がたん ごとん
がたん ごとん
がたん ごとん……
平日のしずかな図書館で、親子が絵本を読んでいる。
くつをぬいで上がる、じゅうたんの絵本スペース。壁いちめんの低い本棚に、絵本が並んでいる。窓のロールカーテン越しに、クリーム色のあたたかい光が差す。
お母さんは、小さな男の子を、おひざにだっこ。
男の子を包み込むように、小さな声で、電車の絵本を読んでいる。そして、絵本の「がたん ごとん」に合わせて、お母さんが小さく揺れる。
男の子は、”電車”の特等席にちょこんと座り、絵本をじいっと見つめて、きいている。
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『がたん ごとん がたん ごとん』
安西 水丸/作、福音館書店