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臭いました

今回の話の肝!


臭い!


以上!

「うげ、臭い。本当にこれを塗るの?」

「我慢しろ。どうせ、後で匂いも薄れてくる」

「本当に?」

「もちろんだ」


 フーラの違う匂いをつけるという案を採用することにした。

 しつこく匂いを落とす手間もない。

 まあ、楽だから多少の匂いは我慢してもらいたい。


「というかこれ、何?」

「カラスラロの樹液だ」

「カラスラロ?」


 聞き覚えのないらしい植物の名前にクレイが首を傾げた。


「あの木だ」


 俺は目の前の木を指した。

 すると、クレイは少しだけ嫌そうな顔をした。

 その葉がとても濃ゆい紫色をしていたからだろう。


「えっと、毒とかないよね」

「そんな心配はするなって。いくらあの木が毒々しいからって――死ぬような毒ではない」

「なるほど、毒はあるんだな!」

「心配すんな。服に匂いをしみ込ませるんだから大丈夫だって。飲み込んだりしなけりゃ何もない」


 何か言いたげにこちらを見たが諦めたように首を振った。


「まあ、害がないならいいけどさ。心配するようなことを言わないでくれよ」

「分かってるよ。楽しんでいるだけだ」

「それはそれであれなんだけど」


 溜めていた樹液にクレイが着ていた服を突っ込む。

 念入りにその樹液を浸み込ませて、30秒ほど漬けて取り出す。

 それをクレイがヒートを使って乾かした。

 これで完成だ。


「これで蜂も寄らないだろうさ」

「うん、それはありがたいんだけど、やっぱり臭い」

「だからすぐに消えるって言ったろ」


 確かに鼻が捻じ曲がるほどに臭いがその内匂いにも慣れていくだろう。

 あくまで慣れるだけだが。もしくは鼻が壊れていくのか。

 それを言ってしまったら絶対に何か言われるので言わないが。騙される方が悪いのだ。


「そう言えばセシリアたちの方も終わるんじゃないか?」

「確かに時間はそんなにかからないからな」


 セシリアたちには別の場所でその作業をしてもらうことにした。

 服を樹液に漬けるため、服を脱ぐ必要があるのだ。一応、中から肌着は付けているだろうがまさか肌を晒すわけにもいかないだろう。


「まあ、待っとけ。そろそろ来るさ。あ、近寄ってくるなよ、臭いんだから」

「その言葉には言いたいことがたくさんあるが、まず傷つくからとりあえずあからさまに避けないでくれ」

「絶対に嫌だ!」


 クレイから走って離れた。

 俺の鼻は繊細なんだ。こんな匂い嗅いでたら気が滅入ってしまう。


「君がすごく理不尽なことを考えている気がする」

「気のせいだ、気のせい」


 勇者ってのは勘もいいらしい。

 考えていたことを微妙に掠めていた。こいつと関わっていると嘘はつきにくそうだ。

 人との付き合い方を結構真面目に考えようとしたら木々の間からセシリアたちが見えた。


「終わったか?」

「まあ、ね」

「一応は」

「……鼻が腐る」


 三人から何とも言えない視線が送られた。


「もう少し違う匂い使えなかったの?ビックリするぐらい臭いんだけど」

「それに答えるのは一体何回目だろうか」


 先程から言っているのに。

 時間が経てば消える(嘘)と言ってるのに。

 どれだけ人の言うことを信じられないんだ。


「今、すごい理不尽なことを言われた気がします」

「気のせいだ、気のせい」


 セシリアの方も勘が鋭い。というかシリカもフーラも眉を顰めてこちらを見ている。

 もしかしてこいつらみんなすごい勘が良い?

 こいつは本当に人とのかかわり方を考えた方が良さそうだ。


「さて、これで俺はお役ごめんな訳だが」

「うん、ありがとうね。色々と言いたいことはあったけど感謝してる」

「じゃあ、一つ頼んでいいか?」

「うん?まあ、出来る限りなら聞くけど」

「そうか。お前らこれから魔族倒しに行くんだよな?」

「そうだけど……」


 突然話が変わりクレイが怪訝そうな顔をした。

 話はこれからだから焦るなって。


「それに俺を連れて行って欲しいんだ」

「は?」

「だからその魔族倒すのに俺も混ぜてくれってことだ」


 呆けたように4人が俺を見る。

 俺はその目をそれぞれ見て出来るだけ真摯に頼む。


「お願いだ。俺を連れて行ってくれ」

「えっと、ちょっと待ってくれ」


 慌てたようにクレイが少しどもりながら俺の言葉を止める。


「魔族を倒すのに連れていけだって?」

「ああ」

「無理だ」


 きっぱりとそうクレイに断われた。

 拒絶というほどに強くはなくてもそれでも強い意志で俺の同行を拒む。


「なぜだ?」

「それはもちろん相手が魔族だからだ。危険だからな。君の安全の保障が出来ない」


 なんだそんなことか。

 なら、、話は簡単だ。


「守ってもらわなくてもいい。自分の身ぐらいは自分で守れるからな」

「だが!」


 まだ、俺の同行に反対らしい。

 このまま話していてもまとまる気がしない。

 しょうがない。


「じゃあ、そうだな。勝負をしようぜ」

「勝負?君と?」

「そうだ。そっちの方が早い」


 実力でも何でも見せれば同行ぐらいは許可させてもらえるだろう。

 それで、もしされなかったら無理やりにでもついていく。


「もちろん、勇者の俺とお前とじゃ地力が違いすぎるからな。ある程度の実力を見てもらえればそれでいい」

「まあ、それなら」


 渋々と言った様子でとりあえずは頷いた。

 よし、言質は取った。


「それじゃあ、始めるぞ。エイレス」

「きゅー」


 肩に乗っていたエイレスに声をかけ、降りてもらう。


「君、もしかして召喚士か?」

「ああ、そうだ。まさかだからって俺の実力を認めないってわけじゃないだろ?」

「それはもちろん」


 それならいい。

 俺の実力でクレイに認めさせるなんてことはまず出来ない。


 さて、どこまでいけるか。

 俺は腰に掛けているナイフの居場所を確かめた。

 さて、始めようか。

次は、戦闘回です。しかし、苦手、苦手なのです!

僕的にはこんな風に生産性が皆無な会話をしている方がずっと楽なのです。

そう、これは戦闘メインではなく基本コメディメインなのです。

だから、戦わせていられるか!


な、なんてちゃんと書きますって、えへへ。


もうどうなるか知りませんからね!


茶番、失礼。


ん?と思ったところがあればご指摘ください。

だけどメンタル弱いんでお手柔らかにお願いします。

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