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ホムンクルスの箱庭  作者: 日向みずき
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ホムンクルスの箱庭 第2話 第6章『追跡者』 ⑤

今日もお出掛け日よりですね(ノ´∀`*)

渋滞すごいらしいけど(´・ω・`)

キンッ!!


 澄んだ音がして、ゼクスが驚愕の表情を浮かべる。


「なに・・・っ!?」


 弾は確実に、アインを捕らえたはずだった。


 しかし・・・


「いきなり撃つなんて危ないじゃないか!」


 アインの手には、いつの間にか長刀が構えられていた。

 鞘から引き抜いたその一瞬で、アインは弾を切り裂いたのだ。

 そして外に向かって叫ぶ。


「ソフィ!子供を頼む!!」


「了解!!」


 アインが何をしたいのかを理解したソフィは、魔法を唱えて風を送る。


「下に降りたらここから逃げるんだ!」


 そう言ってアインは、子供を窓の外に放り投げた。


「きゃあああ・・・!?」


 子どもは当然悲鳴を上げたが、落ちる前に風が包み込みクッションのようになって地面にふわり、と着地する。


「早く行くんだ!!」


 へなへなとその場に座り込む子供にツヴァイが声をかけると、必死に立ち上がって街に走っていく。

 子どもがゼクスの攻撃圏内から逃れたのを確認してから、ツヴァイは能力を解除した。


「ふう・・・」


 額の汗を拭くとツヴァイは軽くため息をつく。

 本当はゼクスが子供を人質にしたあの時、助けるべきなのかどうか判断に迷った。

 見ず知らずの子供を助けるほどの余裕が自分たちにあったかと言えば、なかったに決まっている。

 力を使うということは敵に手の内を見せるということだ。

 先ほどはアインがとっさに庇ってくれたために使う必要はなかったが、少なくともあの力はフィーアが撃たれたときに使おうと思っていた。


 だが、人質を取られたことで動揺した者があの場所には少なくとも数人いた。

 一人は、あからさまに表情に出してしまったソフィ。

 彼女は必要とあらば切り捨てることのできる強さを持っているが、かといって助けようと模索することを諦めることもできない。

 それは工作員でありながら、人としての心を失わなかった彼女の優しさでもある。


 もう一人はフィーア、彼女はどういったわけか子供の犠牲者が苦手だ。

 竜と戦った時に領主軍の遺体にはそれほど動揺していなかったので、人が死ぬこと自体を拒否するほどではないのだが。

 それは記憶を失う以前もそうで、今も身体が反応してしまうらしく、子供が人質に取られているのを見てびくっと震えたのをツヴァイは見逃さなかった。


 そして最後にアイン。

 弟であるツヴァイは知っている。

 アインは言い方は悪いが、正義の味方かぶれだ。

 彼の信じる正義に反することは、決して許さない。

 なので、物事をクールに捕らえるツヴァイとは時々対立することがある。


 あえて言うならそれは『アインが信じる正義』なのでもちろん一般常識からかけ離れているところもあるが、犯罪組織の人間として育ったからにはそこはお互い様なのでツヴァイは自分が譲れるところは譲ることにしていた。

 今回も、もしツヴァイが子供を見捨てて敵を倒すことに専念しようと言えば彼は間違いなく反対しただろう。


 なにより、自分やアハトはともかく、アインは人質を取られれば行動がとれなくなる可能性があった。

 そんなことになれば一方的にこちらが嬲られるだけになってしまう。

 それだけは避けなければならないと判断し、正直に言ってしまうとツヴァイはあの時仕方なく子供を助けることを選んだのだ。


「フェンフ!そこの爆弾魔は放っておいてこっちにこい!!」


 ゼクスの声が響いたかと思うと、それまでアハトを追い回していたフェンフが動きを止めた。

 ギギギ・・・と重い音を立てて振り向くと、フェンフはもはやアハトなど眼中にないというように命令通りにそちらに向かい始める。

 そのあまりにも無機質な動きに、ツヴァイは違和感を覚えた。

 アハトの挑発に乗って攻撃していたように思えたが、だとしたらあまりにもあっさりと引きすぎる。


「もしかして・・・」


 ツヴァイはとっさに、アインのいる窓辺に向かって叫んだ。


「兄さん!フェンフはゼクスの命令には優先的に従うようにしているみたいだ。

 逆に言えば命令がないと、単純な行動しかできないのかもしれない!」


 建物を崩して現れた後も、ゼクスが声をかけるまでは動こうとしなかった。

 待機していたと言えなくもないが、柔軟な考えを持っている人間の動きではないように思える。


「できるなら先にゼクスの喉を潰してくれ兄さん!」


 それによって一人無力化できるなら、戦いは随分とこちらに有利になるはず。

 その声はアインに届いたらしくツヴァイにちらっと視線を送ってからまたゼクスと対峙した。




「喉を潰す?やれるもんならやってみやがれ!」


 そう叫んで、ゼクスは弾丸を放った。

 アインはそれを難なくかわす。

 弾はアインの横を掠めて外に撃ちだされた。


 ところが・・・


「馬鹿が!狙いはてめぇじゃねえよ!!」


「なにっ!?」


 ゼクスの言葉に、アインが慌てて振り向いた時には遅かった。

 弾がこちらに向かってくるフェンフに当たる瞬間、その身体がわずかに光ったかと思うと弾から発生したと思われる白煙が爆発的に広がった。

 それは辺り一帯に充満し、アインとゼクスがいる建物の中にも吹き込む。


「てめぇみてえな筋肉バカと、まともに接近戦するわけねぇだろうが。

 距離を取ったらてめぇの言うところの兄弟たちを順番に打ち殺してやるぜ。」


「待て!ゼクス!!」


 白煙に視界を遮られながらも、アインは音を頼りに逃げたゼクスを追った。


ところで、三ツ○サイダーに○っちゃんのオレンジ入れると超おいしいと思う今日この頃(*´ω`*)


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