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ホムンクルスの箱庭  作者: 日向みずき
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ホムンクルスの箱庭 第2話 第7章『フェンフ』 ⑨

レビューを書いてくださった方、ありがとうございます(*ノ▽ノ)

おかげさまでたくさんの方に見ていただけました(///ω///)♪

ブックマークしてくださった方もありがとうございます(*´ω`*)

皆さんが読んでくださっていると思うと、とても嬉しいです。

これからも頑張りますのでよろしくお願いします♪

「やった・・・のか?」


 アインがぽつり、とつぶやいて動かなくなったフェンフを見上げる。

 あまりにもあっさりとした終わりに、誰もが信じられないというように警戒するが、鎧の隙間から煙を上げていること以外には特に異変はないように思えた。


「やったー!やってやったわね犬!」


「お、おーう!」


 ぴょんっと飛びついてきたドライを受け止めて、アインもようやく表情を緩める。


「何よこれ、光っててちょっとかっこいいじゃない!」


 未だ光を失わずに淡く光っているアインの毛並みを、ドライはもふもふと撫でる。


「賢者の石の力なのかな?さっきフェンフと戦った時に、力が沸いてきて戦うことが出来たんだ。」


 目が覚めた時にアインの目に映ったのは、ドライがフェンフに襲われそうになっている光景だった。

 助けなければならない、そう思った瞬間には身体が勝手に動いてドライの前にたどり着いていた。


「ふうん、賢者の石ねぇ。でも、ぽいって投げられちゃってたところを見るとまだまだね!」


「おうふ!」


 痛いところを指摘されてアインは思わずうなる。

 体格差があったとはいえ、あっさりと持ち上げられてしまったことは確かに油断だったと、アインも反省しているところだ。


「・・・冗談よ。あんた私の犬にしてやってもいいんだからね!」


「い、犬・・・家族じゃなくて?」


 アインが残念そうに項を垂れると、ドライは顔を真っ赤にして反論した。


「な、なに言ってんのよ!私の家族はフィーアだけに決まってるでしょ!」


 ぷいっとそっぽを向くと、ドライはさっさとフィーアの方に走って行ってしまう。


「あ・・・これどうしようかな。」


 フェンフから奪ってしまったパイプ部分を、アインは下から覗いてみる。

 穴の開いた部分は今は赤く光っていないが、もしかすると何かの役に立つかもしれない。


「大事に取っておこう。」


 そんなことを思いながら、アインはそれを道具袋にしまった。




「ツヴァイ、大丈夫?」


「あ、ああ。なんとかね。」


 ふらついたツヴァイの身体を、フィーアが駆け寄って支えた。


「よくがんばったね、フィーア。」


「ツヴァイもお疲れさま。」


 優しく微笑んだツヴァイにフィーアもにこっと微笑み返して、そっと胸元に触れる。


「助けてくれてありがとう、でもあまり無理はしないでね?」


「フィーアにありがとうって言ってもらえるなら、また無茶してもいいかもしれないな。」


「あう!」


 満面の笑みを浮かべるツヴァイは、フィーアの目から見てもかなり嬉しそうだった。

 無意識なのかもしれないが、耳としっぽがパタパタと動いている。


「ちょっとあんたたち!戦闘終わって速攻でいちゃついてるんじゃないわよ!」


 そこにドライが乱入すると、動いていた耳としっぽがすぐにぺたん、と下をむいた。


「ドライも一緒に戦ってくれてありがとう~。」


「ふん、私にかかればあんなやつちょちょいのちょいなんだからね!

 っていうか、あんたたちくっつくのやめなさいよ!」


「僕とフィーアがくっついていてもドライには関係ないだろう?」


 ドライがフィーアの手を引っ張ろうとすると、ツヴァイがすかさずフィーアを抱きしめる。


「なによフィーアは私のものなんだからね!?返しなさいよ!」


「絶対に嫌だ!」


 そんな平和な光景を尻目に、大の字に地面に横になったアハトが呟いた。


「ふう・・・やったか。」


「やったか、じゃないわよバカ!」


 アハトの無事を確認して安堵のため息をついた後、ソフィはずっと不機嫌そうだった。


「なんだ、倒せたのがうれしくないのか?」


「そうじゃないけど、あんたの無茶っぷりに腹が立ったの!」


「なんでだ、いつ無茶するの?今でしょ!」


「馬鹿なこと言ってないで、大人しく治療を受けなさい!」


 傷の具合を確かめるためにソフィがアハトのローブをめくろうとした。


 すると・・・


「いや~ん、えっちー。」


 絶妙な言葉と動きで、アハトはそれをかわして起き上がる。


「ちょっと、なんで逃げるのよ?」


「はっはっは、俺に触ると火傷するぜ?」


「あのねぇ・・・いい加減にしないと怒るわよ!?」


 こんな時でもふざけているアハトに、さすがにソフィが怒りそうになると。


「・・・回復魔法は大丈夫だ。迷惑をかけたな。」


 アハトは真面目な口調で言うと、思っていた以上にしっかりとした足取りでフェンフのほうに歩いていく。


「ちょ、ちょっと・・・もう!」


 よくはわからないが、今は放っておいてほしいという気配を感じた。

 ソフィがどうするべきか悩んでいると、ちょうど湿原を挟んだ向こう側から声が聞こえてくる。


「お~い!おまえら、無事にしておるかー!?」


 水門の近くで馬車の御者席から、手を振るグレイの姿が見えた。


「じいさ~ん!無事だったか!」


「当たり前じゃい!」


「よかった、グレイさんも無事だったみたいね。」


「おじいちゃ~ん!」


「フィーア嬢ちゃん、今迎えに行くぞ!」


 水の浅いところを知っているのか、グレイは馬車を操ってこちらまで来てくれようとする。

 その途中だった、明らかな異変が生じたのは。

 ゴウンと耳慣れない音が背後から聞こえた。


「な・・・っ!?」


 全員が振り向いた視線の先で鎧の節々や亀裂から煙を上げ、ぎしぎしと軋むような音を立てながらフェンフはゆっくりと振り向いた。


「そんな・・・!魔力の吸収装置は壊したはずなのに!?」


「・・・おそらくは予備電源が起動したんだろうな。」


 ソフィが傍に駆け寄ると、アハトは前に立ってローブからグレネードを取り出す。

 鎧兜の奥に二つの赤い光が灯ったかと思うと、フェンフの身体に熱量が集まっていっているのか、全身が燃えるように赤くなる。

 まるでそれに合わせるように大地が震動を始めた。


フェンフ復活(´・ω・`)

倒したと思ったのに( ノД`)…


次回はちゃんと倒します(。>д<)

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