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驚きました

さてさてストックの底が早々に見えてきやがりましたよ。

持って三日ですね、はい。

今回は説明回ぽいのでご了承を。

「で?いつなんだ。その魔族のところに着くのは」

「そう焦らないでって。まあ、二日ってところか」

「そうか」


 同行を許可してもらった俺だが気持ちが少しだけ逸っている。

 待ちに待った機会がやっと訪れたからだろう。

 3年だ。あの日から3年でやっと機会が訪れた。

 思ったよりも長くなった。いや、短いのか。3年で魔族を倒せるのなら十分に短い。

 俺一人ならどれくらいかかるかが分からない。

 だから、たまたま勇者一行に会えたのは僥倖と言えるだろう。


「そう言えばどうして君は魔族を倒したいの?」

「そんなに理由は多くないだろう。大体みんな似通った理由だろ」

「ということはつまり」

「ま、個人的な恨みだ。深くは聞くな」


 そこまでずかずかと荒らされたくもない。

 大して親しくもない相手にそれを話すのは気が引ける。これから一緒に魔族を倒しに行くとしてもだ。

 だから、俺も一つ質問をさせてもらう。


「ああ、俺からも聞きたいことがある」

「何?」

「これから魔族倒しに行くなら無関係な俺がいきなり入っても混乱するだけだろ?」

「あー、確かにそうか」


 多分こいつらは一緒に居てそれなりに長いのだろう。

 そこに俺のような異物が入れば、連携も上手くはいかないだろう。


「だからお前らの事を教えてもらいたいんだよ。戦い方だとか、武器だとかそんなものをな」

「分かったよ。僕たちも流石に君と動きを合わせないといけないからね」


 クレイは立ち上がり俺の前で止まる。


「まあ、さっき見た通りかもしれないけど僕は基本聖剣を使う。一応、魔法も使えないわけじゃないけどたまにしか使わない。さっきは動かなかったけど基本的には自分から攻めに行くかな」

「お前の場合は噂で大体知ってるよ。魔法が使えないわけじゃないって、謙遜もいいところだな。お前宮廷魔導士と同じくらいの魔法使えるだろうが」


 聞いた話ではクレイは闇以外の全ての属性に適性があるらしい。そして、それを全て宮廷魔術師と同じくらいの威力で放てるというのだから、規格外もいいところだ。おそらくその魔力も恐ろしいほどにあるのだろう。

 というか、先ほどクレイと戦っているときに魔法で全て砂埃を飛ばされたらもうそこで終わっていた。

 手加減されていて助かった。いや、本当に。


「ああ、後セシリアも聞いたことがあるな。確か聖魔法が突出してるんだっけ?」

「私の力量ではありません。これも女神さまの裁量の結果です」

「やっぱりセシリアはフェルミナ教徒か?」

「ええ、もちろん」


 にこりとそう俺に微笑みかけてきた。やはり聖女なのだと、その微笑みで何となくそう感じた。

 聖魔法、あるいは神の奇跡。セシリアはそれを10の若さで全てを修めた。

 それは当時、フェルミナ教に激震を走らせた。


 聖魔法とは簡単に言ってしまえば治癒や祝福を施すものだ。

 術者の魔力を使い、空中に漂っているらしい聖気を集め、それで相手に向ける。

 聖気というものが何なのかは分かっていないが聖職者曰く神の施し、らしい。


 そして聖魔法とは才能よりも信仰が優先される。


 例えば、才能のある人間が聖魔法を覚えようとする。すると、それは大した結果にならない。

 しかし、信仰のある人間が聖魔法を使えば才能のある人間よりもずっと大きな影響を及ぼす。

 それだけ、信仰は聖魔法に大きく影響するのだ。


 そして、セシリアは大きな才能も有り、強い信仰もあった。

 10という歳で聖魔法を極めるほどの信仰を持っているセシリアの事を周りが女神の寵愛を受けた存在などという事を言ったので、セシリアはいつの間にか聖女と呼ばれるようになったらしい。

 一部はそんなセシリアを良い目では見ていないらしいが多くの人にとってのセシリアへの信頼は絶大なものだ。フェルミナ教は、どこの国でも国教扱いだからな。


「で、聞きたいのは後の二人の事だ」

「私?」


 シリカが自分に指を指して首を傾げる。


「ああ、お前クラスはなんだ?」

「魔法使いだけど?」

「……マジ?」

「何か言いたいことでも」


 凄く意外だ。え、本当に?


「……魔法使いって高い知能が必要とされるんじゃなかったっけ?」

「今、ここでそれを言うのはどういう了見?」

「いや、なんとなく」


 すっかり武闘派だと思っていた。なんというか、その、ちょっと馬鹿っぽいから。

 というかさっきもメイスは使っていたけど基本的に殴っていたから、まさか魔法使いだなんて。いやいや、嘘だって。


「なぜ、そんなに私の顔を見て首を振ってるのかしら?」

「ちょっとした葛藤だ。気にすんな」


 ほら、だって魔法使いがこんな威圧感出せないって。

 なんで俺はこいつが魔法使いだったことにこんなに衝撃を受けているんだろう?


「よし、シリカはもういい。フーラは?」

「もういいって何よ!もういいって」


 だって面倒くさいし。

 これ以上無駄に時間も使いたくない。例え、シリカが魔法使いであったとしても。


「……双剣使い」

「割と珍しいクラスだな。でも、お前の細腕で二つも剣を振れるのか?」


 見たところフーラの腕は子供だからか握るだけで折れてしまいそうな程細い。

 背中に背負っている二つの剣も大きくはないがやはり多少は重いだろう

 一本でも片手で持つには厳しいのではないだろうか?


「……大丈夫。この剣は特別」

「特別?」

「……うん」


 ちょっと話しにくいな。

 傷つくかもしれないので言わないがテンポが悪い。だから、少しだけずれる。会話する中でそれは致命的ではないか。

 とまあ、フーラがうんと言うまでに考えていたことだ。間があるせいで思考に余裕が出る。

 さて、どうでもいいことを考えるのを止めて話を聞くことにしよう。


「……この剣は自在に重さを変えられる」

「重さ?」

「……専門的なことは省くけど、簡単に言ったら、そう」


 重さを変えるか。剣の重さだけを変えるってなかなかの技術じゃないだろうか?

 クレイの鎧といい、腕のいい鍛冶屋に頼んでいるのかもしれない。この加工が鍛冶屋で施されたかは知らないが。むしろ、付与術師の担当になるのか。


「でも、重さを変えてどうするんだ?軽くするにしてもそれだと威力が足りないだろ?」


 純粋な腕力ではどう見ても子供のフーラでは攻撃は軽くなるだろう。

 だから、そうフーラに聞いてみると近くの木まで歩いた。


「……こうする」


 そう言ったかと思うと高く上に跳び、そして剣を一つ抜いてそれを真っ直ぐ下に振る。

 すると、その木は真っ二つに切れた。


「なるほど、剣を振るときに極限まで重くしたか。見たところ剣を振るのも速そうだ。それが威力として出るわけだな」

「……うん」


 でも、問題点も多く見える。


「でも、振った後に隙だらけにならないか?」


 威力の大きい攻撃は大振りになりがちだ。それに、その重さで体が流れてしまえばそこ叩かれてしまい対応ができない。フーラは体重も軽い。だから、その分隙も大きくなるはずだ。


「……問題ない。それで、私は対応できる」


 いきなり剣の方を軽くしても対応できるのかが疑問だが、そこも工夫しているのだろう。もう少し詳しく聞きたいが今はもう一つの問題点の方を聞くことにしよう。


「じゃあ、さっきの攻撃をした時、肩が外れないのか?」

「……肩?」

「だから振った反動で肩が外れることはないのかってことだ」

「……身体強化使ってるから大丈夫」

「ああ、確かにそれなら大丈夫か」


 身体強化のことを考えていなかった。そりゃあ、使うな身体強化は。

 剣を特別なものを使っているから、そこは考えていなかった。


「じゃあ、その武器は使い勝手がいいか?」


 これはただ聞いただけだ。別に対した意図もない。

 普通に使い慣れた武器しか使わないだろう。


「うん!」


 この時のフーラの声が年相応に明るくなった。

 こんな顔も出来るのかと、少し意外に思った。フーラだって感情を持っているというのに、随分と当たり前の事を思ったものだ。


 はあ、と内心で溜息を吐いた。

さてさて、クラスなんて適当に決めましたがまあ頑張ってみますよ。

そう言えば聖魔法使える人のクラスは何なのだろうか?

聖女という肩書に目が行きすぎて全く考えてなかった。聖職者とかでいいのだろうか?

まあ、適当に考えておくことにしようかと思います。

ちなみに魔法使いは魔法使いの中でも様々なクラス分けがありますが、今回は見送ります。

断じて面倒くさかったわけではありません。断じて!

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