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「死ぬ前に、息子はその事を話してくれました」
「そ……そうですか」
綾子は、怒濤の如く冷や汗を流していた。
「話を聞いて、あたしは保険屋が許せなかった。何度も抗議の電話を掛けたけど取り合ってくれなかった。そんな最中に息子は自殺したのです」
「……」
「会社も許せなかったが、あたしはその外交員も許せなかった。そこで、呪いを掛けることにしたんです」
「呪い……ですか?」
「ええ。高尾山の奥で諸行している修験者にお願いして、あの女に呪いを掛けたんです。まあ、あたしも本当は、呪いなんてものは信じていないんですがね。気晴らしですよ」
そうなのだろうか?
綾子は笑えない気分だった。
メールの件は佐久間が生前に行ったイタズラだったとしても、昨日から起きている一連の出来事は果たしてどうなのか。
もし、これらがすべて呪いによるものだとしたら……




