第二十一話
「この落下している時はサイボーグになって良かったって思うよねー?」
「ああ」
「主席も思うんだ」
「落ちていくのは嫌いじゃない」
「俺も好き」
俺達三人は輸送機から地上に降下している。
普通の人間なら死んでしまうだろうが、俺達は平気だ。
寧ろ心地いい。
下にはヒュドラ―がわらわらと集まり俺達を待っている。
俺達は地上に降り立つと、わらわらと近づいてきたヒュドラ―に取り掛かった。
まずはこちらに伸びてくる黒い蛇体を刀で切り落とす。
この刀開発段階ではヘラクレスブレードとかいう名前を付けられる予定だったらしい。
蛇体を切り落とすとそこから両手の銃で一斉射撃をするというのがヒュドラ―の基本的な倒し方だ。
これを何日も何日もやっている。
今でこそ簡単に倒せるようになったが昔はそうはいかなかったらしい。
多大な犠牲者を出しここまでたどり着いた。
だからやはり解明しなければならない。
ヒュドラ―の正体を。
俺達は感染症にはならないが、ヒュドラ―の体内に呑み込まれてしまったらあっという間に体内で白骨化してしまったり、かみ砕かれてしまうので、蛇体を切り離したらできるだけ離れる。
命は惜しい。
特に今は。
何があろうとも生きていたい。
「死者が出ないとさー、一方的に私達が虐殺してるみたいに見えるんだろうねー」
「だからピースフルヒュドラ―みたいのが出てくるんだよ、ヒュドラ―は我々日本国民に再びの繁栄を齎した。お友達だって」
「殺さずに保護しろって言うんでしょ、殺さずに体液だけ取れって、できるかっての」
「その前に俺達殺されちゃう。そんなこと言うんならもう日本から出ていけばいいのに。テレビも携帯もあらゆる文明の利器を使わなきゃいいのに」
「少なくとも、蛇体で私達を体内に呑み込もうとする限り友達にはなれないわね」
「まあ友達食べたりしないからね」
フロマージュが食いたい。
ショコラフランボワーズが食べたい。
プチシュー十個食べたい。
何でもいい。
何でもいいからちーちゃんさんの顔を見ながら食べたい。
それだけでいい。
銃撃で動かなくなったヒュドラ―の本体を取りあえず刀で切り開き中身を確認する。
中に人はいない。
これも個体差があるがヒュドラ―の本体を切り開くと中には赤い血袋や臓器がある。
これらが貴重なエネルギー資源となる。
後は回収班に任せ次へ向かう。




