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ベルを鳴らす。
誰も出ない。
もう一度押す。
まったく、反応がなかった。
扉に手を掛けると、ノブはあっさりと回り、外側へと開く。
綾子は、家の中に踏み込んだ。
「佐久間さん! どこですか!!」
家の中は静まり返っていた。
昼間だというのに中は薄暗い。
靴を脱ぎ、家に上がる。
廊下の両側に扉が三つずつ並んでいた。
右側の一番手前の扉を開ける。
リビングルームのようだ。
大きなテレビの上に写真立てがある。
黒ネコを抱いた中学生くらいの少年が、両親と一緒に映っていた。
少年の顔には、どこか探偵の佐久間の面影がある。
……と言う事は、ここは佐久間さんの家? でも、八年前にあんなハンサムから契約を取ったかしら? そもそも、相模化工にあんな人いたっけ?……




