シベリア鉄道大爆破 空軍戦略爆撃隊出撃 4-2 ウラジオストク要塞・幕僚会議 1945年9月20日・深夜
ウラジオストク要塞・幕僚会議
日時:1945年9月20日・深夜
場所: ウラジオストク要塞・第一作戦会議室
出席者:
* 北方本国軍司令官:伊勢神 忠雄 中将
* 参謀長:高瀬 仁志 少将
* 後方参謀:榎本 隆正 大佐
* 作戦参謀:水町 健吾 中佐
* 情報参謀:白川 義昭 少佐
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伊勢神中将
「諸官、集まってもらった。佐伯中佐の『尋問』によって、赤軍の全容が剥き出しになった。これより、満州奪還およびソヴィエト極東軍殲滅のための最終作戦を策定する。白川少佐、まずは情報の要約を」
白川少佐は資料を配り終えてから始めた。
「……はい。第一・第二極東方面軍の司令官はすべてを吐きました。敵の攻勢限界はあと20日。燃料と食糧の備蓄は底を突きかけています。さらに、ザバイカル方面軍の第12航空軍――1,000機を超える航空機の『弱点』も判明しました。奴らの野戦飛行場は防空設備が皆無。燃料供給はすべてLi-2輸送機による空輸に依存しています」
「ソヴィエト軍にとって、鉄道は最も重要な兵站手段だったが、ザバイカル方面軍の進撃ルート(内モンゴルの砂漠や大興安嶺山脈)では以下の理由で鉄道が機能しませんでした」
白川少佐は指揮卓の上に広げられた地図を指し示しながら。
「物理的な断絶 モンゴルから満州西部に至るルートには、ソヴィエト規格の広軌鉄道が通っておらず、最寄りの補給駅は国境の数百キロ手前にある」
「軌間(線路幅)の違い 満州の既存鉄道(満鉄など)は標準軌であり、ソヴィエトの車両をそのまま走らせるには改修が必要だった」
そして、白川は多大な損害を受けながらも、関東軍の最大限の努力によって行われた、路線の破壊を言及した。
「爆破と破壊 関東軍が撤退時に橋梁や線路を破壊したため、鉄道網はすぐには利用できませんでした」
高瀬少将
「極限まで張り詰めた糸か。一箇所を断てば、全体が崩壊するということだな」
白川少佐
「その通りです。そして、スターリンの最終命令は『11月15日までの満州制圧』。彼らは焦っています。この焦燥を、我々の罠に引き込みます」
「しかし、ソヴィエト軍鉄道部隊による、占領した東清鉄道の軌道をソヴィエト規格の広軌化と関東軍による路線の破壊部分の復旧状態によってはすでに、兵站は航空輸送から鉄道へ移行している可能性が高いのでソヴィエト軍の物資の集積情報を収集しています。ハルビン占領はその場合でもソヴィエト軍の兵站へ大打撃を与えると確信しています」
「ウラジオストク駅とハルビン間の路線はすでに広軌化は完了済みとのことです」
伊勢神中将
「榎本大佐、駅の様子はどうだ。あの『戦利品』は使えるか」
榎本大佐
「驚くべき数字です、閣下。ウラジオストク駅と操車場には、米国製最新鋭の『イェア型』を含め、数百両の広軌用機関車が完全な状態で残されていました。ソヴィエト軍がウラジオストクからハルビンの線路を自分たちの規格(広軌)に書き換えてくれたおかげで、我々はこの『鉄の巨人』を使い、シベリア鉄道をそのまま逆走させることが可能です」
水町中佐
「それこそが私の狙いです。閣下、ハルビンを突きます。ヴォズドヴィジェンカから挺身降下部隊を飛ばしてハルビン駅を制圧。同時に、榎本大佐の用意した軍用列車に戦車と精鋭部隊を乗せ、東清鉄道を電撃的に逆走させる。これぞ『逆・電撃戦』です」
高瀬少将
「水町中佐、ハルビンだけでは足りない。敵の進撃路を完全に断つ必要がある。ハバロフスク近郊のアムール川橋梁はどうする?」
水町中佐
「第4航空隊から引き継いだB-17、B-24、海軍航空隊から一式陸攻の重爆編隊、そして、飛竜を投入します。白川少佐の情報にある対空陣地の隙を突き、橋梁を物理的に消滅させます。これでソヴィエト本国からの鉄道による極東沿岸部への進撃路が絶たれます」
榎本大佐
「補給線の構築は私に任せていただきたい。ソヴィエト軍が広軌化した線路を、我々がそのまま利用して通遼まで重火器を送り込む。奴らは自ら掘った墓穴――広軌のレールの上で、動けぬまま死ぬことになります」
伊勢神中将
「……全員、聞いてくれ。我々が手に入れたのは単なる都市や機関車ではない。敵を解体するための『解剖図』と、それを実行するための『槍』だ。白川、敵の情報収集と敵への情報攪乱を継続せよ。榎本、鉄道連隊を総動員して列車の発車を急げ。水町、空挺部隊と地上部隊の同期を分単位で詰めろ」
高瀬少将
「閣下、これで通遼は、赤軍にとって逃げ場のない『巨大な断頭台』となります」
伊勢神中将
「よろしい。日本を、そして同胞を蹂躙した報いを受けさせる時だ。……作戦名『カムチャッカの逆鱗』。これより発動する」
高瀬少将
「了解しました、伊勢神司令官・・・・夜明けと共に、爆撃隊を発進させます」




