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龍神王の花嫁  作者: よもぎ
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リティの過去の話1

オムライスを食べてしばらくサナやダンさん達とお喋りに花を咲かせた私はお代を払って家に帰ってきた。


お風呂に入り鏡の前に立てば色素の薄いブラウンの長い髪と色素の薄い茶色い目の自分が映っていた。


だいぶこの姿も『見慣れてきた』。



そう思いながらふと魔法を解除すればプラチナブロンドの髪の毛とエメラルドのような目に様変わりした。




これが本来の私の姿……いやこの髪色になったのもごく最近の話か。



私は自分の姿を通して昔の記憶を思い出していた。







私の生まれはここディラバシア王国に隣接する国セレスティア王国だ。

隣接すると言っても今住んでるトコロコ町近くの国境とは正反対側、真逆の方に位置する。


私はそこでリーティア・セレスティアとして誕生した。


名前で分かる通り私は王族として、王女としてこの国に生まれたのだ。



この国の王で私の父でもあるフレデリックは賢王として名を馳せ、同時に美丈夫な彼は美しい妻をもち愛妻家としても有名だった。

その間に私の兄王子と私、そして妹姫の3人の子宝に恵まれた…が私の母である王妃が儚くなられた。


父も私達3兄妹もとても嘆き悲しんだ。




悲しみを乗り越えて父は政務に勤しみ、兄王子は父の再来と言われる程の賢き王太子となった。

ただ妹姫は幼い頃は体が弱く大事に大事に育てられ、ここ何年かでようやく健康な体になった。


妹姫は大事に大事に育てられ、亡き母に似た可憐さも相まって愛くるしい姫君としてみんなに慕われた。


特に王の妹姫に対する溺愛が凄かった。一国の王女として必要な教養は無理せず、ゆっくり身に着ければ良いと言い、妹姫についていた家庭教師も頷いた。


王太子である兄王子は優秀だと褒められ、妹姫は私ができて当たり前だと言われたことすらも素晴らしいことの様に褒められたが、私は兄王子の右腕となるべく厳しく育てられた。


私は兄王子ほど優秀ではなかった。だから兄や父の様な優秀さを求められ、毎日毎日涙滲むような努力をしてきたつもりだった。


それでも父王からの目は冷たく、何故兄ができることをお前ができないのだ?と蔑まれてずっと追い込まれていた。


兄は兄で末の妹は可愛がるが私には呆れた様な軽蔑するような目しか向けられなかった。



もちろん周りの目も同じようなものだった。家庭教師や周りの家臣の目も私に対してだけ冷たかった。


私は将来公爵位を賜って女公爵になると決まっていたのだが、私の婚約者であった侯爵家の次男坊も私の不出来さに眉間に皺を寄せていた。

だが妹にはそれはそれは優しい目でとても大事に扱っていた。

この人の婚約者が一体どっちなのか分からなくなった。


前に一回だけ「妹ができないことを私ができたとしても褒められることはない」と婚約者の男に言ったことがある。


婚約者の男は「妹君は体が弱かったんだから仕方ないだろう!その点君はなんだ!健康なのに王太子殿下の足元にも及ばない!」と更に蔑まれただけだった。



もっと言えば私が蔑まれる理由はもう1つあった。


それはこの王家の血筋は元を辿れば天使の血を引いていると言われていて、王族は皆ある時普通の魔力とはまた別に浄化の力を発現させることがある。


それを覚醒というのだが、覚醒した王族は皆プラチナブロンドの髪色になる。



それ故、父親も兄も病弱だった妹すらも覚醒しプラチナブロンドの髪色なのだが私だけ何故か覚醒せず赤茶色のままだった。


それも周りに蔑まれる一因だったのだろうと思う。



だがそんな私もただの一度だけ幼い頃一時的にだが覚醒したことがあった。



当時ディラバシア王国の国王と王子が我が国に視察に来ていた。


国王は父王と会談していた為、王子のお相手を同世代の私がしていた。

ディラバシア王国の王子は穏やかな性格で、王子と初めて会った時私に優しく話かけてくれた。


金色のきらきらした髪の毛は綺麗に揃ってて優しそうな空色の目、当時可愛らしい天使の様な男の子で綺麗な笑顔を浮かべていた。まさに王子様のようだ。


…思えばあれが私の初恋だったのかもしれない。



その時、王子様に私のお気に入りの場所を教えたくてお母様に教えてもらった王城の隣にある小さな森に入って行った。

余談だが母が生前その森によく私を連れて色んな野草を教えてくれたのが薬学の知識の原点なのだ。



その森に入ってしばらく王子様と遊んでいたが、どこからか紛れ込んだのか、普段はいない魔物が現れた。


呆気にとられた私達だったが、魔物がどうやら王子様に狙いを定めたようだった。


「だめ!!!」

私は咄嗟に王子様の前に躍り出て王子様を庇う様に前に立ちはだかり、反射的に前に手を突き出した。


私の手から温かな気が発した様な気がした。思えばあれが浄化の力だったのだろう。



私のその力でたちまち魔物が姿を消し、事なきを得た。



その時「姫…髪の毛が…」というディラバシア王国の王子の声で自分の髪を見てみたら驚いた…髪の毛がプラチナブロンドの色になっていた。


やはりあれが浄化の力だったのか…と確信した。



城に戻った私達、父王が私の覚醒に一瞬驚いたような顔をしたが、他国の王子を危ない目に合わせた罰として、何日か部屋で謹慎することになった。


王子は自分を助けてくれたんだ!と父王に私を許す様に提言してくれたが父王は聞き入れてくれなかった。

ここら辺で一番の大国のディラバシア王国の王子を危ない目に合わせた訳だから、こうなったのは仕方ない…と私は納得していたが、私は結局ディラバシア王国の王族が帰るまで部屋から出してもらえず、王子に会ったのは森で遊んで魔物に襲われた時が最後となったのは悲しかった。


初恋の彼にもう一度会いたかった…。


数年後そんな彼と会うことになるのだが…。



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