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この作品には 〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。

雛代の箱庭

作者:N
最新エピソード掲載日:2026/02/23
私は蔵の裏にしゃがみこんでいた。

覗くつもりなんてなかった。
ただ、通り過ぎるはずだったのに。

中では村の女たちが、無言で針を動かしていた。

母もいた。

いつもより背を丸めて、
金の模様をひとつずつ貼り付けていた。

貼っては離れて見て
少し曲がっていると、また剥がしてやり直す。

その隣で別の人が袖の裏に布を継いでいた。
表から見えないように、
縫い目を何度も指で押さえて、隠すみたいに。

「……これで、いいかね」

誰かが小さく言う。

「神さまに出すんだから」
別の声がすぐに返した。
「みっともないのはだめだ」

でも、その声は強くなかった。
自分たちに言い聞かせているみたいだった。

私はそのとき初めて知った。

あれは、私のために作られていた。

——私に着せるために。

私は音を立てないように、そっと離れた。

何も知らないふりをして、
次の日も、いつも通り「いい子」でいた。

そして私は山神鎮撫の雛代として生贄になった。
1話
2026/02/22 07:36
2話
2026/02/22 23:03
3話
2026/02/22 23:12
4話
2026/02/23 06:00
5話
2026/02/23 06:00
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