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ホムンクルスの箱庭  作者: 日向みずき
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ホムンクルスの箱庭 第4話 第1章『始まりの場所を目指して』 ⑤

ブックマークしてくださった方ありがとうございます~♪

すごく励みになります(`・ω・´)


今日も雨がすごいですね~(´-ω-`)

1週間お疲れ様でした♪

また来週の月曜日からがんばりますので、よろしくお願いします(*ノωノ)


「おや、ちょうどいいタイミングだったみたいだね。

 僕たちもこれを渡しておくことにするよ。」


 アハトとアインの姿を見てそういうと、クリストフは台座と宝玉を手渡した。


「父さん、母さん、これは・・・?」


「これは魔力を貯めるバッテリーの様な役目をするものなんだ。

 この台座に宝玉をはめて一定量の魔力をためることが出来る。

 使った瞬間に最大出力で使うこともできるし、一定時間持続することも可能だ。

 ただし、使い終わってしまうと再びエネルギーをためることは出来ないよ。時と場合を選んで使いなさい。

 魔力は空気中のマナを取り入れてためることもできるし、人為的に貯めることもできるから、フィーアとソフィにやってもらうといい。」


「ありがとう、父さん母さん!」


 宝玉と台座を大切そうに受け取って、アインは深く頭を下げる。


「僕ができるのはこれまでだが、もう少し能力のある人物なら改良できるかもしれない。

 どう使うかはアインたちが決めなさい。」


「フン・・・」


 そんな会話を聞いていたジョセフィーヌがつまらなそうに視線をそらす。


「最後のところだけ、どうしても彼女が教えてくれないんだ。」


 困ったように笑って、クリストフはジョセフィーヌの方を見る。

 するとアインがクリストフとジョセフィーヌの肩を抱いて、キラキラした表情で言った。


「父さん母さん。やっぱり2人はすごいよ!」


「アインは本当に昔から変わらないな。」


 それを見ると、クリストフは苦笑してそう答える。


「別に・・・私は何もやってないわよ。」


「そんなこと言って、僕は母さんが優しい人だってちゃんと知ってるから。」


 ぷいっとそっぽを向くジョセフィーヌに、アインは悪びれもせずに言う。


「母さんが僕に期待してくれてるかどうかは分からないけれど、僕は出来るだけのことをするつもりだよ。」


「そんなの、知らないわよ・・・」


 どこか困ったように言って、ジョセフィーヌはどこかに歩いて行ってしまう。


「あ、父さん、お礼にこれを渡しておこうと思って。」


 ジョセフィーヌを追おうとするクリストフに、アインは紙きれのような物を差し出した。

 それには『父さん母さん専用肩たたき券』と書いてある。


「これは驚いた。君の力で肩をたたかれたら骨が折れそうだが。」


「大丈夫、おじいさんの肩を揉んでるからこれでも腕はいい方だと思うんだ。」


「でもそうだな・・・息子から物をもらうっていうのはこういうものだったんだね。」


 力瘤を叩いているアインを見て苦笑しながらも、どこか愛しそうにそれをもう一度眺めて。


「まあ、ありがたくもらっておくよ。」


「いつでも遠慮しないで言ってね!」


「ああ、じゃあ僕は彼女を追わなくちゃいけないから。」


 懐に肩たたき券をしまいながら、クリストフはジョセフィーヌを追った。



「というわけで、この宝玉に魔力を込めると後で役に立つはずなんだ!」


「わかったわ、大した量じゃないけど私も魔力を込めておくわね。」


 夕食後、アインに差し出された宝玉を見てソフィがさっそく魔力を込め始めた。

 それを見ていたフィーアは、ちょっとだけ困ったような表情をする。


「フィーア、出来れば君にもお願いしたいんだけど・・・」


「う、うん・・・でも私、今あまり魔力がないから少しでもいいかな?」


「ああ、もちろんさ!ちょっとずつでも十分だよ。」


 それを聞いてほっとしたようにフィーアが魔力を込めようとすると。


「魔力がないって、何かあったのかいフィーア?」


「な、なんでもないの・・・」


 ツヴァイにそう言われてしまい、フィーアはおろおろとしてしまう。


「なんでもないってことはないだろう?

 フィーアの魔力が尽きるなんて通常ならあり得ないはずだ。」


 心配なのか、ツヴァイがフィーアに詰め寄ろうとする。


 すると・・・


「はーい、そこまで。なんでも心配すればいいってもんじゃないわよツヴァイ?」


 何となく事情を知っているソフィが間に入った。

 おそらくは、先ほどフィーアが隠していたことと関係しているのだろう。


「それは、そうだけど・・・」


「ツヴァイ、あなたのよくない癖よ?

 フィーアのことが心配なのはわかるけど、それじゃあフィーアがかわいそうだわ。」


「フィーアが、かわいそう・・・」


 そう言われてしまうとツヴァイも反論できない。

 フィーアのことであれば何でも知っておきたいというのが本音なのだが、それではフィーアの自由はないに等しいことになってしまう。


「ごめんね?ツヴァイ・・・」


 申し訳なさそうに言うフィーアに、ツヴァイは笑顔で首を横に振る。


「いや、いいんだ。ソフィの言うとおりだよ。

 なんでも知ろうとするのは僕のよくない癖だ。僕の方こそごめんねフィーア。」


「さて、それじゃあ宝玉に魔力を込めましょうか。」


「うん!」


 宝玉に魔力を込め始めるフィーアの姿を、ツヴァイはどこか遠い目で眺めていた。



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