと膨らみはある。このままじゃあ胸に触ってしまう。


 これはヤバイ。本当にヤバイ。俺の指が姉さんの胸に触れそうになったその時、玄関のドアがガチャンと開く音がした。


「戻ったよ」

「ただいま」


 父と母だった。


 玲香姉さんはチッと舌打ちしてから、「おやすみ」と言い残して二階へと上がって行った。

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