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七菜との日々  作者: ニリとん
2章 AとEのクトゥルフ編 前編:A
11/52

AとEのクトゥルフ編 Ⅳ

割とサクサク書けたので投稿です。

シナリオ入れたわ!(入ってない)

次回からシナリオ描写多いので七菜さんの変態は減るかと思います。

七菜さんの変態お目当ての方は待っててね?

 




「持ってきたよ!」

「何を?」


 職業ポイントを振ってステータスを決めた日の翌日。

 七菜さんが2つ、怪しいサムシングを持ってきた。

 まるで頭に被るアレ、ヘルメットだ。

 …自転車の練習か?


「自転車なら付き添わんぞ?」

「失礼にゃ!?これでもちゃんと…乗れる…と…おも…」

「乗れないんだな」

「んにゃあ!?」


 図星だな。

 七菜さんは借りてきた猫どころか生まれたての猫みたいにぴくりんこした。

 いかにもわざとらしい。

 だが七菜さんがこういうことするときは大体図星だ。

 自転車乗れないことが明らかになりましたよ七菜さん。

 これからこのネタで遊べるな。


「んんっ、おほんっ。私が自転車乗れるとか乗れないとかそんなのはいいの。それよりもこれだよ!これ!」

「そうそう、それ何なの?性癖?」

「性癖!?」


 ヘルメットフェチか。

 多分探せばいるな。

 まあそんなのは置いとこう。

 そろそろ真面目するかね。

 相手は変態だけどね。


 改めて七菜さんに向き直る。

 その手に持つ謎のヘルメットは何なのかな?

 コードとかもついてますね?


 教えて七菜さん。


「これはね、予め構築しておいたデータの世界に行けるヘルメットだよ」

「説明ざっくりしてるな」


 どういうことか全くわからない。

 具体例を求めてみる。


「似たようなヤツで言うところの?」

「剣がアートするやつ」

「なるほど理解したわ」


 アレね。

 VRでMMOなアレね。

 超速理解したわ。

 …え、作ったの?

 アレを?

 疑問な視線をぶつける。


 七菜さんはニヤリとして悪い笑顔をする。

 こちらを見て一言。


「わたしがつくりました」

「顔やめろ」


 安心できないヤツですね。




 七菜さんが作ったメカ。

 名をその空想を現実に(ワールドメイカー)

 略称はWM、ワム。

 なんだか吸血鬼を吸収しそうな感じだな。

 ちなみに性能は問題ないそうで。

 何回か自分で試したらしい。

 馬鹿ですね。

 リスク高過ぎだろ。

 生きてるしいいか。


「ワムの作り出す世界がどうなってるか、どんな世界なのかはご自分で試してみて下さいな」

「悪徳商法かな?」

「ちゃんと実験したから恐らく大丈夫だよ」

「断言しろ馬鹿」


 まあリスク云々は置いておくとして、試してみる。

 体感したいし。

 分からん?

 最初に新しいことするときってテンション上がらん?

 上がるよな。


「普通に被ればいいのか?」

「そだね。ヘルメットヘルメット」

「うい。着剣!」

「着剣せよ!」

「したわ」


 装着。

 割と普通にヘルメットしている。

 変な感じはない。


 七菜さんはワムから延びるコードをつなぐ。

 電源が入ったのか、フォンと音が鳴る。

 おぉ…?


「そんじゃそのまま寝転がってね」

「何かあるといけないしな」

「…でゅふっ」

「お前ナニしようとしてんの?」


 とりあえず指示通り寝転がるが、七菜さんが怖いというかなんというか…。

 目が濁りきってるよ七菜さん。


「うい、じゃあ始めるよー。ちなみに七菜さんは自分の分持ってきてるから、後で合流するからね?」

「そうか。じゃあまあいいや。始めてくれや」

「入るときは転移(トリップ)って言ってね。それで作動するから」


 もう完全にアレだな。

 リンク・スター…何でもない。


転移(トリップ)

「ん、いってらー」


 一瞬の浮遊感の後、僕の意識は完全に消えた。




「…うぇえ、エレベーター…」


 変な事を言いながら僕は立ち上がった。

 ここがシナリオ…の、内部なのだろうか?

 狭い空間に僕はいた。


 すると、隣に人の大きさをした影が現れた。

 その影は少しずつ色を出し、人間へと近付いてゆく。

 数十秒で見覚えのある美人が現れた。

 まんまの美人がそこにい…


「ふぃー。…待たせたな!」

「待ってねぇよ?」


 まんまの七菜さんがそこにいた。

 一気に場を掻き回したなこいつ。


 七菜さんはこちらを見ると、親指を立てる。


「成功だね!」

「失敗するってことだよなそれ?」


 軽くこちらをビビらせてくる七菜さんに疑問をぶつける。

 おいこら。


 すると、七菜さんは澄みきった目で答える。


「ううん。私が君を、危険な目に合わせたことがあるかい?常に私が自分で実験してるんだ、絶対に君は安全だよ。安心してくれていい」


 …。

 何も言えない。

 この人は僕のために、自分を(つか)って実験してるんだ。

 そう考えると、何とも言えない気持ちになる。


 だから僕は、この人に安心を覚えるんだ…


「代わりと言ってはなんだけど君のチェリーをくれないかい?そろそろ我慢できないんだ」


 ごめん今の全部嘘。

 忘れて。

 危機感しか覚えねぇわ。

 自分を犠牲にして相手の貞操を掴み取る。

 変態の鏡か。


「ねぇどう?私に君のをくれないかい?」

「ざけんな変態蹴るぞ」

「むしろ蹴って?」


 これが雰囲気の破壊者か。




「で、だね。いよいよシナリオを始めていくね。準備はいい?」

「ああ。こんなに準備してるんだ、絶対楽しいんだろうな?」


 そう尋ねると、七菜さんは口を歪める。

 それは七菜さんには似つかわしくない、悪の笑顔だった。




「じゃあ、始めるね。シナリオ名『不死身のフリのALice』、開始するよ」

『キーワードを認識。世界展開(シナリオ・シフト)。シナリオを開始します』

次回

『七菜さんは変態だったが、それ以上にヤバかった。』


ご期待下さい。

遅れないようにしますがもしかしたら間空くかもしれないっす。

ご了承お願いします。




七菜「先に言っておくよ。このシナリオは対象の精神が強くなきゃダメだよ。いいね?あと、私でも、『こういう』趣味は無いからね?」


オーケィ?

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