AとEのクトゥルフ編 ⅩⅡ
多分、次の次までには終われる。
今回アリスが少し変態します。
…自分で書いててアリスが可哀想になってくる。
それももうすぐ終わりじゃ…!
「は?」
「だから、故ウサギさんをアリスちゃんのお口に…」
「いや、え?は?」
いきなり変なことを言い出した七菜さん。
頭おかしいんじゃないの?
一回叩こうか?
直るかもよ?
あっ元々だったわ。
ごめんな。
で、詳しく話を聞こうか。
何故、そんなことを?
「先に行っておこうか、このシナリオは、全員が助かることはない。犠牲を出すか、全滅か、だよ」
「…」
犠牲が必ず出る?
つまり、誰かは、死ぬ?
誰かが?
アリスが?
「ただね、1つ、方法は用意してあるんだよ」
「…」
「全員が助かる方法が、ね?助からないとは言ってないよ」
「ッ!」
思わず七菜さんの胸ぐらを掴む。
七菜さんの背負うDアリスが、少し身動ぎする。
「…どういう方法だ…!」
「簡単だよ。とっても簡単な方法だ」
Dアリスが、口をもにょもにょと動かし、口に溜まっていた血液を吐き出す。
それは鮮やかな青色をしていた。
「本物のアリスを、本体を見つければいいのさ」
ゴーン…ゴーン…
5分が経過。
闇アリス放出の鐘が鳴る。
新たに生成された闇アリスは8人。
合計で、12人の闇アリスがこの空間に存在していることになる。
そう、先程ウサギを貪っていた闇アリスは、始末されていない。
口元を、血でべったりと濡らした闇アリスが4人、ネコの部屋に移動していく。
それに付随するかのように、8人の闇アリスが動き出す。
そのまま、猫の死骸の方に向かう。
二桁になった闇アリスは、その肉に手を伸ばし、貪る。
猫の血肉を。
そこで気づく。
猫の肉は未だ未入手である。
これを少量でも入手する必要がある。
「ん、そういえばにゃんこがまだだったね。私が取ってくるよ」
七菜さんが目を擦るDアリスを下ろし、一瞬でネコの部屋に移動し、肉を取ってくる。
刹那で行われたからか、はたまた闇アリスがまだ手をつけ始めたばかりだったからか、七菜さんは多めに肉を取ってきた。
そして、本体探しが始まる。
「…アリス達って、血は青いの?」
「「「「んー?」」」」
思いきって聞いてみた。
血の色なんて尋ねたりなんかしたら完全にヤバい奴だな。
普通赤だけどな。
でも、さっきDアリスが吐いた血は青かった。
もしかしたら、それが見分ける方法なのかもしれぬい。
一応ではあるが、聞いておいた方がいいか。
そう思った。
「「「「「「分かんない!」」」」」」
「そっか…」
違ったか。
猫とかウサギとかは赤い血だったからそうかと思ったんだがな。
「「「「見たことないから!」」」」
「あっ、そういうこと」
「「「「見てみるー!」」」」
「おっと、それならお兄さんの前でな。もしかしたらいっぱい血が出ちゃって痛いかもしれぬいからね」
「「「「はーい!」」」」
1人ずつ、血の色を確認していく。
これで、本体が洗い出てくれば良いんだけどね。
戦闘時にDアリスが作り出していたナイフを使い、腕に少し刃を入れる。
これで最小限の傷になるだろう。
では、お兄さん監修の元で血液検査を始めさせていただきます。
1人目。
「あおーい!」
「…青い」
2人目。
「あおーい!」
「青い」
3人目。
「あおーい!」
「青い…」
4人目。
「あおーい!」
「これ間違えてたんじゃない?」
5人目。
「…これは、赤い血…」
「…」
「もしかして、君は…」
5人目で血液が赤いアリスが出てきた。
早かったか。
いや、違うかもしれぬい。
そう思い、尋ねる。
「…おめでとう。私が、本体。本物のアリス。支配する同一存在ALiceであり、ALiceの支配者でもあるアリスだよ」
来ました。
ALiceの中のALiceだと言う本体さん。
アノザーアリス…Aアリスか。
アリスが多すぎて何がなんだか分からねぇな。
「…じゃあ、皆。整列。改めてご挨拶しよう」
「「「「はーい!」」」」
Aアリスは他のアリスに声をかけ、整列させる。
まるで軍である。
増殖する下級兵かな。
絶対狂気の沙汰だよな。
全員が同じ顔してるしな。
「…こほん」
「「「「「我々ALiceは、貴方のために戦い、舞い、散る運命にあります。どうぞ、何なりとご命令下さい」」」」」
アリス本体、Aアリスを発見した。
僕達はこれからこの場所を脱出する。
これで、皆で帰れる。
「…一緒に帰るぞ。準備はいいか?」
「「「「「Sir, of course!」」」」」
「っし!行くぞ!」
まずは、仕掛けか。
2人志願兵を募集する。
ほぼ死ぬ可能性が高いけど、そういうのを志願する勇者なアリスもいるかもしれぬいからね。
むしろここで出てもらわないと、こっちが選ぶことになっちゃうから困る。
「それじゃ、ここの仕掛けを解除するために2人協力してほしいんだけど」
「「「「「「…」」」」」」
「もしかしたら痛いことになっちゃうかもしれぬい」
「「「「「「…」」」」」」
「でも、代わりに出来る限りのことはしてあげたい」
「「「「「「私がやります」」」」」」
「これはもしかしなくても下心満載だよね?」
出来る限りのことをする、って言った瞬間に全員が手を上げた。
こら変態ども?
七菜さんに汚染されちゃダメだよ。
そういうことはしません。
結果的に大じゃんけん大会が開催された。
アリス団子再びである。
ょぅι"ょのょぅι"ょによる僕のためのじゃんけん大会。
ヤバい奴だな。
私は変な人じゃないです。
それはあの人です。
2人、アリスが出てきた。
めでたく優勝したアリスである。
…このあと、この子達は、磔になる。
だから、出来る限りの望みを叶えてあげたい。
「「だっこしてー!」」
出来る限りの望みを。
「「脱いでー!」」
出来…。
「「そのまま、[自主規制]ー!」」
「できるわけねぇだろこの変態ょぅι"ょ!」
「「ごちそうさまです!」」
七菜さんのせいだ。
七菜さんのせいで…。
七菜さんェ…。
その後、だっこしておんぶしてなーでなで、と一通りアリスとイチャイチャした。
違うな、アリスに遊ばれた。
ちなみに他の子達は羨ましそうにしていた。
「…」
「変態こっち見んな」
「…」
「殴るぞ変態」
「…」
「死にゃらせゴミカス!」
「ありがとうございます!」
ダメだこのパーティー。
ゴーン…ゴーン…
5ふンけイカ。
あんよの部屋。
僕は、アリスと共に、そこにいた。
傍らには、ウサギの肉を持った七菜さんが立っている。
これから、僕は、アリスを十字架に吊るす。
アリスは、両手を広げて十字架を背にする。
するとアリスは青く光り、ふわふわと浮遊していく。
十字架の中央付近まで到達すると、鎖が現れてアリスを拘束する。
それまでの笑みが消え、アリスは無表情となる。
目からも光が消える。
そして、軽く口を開く。
「…ごめんな。許してくれ」
アリスの口に、ウサギの肉を入れていく。
少し口に肉が入ると、アリスは咀嚼を開始し、次々に肉を平らげていく。
その目は今までのような青色ではなく、どす黒い紫だった。
まるで機械かのように口を動かすアリス。
その姿は、不思議と痛々しかった。
そして、肉を食べ始めてから十数秒、アリスの姿は白く、硬い大理石になった。
石になったアリスからは、生命の徴候は見られない。
ガコンッ
小さな音がして、十字架は地面に収納されていく。
やりきれない思いだけがそこに残っていた。
ところでですが。
ざっくりと、ロボ編が煮詰まって来ました。
新キャラが1人増える予定です。
なんならそろそろ名前だけでも出そうと思います。
多分次のシナリオで名前だけ出します。
キャラは濃いけど影は薄い感じです。
七菜「機体の案はちゃんと描いた。個人的にはオッケーです」