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ピピ!
その翌朝、綾子はメールの着信音で起こされた。
身を起こした途端に頭痛を覚える。二日酔いのせいだ。
横を見るといつも隣で眠っている息子がいない。
昨日、義母に息子を連れて行かれたのを思い出した。
その後、やけ酒をくらって眠ってしまったのだが……
「いったいなによ?」
綾子は、おもむろにメールを開いた。
〈金返せ!?〉
「クソったれ!?」
結婚以来、口にした事のない汚い単語を叫びながら、携帯をクッションの上に叩き付ける。
直後に着メロが鳴り響いた。
「なんなのよ!? いったい!?」
相手も確かめずに、怒鳴りつける。
『どうしました?』
佐久間の声だった。
「あ……ご……ごめんなさい。例のメールの相手かと思って……」
『そうですか。それより、メールの相手が分かりました』
「本当ですか!!」
『ええ。相手は奥村 恭一という男です。昨日、頂いたリストの中にもいましたよ。覚えがありませんか?』
「聞いたような名前ですけど……しかし、随分早く分かりましたね」
『相手の番号が分かっているので、特定するのは難しくなかったですよ』
「でも、そんなに簡単に見つかるなら、なんで警察は今まで……」
『奥さん、警察が本気で捜していると思いますか?』
「確かに……」
ここ数年の警察の不祥事を考えれば、警察に期待する方が間違っている。




