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ホムンクルスの箱庭  作者: 日向みずき
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ホムンクルスの箱庭 第2話 第7章『フェンフ』 ①

フェンフとの戦闘スタートです(`・ω・´)

 建物の火が消えてすぐに、ツヴァイは嫌な予感がすると言って2人にフェンフを任せるとグレイの屋敷の方に走って行った。

 ゼクスのいる場所に向かっていたと思われるフェンフが、唐突に止まってこちらに攻撃を始めたことで、ツヴァイには何か思い当たることがあったのだろう。

 おそらくはゼクスが何かしようとするのを止めに行ったはずだ。

 となれば、2人にできることは皆が戻ってくるまでフェンフと戦い続けることだけなのだが。


 正直に言ってしまうと相手の能力がよくわからない上に、フェンフ自体の攻撃も馬鹿にならないので、戦っているというよりは何とか場を持たせているといった感じだった。


「おっと、先ほどのハンドグレネードの味はどうだった?」


 挑発するようにアハトが言うと、フェンフはそれに反応するように剣を振り上げる。


「ばかっ!そんなものまともに食らったら死ぬわよ!?」


 人の身長を軽く超えた大きさの剣を、フェンフはあっさりと振り下ろした。

 アハトの前に風が渦巻き当たる寸前で、刃をぎりぎり捕らえると攻撃が逸れる。

 それを見てソフィが訝しげな表情をした。


「今のは・・・?」


 風は間違いなくフェンフの剣に触れたはずなのに、ソフィにはそれがまるで避けたように見えたのだ。

 大剣は土埃を大量発生させながら、地面を粗削りしてようやく止まる。

 ソフィがとっさに風で攻撃をそらしていなければ、危ないところだっただろう。


「ふう、やれやれだぜ。」


「やれやれだぜじゃないわよ!ほんとに死ぬところだったんだからね!?

 それでなくても敵の能力がわからないんだから無茶はしないで!」


「えいっ!」


「・・・って、こらあああ!?」


 言った傍からフェンフにむかって、アハトが軽い掛け声と共にグレネードを投げつけた。

 ぶつかる寸前でその身体が光り、グレネードはひゅ~っとアハトに戻ってくる。


「おうふ!」


「おうふじゃないでしょおおおお!?」


 突っ込みどころがありすぎて、ソフィは思わず叫んでから風の魔法を発動させる。


「風よ!!」


 ソフィの操る風で爆発の衝撃は軽減されたが、フェンフとアハトの両方が爆風に巻き込まれた。


「アハト!!何やってんのよあんたは!」


 駆け寄ったソフィはアハトが無事なのを確認して軽くため息をついてから、すぐに怒ったように詰め寄る。

 さすがに今の行動は許せなかったようだ。


「むう・・・仕方がないだろう。投げた爆弾が戻ってくるんだから。」


 それに対してアハトは不満げに漏らして、やれやれというように肩をすくめる。

 グレネードが美しく爆発しないことに、かなりの不満を抱いているようだ。

 こちらの攻撃はフェンフには当たらず、先ほどからグレネードは何度も弾かれている。

 

 フェンフの攻撃は今のところ剣を使ったものが多いのだが、何しろあの大きさだ。

 不用意に当たればこちらはミンチにされてしまうだろう。

 その上、月明り以外は街の明かりが多少ある程度だと言うのに、剣を正確にこちらに振り下ろしてくるのだ。


「ほらまた来たぞ!」


 フェンフが剣を振り上げたのを見てアハトが注意を促すと、ソフィもその場から飛び退って攻撃をかわす。


「とにかく、あの力が何なのかだけでも確かめないと!アハト、ちょっと時間を稼いでちょうだい。」


「よし来た!任せろ。」


 軽い調子で言って、アハトはソフィをその場に残しフェンフと対峙する。


「ほら、俺と遊ぼうぜでかぶつ!!」


 しかし、今度はあっさりとアハトを無視するとソフィに向かって剣を振り下ろそうとした。


「させん!!」


 すかさずアハトはグレネードを放って、その進路を妨害しようとする。

 フェンフの足元に放り投げられたグレネードは、途中まではアハトの予想通りの軌道で飛んで行ったのだが。


「なぜだーっ!!」


 やはりフェンフの身体が光った瞬間に、その進路を変更してアハトの方に戻ってきた。


「だが甘い!!」


 そう言ってアハトは帰ってきたグレネードを爆発する前に蹴り返す。

 もう一度跳んで行ったグレネードは、当たるギリギリで爆発してフェンフはそれに巻き込まれたように見えたのだが、どういうわけかほとんど傷を負うことなくその場に立っている。


「なん、だと・・・!?」


「アハト!もう1発!!」


「わかった!!」


 無駄だとはわかっていても、アハトはソフィの指示通りにグレネードを放った。

 ソフィの風が空中でグレネードを絡めとり絶妙な位置まで運ぶと、爆発を援護してフェンフがその爆風に包まれる。


 ところが・・・


「危ない!!」


「く・・・っ!?」


 アハトがソフィをその場からかっさらい、木の陰に飛び込んだ。


「もう!!一体どうなってるの?」


 グレネードそのものが弾かれないように爆発の位置を調整してみたのだが、その試みは無駄に終わった。 

 2人の目の前で不思議な現象が起こっていた。


 爆炎がすうっと滑るように、あるいは何かに操られるように明らかに不自然な動きでフェンフの身体を舐めるようにして回避したかと思うと、それがいきなり辺りに撒き散らされたのだ。


「この野郎!マジで攻撃が効かないな・・・こうなったら残りのグレネードをいっぺんに爆発させるか?」


「確かにそうだけどやみくもに攻撃しても仕方がないでしょう!

 私たちは皆が戻ってくるまでフェンフを足止めしなきゃいけないのよ?

 あんたが無茶して怪我したら・・・!」


 言葉を遮って、アハトがいきなりソフィをその場から突き飛ばした。


「・・・っ!?アハト!?」


グオオオオオン!!


 フェンフが唐突に、これまでとは違う動きをする。

 3メートル越えの巨体からは考えられないような速さで動いたフェンフは、剣を振りおろした後、攻撃を避けて地面に転がったアハトの身体を、空いているほうの手でひっつかんで獣にも似た声をあげて引きずりまわした。


 ボロボロになったローブごと、アハトの身体はソフィの目の前に放り出される。

 とっさにソフィは、こちらとフェンフの間に風の防壁を張って侵入を防ぐ。


「アハト・・・っ!しっかりしなさい!」


 ソフィは何とか冷静さを保って、傷を回復させる風の魔法を唱えた。

 フェンフの次の動きが気になるところではあるのだが、ソフィの体格では気絶したアハトを支えて動くことは難しい。

 なので、一か八かアハトが目を覚ます可能性に賭ける。


「は・・・いったい何があったと言うんだ。」


 幸いフェンフが次の行動を起こすよりも先に、アハトが目を覚ました。

 意識を取り戻したアハトを見て、ソフィはほっとした表情になる。


「あんた、フェンフに引きずりまわされたのよ。」


「なに!?俺が埃っぽくなってるじゃないか!」


 気にするのはそこではないと思うのだが、とりあえず無事そうなのでよしとしよう。

 そんなやり取りをしている間もなく、風の防壁をあっさりと抜けたフェンフは、こちらに手を伸ばそうとしてくる。


「急に動きが変わったな・・・」


「向こうで何かあったのかも。」


 こちらからでは他のメンバーがどうしているのかはわからないのだが、無事でいると信じたい。


「まあいい・・・それだったら俺にも考えがある!!」


「え!?」


 いきなりそう言ったかと思うと、アハトはソフィをひっつかんで小脇に抱えた。


「にぃげるんだよおおおおっ!!」


「にげてどうするのよおおおおっ!!?」


 悲鳴を上げるソフィを抱えたまま、アハトは街の中に向かって走り出した。


ゼクスとの戦闘とはまた違った感じになると思うので頑張って書きます(;´・ω・)

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