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七菜との日々  作者: ニリとん
1章 ライダー編
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ライダー編 Ⅲ

真面目回…にしたかった


基本的な設定というか、ベルトについてを話し合う感じ?

 



「ライダーシステムについてだね、ゆっくり話すから聞いてね?」


 七菜さんは自身の作ったシステムを解説する。

 いつもとは違う、穢れなんて1つない目でこちらを見ているその顔はまるで少年のようだった。

 実際やっていることは少年だが。


「まずはアレだね、色々やったけど特異性だけ説明しようか。チカラの引き出し方法だ」


 七菜さんは自らの腕を見て、擦りながら続ける。


「原材料、というかエネルギー源は生物の血液だね。今回は私のを使った」


 血液?

 血液がエネルギーになるのか?

 疑問だったので、聞いてみる。


「血液がエネルギー源って、脂肪とか筋肉とかじゃなくて?そっちの方がエネルギーとしては取り出しやすいと思うけど」

「まあ、確かにそうだね。実際システムのエネルギー源として笹身肉を使った時は割と上手く作動したよ。でも、一応固体っちゃ固体だったからね。液体の方が望ましいんだ。それも、新鮮な方が」


 液体の方が望ましいのか。なら植物のエキスとかは…血液かアレ?デンプンが分解されて液体になって流れてるからエネルギーとしては良いんじゃないか?


「植物のエキスは?血液じゃないけど糖類が豊富っちゃ豊富だからエネルギーの方は良いと思う」

「だよ。ただ、エキスだけとかになると精製が難しいし、諦めたんだ。1回擂り潰してやってみたけど、上手くいかなかったんだ。試してみた結果として、タンパク質の方がエネルギー変換効率が高かったよ。だから血液って訳」


 タンパク質で液体、というと…まあ、血液だわな。

 まあエネルギーについては理解した。


「ざっくり言えば、血液をエネルギーとして、媒体としてベルトに組み込んだ訳よ」

「なりほろね」

「あ、タンパク質で液体だからエッチな方の液を使おうとかも思ったけど、ベルトシステムの予備がないからやめといたよ」

「予備があってもやるなよ?」


 念押ししとかないとコイツは絶対にやりそうだし、一応ジト目で注意する。

 やめろよ?マジで。


「まあその時は私のだけじゃなくて、一応「あ"ぁ"?」実は私のやつだけで実験してみることになってるんだ!うん!はい!ええ!」


 一気に目が濁った…。

 やはり腐っても浄化されても変態である。

 汚れの取れない皿みたいなやつだな。

 汚れを誤魔化すしかないけど、時々バレちゃう感じ。

 横向いてても目が泳いでるのは分かるぞ。


「…おほん。エネルギーはそんな感じ。で、特異性の説明ね」


 咳払いして向き直り、七菜さんは説明を再開する。

 再びその濁った瞳は澄み渡る。

 ずっとそれでいろや。頼むから。


「まずエネルギーを変換して展開するんだけど、それを軽く装甲にする予定だった。失敗したけどね。まあイメージはカブトだね」

「ほーん…変身音は?」

「アイデアなかったから詰め込んだ」

「バカじゃねぇの?」

「もっと褒めても良いんだよ?」

「は?」


 イメージはできたが、変身音を詰め込んだっていう所だけは全く思考が理解できない。

 せめて1個だろ。

 そこらへんは後で考えるとして、今は特異性のことだ。

 色々聞かせてもらおう。


「このベルトね、ざっくり言うと素粒子のエネルギーを引き出せるのや。だからなるべく分子量の多い高分子溶液が欲しかったのね。核的なアレね」

「えぇ…七菜さん、ヤバくないですかそれ…」

「ヤバいね。だからこそ実験は人気の無いところでやったし、人員も2人だけでやったし」


 纏めると、ベルトには簡易的な核分裂反応を起こす機構が内蔵されているらしい。

 要するに原子力発電所だな。

 つまり問題は、反応に失敗したときの、環境に対する副作用なんだよなぁ…。

 そんなことを滲ませて溜め息をつく。


「はぁ…。そういう問題じゃないんだよなぁ…」

「んー?…はっ!」


 どうやら気づいてくれたようだ。これで恐らくそこについても説明を…


「まさか私と2人っきりで人気の無いところにいるってことでムラムラしたりそんなエッチもうやぁねぇそんなんんんらめぇ!」


 …してくれるとは到底思ってない。

 変態は帰るというか土に還って下さい。

 なんならお庭にダイブしてください。

 …いや、それはお庭(・・)が可哀想だ…。

 この変態に期待してはいけない。

 改めてそう感じた。


「うわぁ…自意識どころか変態質の量も異常だ…引くわ…」

「色々酷いけどそれよりも変態質って何!?」

「察しろ変態」

「ありがとうございます!」

「は?」


 相手をするだけでこちらのSAN値を削ってくる。

 つーか体力すら削ってくる。

 こんな変態はクトゥルフ神話にでもお帰り下さい。

 …この変態なら、寧ろ邪神を束ねて戻ってきそうではある。

 その時は逃げるとしよう。


 なかなか変態が話を進めないのでこっちの質問に答えてもらうことにする。

 七菜さんはデュフフとか言いながら了承してくれた。

 最近は秋葉原ででもそんな人いねぇよ?

 知らないけど。


「で、ベルトの機構に何か不具合が起きたときの周囲及び装着者への影響は?」

「ん、それか。それに対しては大丈夫だね、対策はしたから被害は最小限になってる」


 本題を聞いてみたら、案の定ではあるが被害はでるらしい。

 まあ最小限になってるらしいけど七菜さんなので期待してはいけない。

 そう、期待してはいけな…


「全身の服が消し飛んで文字通り裸族になるね」


 思ったより酷い…!

 社会的に()確実()死亡事故(全裸)が起こる未来が見えてしまう…!

 女の子なら許されるかもしれないが、おっさんが唐突に全裸で登場するのは悪夢でしかない…!

 思わず机に突っ伏すと、七菜さんがちょんちょんする。


「大丈夫だよ?変身するのは私」


 やった、この変態が露出狂になって捕まるぐらいなら別に僕には支障が…


と君だけ(・・・・)だから」

「ざけんじゃねぇ!」


 出ますねぇ!

 寧ろ支障しか出ないね!

 ふざけんな変態!

 僕が裸体になって良い思いをするのはてめえだけだ変態!

 この変態!


「…めっちゃ焦ってる…。すいません写真撮らせていただきます」

「ァァアアア!」

「私の一眼レフにヒビがァァァアアアアア!」

「「うあああああああああああ!」」


 それから数分2人で転がりながら、理不尽に対して叫び続けたのだった。

このあとめちゃくちゃゴロゴロした。

いやー、やっぱ変態に真面目を求めるのは無駄だね。

どうしても変態行動に走る…。


七菜「ワクワクしてやった、反省はしていない」



恐らく次も同じベルト説明の感じですね。

準備が整ったら変態は暴れます。

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