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『ああ。二週間前に自殺していた。だから警察は誰かが、死者の携帯で悪戯をしていたと判断していたんだ。ところが、探偵の方は、あっさりとトリックを見破ってしまったんだよ』
夫の声はなんとなく嬉しそうだ。
ミステリーマニアの血が騒ぐのだろう。
『やはり、自殺した男が犯人だったんだ。と言っても、幽霊がメールを送っていたわけじゃない。メールというのは相手に届く期日を指定できるんだ。奴はそれを利用して、一日置きにメールが届くようにしてから自殺したんだよ。あたかも、死者がメールを送ってるように見せかけるために。まったく、凝った事考える奴がいたもんだよ』
「ちょっと待って! それじゃあ奥村は死んでるの?」
『奥村? 誰だそりゃ?』
「誰って? 犯人よ」
『何、言ってるんだ。犯人は奥村って奴じゃない。佐久間って男だ』
一瞬、綾子は頭の中が真っ白になった。
『おい!! どうしたんだ? 黙りこくって………おい!』
……犯人は佐久間? しかも、すでに死んでる?……




