はじめまして、七菜です
七菜さんとの出会いがこちらになります。
追記
あくまでもこれは、ある世界線での出来事です。
それでは、本作『七菜との日々』の出会いの物語をどうぞ。
(なお最初とは一言も言ってにゃい)
とある春の日。
「隣に越してきた戸原と申します。以後よろしくお願いいたします」
戸原さん一家が隣に引っ越してきた。
その家族の優しそうな笑顔に、自然とこちらの頬も緩む。
「佐倉です。こちらこそよろしくお願いいたしますね」
母が佐倉家を代表して頭を下げる。
母に続いて頭を下げると、戸原家も同じように頭を下げる。
そしてそこにいる皆が頭を下げ、一瞬だけ音が消える。
数秒して頭を上げると、戸原家の娘さんと目があった。
綺麗な目をしていた。未来の自分に自信を持っているかのような瞳だった。
こちらを見据えたその目は、こちらを舐めるように見た。
ばちこーん☆
突然ウィンクが飛んできて、思わず呆ける。
美しい顔だったからだったのかもしれないが、ただ唐突だったからかもしれない。
そのウィンクには魅了の効果があったのかもしれない。
が、全く何も感じなかった。
自分自身、女子に好かれるような人間ではない。
そこから考えて、恐らくは『那珂ちゃんだよぉー☆よっろしくぅ!』的なアレだろうと思ったのだ。
しかし、それよりも。
ウィンクに悪寒を感じた。
こう、何と言うか、尻から耳にかけて舐めあげられるみたいな感触を感じた。
魅了よりは畏怖。
可愛い女王よりも獲物を見つけた淫王。
要するに、変態の覇気を感じたのだ。
思わず身震いをする。
それを見て彼女は、たはー…という顔をする。
寧ろこっちの方が可愛いと感じる。
そんな僕らを見て、戸原家のお母さんが言う。
「あら、お宅にも息子さんが…。ウチにも同じくらいの娘がいますの」
「まあ!お名前は?」
こちらを見て、彼女が言う。
「戸原七菜です!よろしくお願いします!」
これが、七菜との出会いだった。
ちまちま書いてくので、七菜さんが馬鹿だと感じたり七菜さんが変態だと感じたりして下さい。
七菜「以後よろしくぅ!」