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「ちょっとあなた。こんな、ところで何をしてるんです」
肩を揺さぶられ、綾子は目を覚ました。
目を開けると老女が自分の顔をのぞき込んでいる。
「ここは……?」
周囲を見回して、ここがさっきの仏間だと気付く。
「あの……」
どうして自分がここにいるのかと言いかけて止めた。
一瞬にして状況が分かってしまったのだ。
さっき、自分はここで佐久間の幽霊に出会い気を失った。
様子から見て、この老女は佐久間の母。だとすれば、自分が佐久間を騙して保険に加入させた女だとばれたら、どうなることやら。
それに、自分は断りもなくこの家に入ってしまった。
下手をすれば不法侵入罪だ。
「あの……」
綾子は祭壇の写真を指差した。
「佐久間さん。どうされたんですか?」
自分は佐久間の友人で、久し振りに尋ねてみたら祭壇に佐久間の写真があるのに驚いて、気を失ったという作り話をとっさにでっち上げた。
「自殺したんです。二週間前に」
老女はたんたんと語り始めた。




