面倒らしいです
もう少し描写とか丁寧にしたいんですけどね。
まあ、許してください。いつか、上達させますから。ね?ね!
作者の泣き言をどうかお許しください。
「はあ!」
クレイが地面が抉れるほど強く踏み込んでケリオスの懐に潜り込む。
そして、その胴に向け聖剣を振る。
「おっと」
ケリオスはその攻撃を後ろに飛びのいて躱す。
その最中にクレイに向けて、魔法で作り出した炎球をクレイに向かって撃ちだす。
それをクレイは拳で振り払う。そして、またケリオスに向かって踏み出し今度は袈裟懸けに一閃を放つ。
ケリオスは、体を捻りそれを擦れ擦れで避けお返しという感じで体をそのまま回転させて蹴りを出す。
クレイは腕でそれを受け止める。
「やっぱり、これだ。これだよ、俺が求めてたのは。いいぜ、もっともっと楽しもうぜ」
「冗談を。君となんか戦ってても楽しいわけがないだろ」
笑いながらそう言ったケリオスとは対照的にクレイは冷めた目でそれを見ていた。そして、ケリオスから距離を取り、聖剣を構え直す。
「それでも楽しいというのなら存分に楽しませてあげるよ。死ぬほどね」
「そうか、そうか。そりゃあ、楽しみだ」
ケリオスはクレイを見つめ、構えを取る。どうやらケリオスは武器は使わないようだ。
そして、ケリオスが腰を沈め今度はケリオスが先にクレイに攻撃を仕掛けるようだ。
「うら!」
ケリオスはその勢いのまま拳を一直線にクレイに向かって振りかぶる。
それをクレイは少しだけ横に動き、隙の出来た胴体に聖剣を振る。
「隙だらけだよ」
「違えねえな。流石に今のは舐めすぎてた」
クレイの攻撃により横に飛ばされたケリオスが立ち上がる。
しかし、その体に傷はない。
「当たる前に横に跳んだか」
「流石に聖剣なんかで攻撃されたらやばいからな。死にはしないがダメージがでかすぎる」
そうケリオスが言ったことで聖剣について思い出した。
聖剣とは魔を滅する剣、だったか?
魔王を殺すために作られた聖の属性武器。
それは異常に魔族に対してのダメージが大きくなる、勇者専用の武器だ。
魔物なら一瞬にして消えていなくなるほど強力だ。
「やっぱり武装は必要か」
ケリオスがそう呟いた。
そして、魔力がケリオスを包む。
「ポルース」
ケリオスがそう言えば、包んでいた魔力が物質へと変化しケリオスの鎧になった。
それは、どこまでも光を飲み込みように漆黒で籠手は明らかに攻撃に適した形になっている。
「これで聖剣でも多少はダメージが無くなる」
「魔力を硬質化させるね。いつ見ても面倒な」
若干眉を顰めてクレオがそう言うと、他の3人もうんうんと頷いている。
どうやら、この鎧は厄介な物らしい。
「まあ、いつも通りやるだけなんだけどね」
クレイは顰めた眉を戻して、聖剣を首の後ろに持っていきそう言った。
ケリオスは、鎧の調子を確かめるように軽く二、三度ほど跳び、クレイと向かい合う。
そして、両者ともじりじりと距離を詰めていく。
剣を振れば届きそうな距離にまで近付いた瞬間、ケリオスがまず動き始めた。
地面を蹴り、そしてクレイにグンと近付くと掌底をクレイに向けて放つ。
クレイはそんなケイレスに聖剣を頭上にまで持ち上げて、一気に振り上げる。
ズドーン、と衝撃の音が鳴り響く。
「ヘヘ」
ケリオスは聖剣での攻撃を頭で受け止めていた。
しかし、傷がついている様子はない。
だが、ケリオスの放った掌底もクレイの足によって止められている。
「今回はやけに硬いな。どれだけ、魔力に密度を込めてるんだか」
「お褒め頂き嬉しいよ」
クレイのぼそりと呟いた言葉にケリオスがおどけたようにそう言えばクレイがケリオスを睨んだ。
そして、両者ともに聖剣と腕を降ろした。
「本当に面倒くさいな。今回はさらに」
はあ、と溜息を吐いたと思えばクレイがこちらを見る。
俺たちはそれに頷いた。
「一人なら、な」
そうクレイが言えばシリカがケリオスに向けて、氷槍を創りそれをケリオスへ撃ちだす。
その氷槍はケリオスの鎧の継ぎ目の部分に刺さる。
一連の流れは滑らかでケリオスが動き出す間もなく、狙いも正確だ。
「ってえな」
ケリオスはその氷槍を抜いて、握りつぶす。
そして、自分の腕を見て納得したように首を縦に振った。
「なるほど、そこの聖女が聖属性を付与させやがったか。こんな氷でこの鎧に継ぎ目とは言え貫けるんだから相当なもんだ」
「ご名答で」
クレイがそう言うとやや憎々し気な視線でケリオスがクレイを見た。
「厄介な奴連れてきやがって」
「それはお互い様だろ」
「そりゃあ、そうだ」
ケリオスが肩を竦めると、また笑った。
「まあ、そっちの方が楽しいがな」
「……この、バトルジャンキーめ」
今度はクレイが呆れたような目でケリオスをみた。
その気持ちには俺もよく分かった。自分が不利になるというのにそれでも戦いを楽しむとは。
戦闘狂とはこういうやつのことを言うのだろう。
「そう言うなって。その女たちも参加してもいいからさっさと再開しようぜ」
うずうずと身を震わせ、ケリオスがそう言った。
クレイはそれににやりと笑った。
「焦らないでよ。まだ、いるんだから」
「……ん」
フーラがケリオスの真上から降りてきた。
そして、ケリオスにめがけて剣を振りかぶる。
「ぐっ!重っ」
それを腕で受けたケリオスは後ろに体が倒れそうになりながらもなんとか踏みとどまり腕の力で押し返す。
押し返した後のケリオスは隙だらけだ。その隙をクレイが聖剣で攻撃する。
その剣は鎧のせいで傷は与えられなかったがケリオスの体ははじかれるように飛ばされ近くの木へと激突した。
鎧の中で呻いているのを見るに衝撃を吸収はしないようだ。
「さて」
クレイは木にぶつかったケリオスの前に立って、にこりと笑った。
「それじゃあ始めようか」
「おっかねえな」
正直、今のセリフには味方の俺さえも怖気づいてしまった。
やだ、この人怖い。ああ、思わずおどけてしまったではないか。
「うーん、このままだと普通に負けそうだな」
考え込むように上を向いて、そして首を振る。
「しゃーない。逃げるか」
そう言ったかと思えばケリオスの周りで強い風が吹いた。
ケリオスの周りに砂や葉などを巻き込んで竜巻のように渦を巻いている。
それはケリオスの姿を見せずにいた。
「じゃあ、また近いうちに会おうぜ」
そして、風が止んだと思えばそんな声が聞こえた。
そこにはケリオスの姿は無かった。代わりにあったのは先程の渦に巻き込まれていた葉っぱが積まれたものだ。
「くそ、逃がしたか」
クレイはそこに積んであった葉を蹴り飛ばして、悔し気な表情になっていた。
他の三人も同様だ。
俺はと言うとただ呆気なさを感じていた。
どうやらケリオスは意外と冷静に物事を見れるようだ。あのまま、戦いを始めるのが戦闘狂らしいと思っていたのだが。引き際はきちんと見極めるらしい。
しかしここで、はたと気付いた。
俺、何もやってなくね?
実はこれ一度大きく書き直しました。
ゆっくり書いてたものを一から急いで書き直すって辛い。