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365日日替りアカウント  作者: 虫圭
7/28

1月7日

 シャワーを浴びながら歯を磨いていた。

 ハッと我に返る。

「……今何時かな」

 お湯を止め、ドアを開けるとそこにはスマホが置いてある。

 アプリゲームの画面が点いたまま『mission clear』の文字が映っている。

 画面を切り替え、デジタル時計を表示させる。

「3時……? はぁ。そっか、2時まで残業してたもんね。当たり前か」

 我ながら良くない癖だと思う。

 凝り性と表現しようか、それとも意地悪に能率が悪いと言おうか。

 やらなくちゃいけないこと、やっておきたいこと、たくさんあるのは分かるんだけれど、それにしても残業時間が長過ぎる気がする。

 私は、仕事は定時の中で終わらせるように計画しなくてはいけないと思っている。

 まあ、そう上手くいかないのが現実で、普段から1時間前後の残業を仕方なくこなしてはいるが、率先して残業をしようとは思っていない。

 それこそ、『ここぞ』という場面では無理もするけれど、無理ばかりしていては身体がもたない。

 それは誰でも分かっていることだ。

「でも、まあ、仕事に妥協しないから仲間が付いてきてくれる、っていうのは確かにあるもんね。ストイックな姿勢は、褒められて然るべきか」

 褒めてばかりはいられないけれど、自分のことは先ず自分がちゃんと評価してあげたい。

 それも私なりの拘りである。


 髪を拭き、着替え終わった頃にはもう深夜3時半を回ってしまった。

 寝て、起きたらまた仕事に行かなくてはいけない訳だが、今日の仕事が終われば待望の三連休である。

 上司の粋な計らいか、年末から6連勤で一日中働いた私へのご褒美なのか、とにかく有り難く頂戴しようと思っている。

 部屋の片付けも、ペットの熱帯魚の水槽掃除もしたいし。

 読みたい小説も漫画も溜まっているアニメもある。

 こないだの休みは二日連続で家を空けていたから、何も消化できなかったのだ。

 あれはあれで満喫したから良いのだけれど。

 むしろ楽しみが沢山あると、充実したヲタ休みが待っていると、好意的に受け止めようじゃあないか!

 ゆっくりとストレッチで身体をほぐしながら明日からの休みを思い、むふふと妄想を広げる。

 

「4時過ぎちゃった……さすがに眠い……」

 あとは寝るだけ。なのだけれど、ストレッチを終えた後にPCを立ち上げてしまったのが余計だった。

 こうなると長くなる。

 音楽を聴きながらちょこちょこっと動画を見て回っているだけで、何故か時間はあっという間に過ぎてしまう。世の中には摩訶不思議なことがあるものだ。

 いや、これはもういっそ、かの有名で難解な相対性理論と呼んでいい現象なのではないだろうか。

「……あほくさ。寝よ」

 さすがに言い訳としても酷いクオリティになってきたので、いい加減寝ることにした。

 スマホを見るともう4時半。

 今日も昼から仕事なので時間的には十分な睡眠時間を取ることができるが、体力の回復を考えると早く寝たほうが良いに決まっている。

 私の体内時計は既に狂っているし、生活リズムにおいては言わずもがななのでとっくの昔に諦めているのだが、私の身体をちゃんといたわってあげよう。

 私の為だしね。

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