第17話
町に近づくにつれ、通りには沢山の出店が並んでいるのが見えた。
昨日までは全く無かったのに…。
人通りも、どんどんと賑やかになってくる。
人って言っても、やっぱり皆、ケモ耳やら尻尾やらが備わっているのだけれど。
皆さん、体格も大きくて、男性も女性も、体つきがはっきりしていて、見栄えのする人ばかりだ。
(これまで、何度か町に出た事はあったけど、こんなに大勢の人の前に出るのは、初めてかも?)
なんて考えながらも、目が行くのは、皆の衣装。
男性は、割と普段着に近いみたい。
女性は色とりどりのドレスを身に纏っているけど、大抵は足元まで伸びるロングドレスだった。
そんな中を歩いて行くと、小柄なチセは一際目立つようだった。
フワフワのミニスカートから伸びる白くて細い足が、チセの華奢さを引き立てている。
祭りの会場までの道中は、これまででも一番の注目を集めてたと思う。
これまで町を歩いた時の、比にならないくらい。
でも、思ったよりも周りの視線が気にならなかったのは、いつも以上にニコニコとこちらを見ながら手を引いて歩いていくハルが隣に居たからだった。
本当に、ものすごく見てるんだもの。
何だか、何もかも見透かされて透明になっちゃってるような気分。
そうして気づけば既に会場の広場まで来ていた。
「わぁ、凄い…!」
「どう?気に入った?」
もう直ぐ日暮れという、夜との狭間のこの時間。
広場には、皆が持ち寄ったかのような、大小様々な形の沢山のランプが、至るところに灯されていて、不思議な世界に迷い込む、その入り口に立っているかのようだった。
「夜が始まったら、ダンスも始まるからね。先ずは気になるお店をチェックする?」
ハルが振り返ってウインクしている。
そんなハルの顔を改めて見たら、なんだか秋祭りに感じてた不安が嘘みたいに吹き飛んだ気がした。




