表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【時間跳躍の守護者】魔法庁の「影」を狩るクールな少年と、時空を超える相棒のクロニクル  作者: ねこあし


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/20

第9話:時空の絶対固定と、零司の接近

法則の統合訓練

 廃墟研究施設の地下ラボ。刹那、リナ、風見の三人は、協会の『時空改変』に対抗するための究極の複合魔術、『時空の絶対固定クロノ・アストラル・ロック』の訓練に没頭していた。


 風見は、ホログラムで時間軸(縦軸)と空間軸(横軸)の交点を表示し、その理論を説明した。


「協会の『時空改変』は、この交点を『切り裂く』ことで、過去の特定座標の時間を移動させようとする。それに対抗するには、刹那の『時間収束』で縦軸を安定させ、私の『空間安定化』で横軸を固定する。その二つの力が完璧に同期した時、『時空の絶対固定』が完成し、いかなる時空の切断も無効化できる」


「二つの法則の統合は、次元の矛盾を生む。少しでも同期がズレれば、君の魔力回路が、時空の奔流に耐えられなくなるぞ、刹那」


 冴子が、傍らで見守りながら、緊張した面持ちで警告した。


「大丈夫です、冴子さん。僕には、『一秒の破片』がある」


 刹那は、『一秒の破片』から放出される固定された時間軸の魔力を、自身の『時間法則のノイズ』に注入した。そして、その魔力を、リナの『時空の扉』の起動魔力と同期させた。


 訓練は過酷を極めた。刹那は、全神経を集中させ、「時間」を制御しながら、風見が構築する「空間」の波を読み取り、リナの「時空」のズレを瞬時に修正しなければならない。


「――『空間安定化、五度!』」


 風見の指示に、刹那は即座に反応する。


「――『時間収束、位相角、三度調整!』」 刹那の魔力が、リナの時空座標の微細なズレを修正する。


 その度、刹那の全身から冷や汗が噴き出した。時間と空間の法則を同時に操る負荷は、想像を絶するものだった。


時間監視網の収束

 訓練が最高潮に達した、その時。


 風見が、顔色を変えて叫んだ。


「刹那!零司の『自動時間干渉感知器』が、我々の座標に収束し始めている!」


「零司が、この隠れ家を特定したのか?」


「いや、彼の感知器は、君の『時間法則のノイズ』が、私の『空間安定化』と同期した『特異な魔力パターン』を検知したのだ!君の訓練が、彼の時間監視網に、逆探知された!」


 刹那の『法則の守護』のための訓練が、零司の『法』の追跡を呼び寄せてしまった。


「零司の到着まで、五分。彼がこの地下の空間安定化を破るのに、三分かかる!」


「時間がない!『時空の絶対固定』を、実戦レベルで完成させるぞ!」


 刹那は、覚悟を決めた。


絶対固定の完成

 刹那は、魔力回路が悲鳴を上げるのを無視し、風見とリナの魔力を一点に集中させた。


「リナ!全力で『時空の扉』を開け!シドが使ったのと同じ、広域の『時空断層』を再現しろ!」


「わ、わかりました!」


 リナが渾身の魔力を込めて『時空の扉』を開くと、『時空の狭間』の不安定なエネルギーが、地下ラボに流れ込んできた。それは、シドが放った魔術と同じ、空間と時間の両方を切り裂く奔流となった。


 刹那は、目を閉じ、『一秒の破片』の絶対的な安定性を、自らの『時間法則』へと完全に融合させた。


「――『時空の絶対固定クロノ・アストラル・ロック』!」


 刹那の全身から放たれた魔力は、時空の奔流を受け止め、それを一点に固定した。時空の奔流は、まるでガラスの中に閉じ込められた氷のように、動きを完全に止め、無害な現象へと変換された。


 ラボ全体が、一瞬、絶対的な静寂に包まれた。


「成功だ……!時間と空間の法則が、完璧に統合された!」


 風見は、歓喜の声を上げた。


零司との再会、そして共闘の可能性

 ドオオン!


 訓練の成功と引き換えに、零司が地下ラボの入り口に、『広域空間断裂』を放ち、分厚い扉を破壊して姿を現した。


「九条刹那!君の『時間法則のノイズ』の根源は、やはりここだったか!」


 零司は、冷たい瞳で刹那を睨みつける。彼の後ろには、重武装した監査チームが控えている。


 しかし、零司は、刹那の傍らに立つリナを見て、わずかに警戒の色を強めた。さらに、彼の足元には、刹那の『時空の絶対固定』の残滓が、彼の『空間断裂』を無力化した証拠として残っていた。


「零司。僕たちは、『時の協会』を追っている。君の『法』が裁けなかった、時空を操る巨大な敵だ」


 刹那は、一切動揺せず、クールに零司に告げた。


 零司は、監査チームに指示を出さず、静かに言った。


「その言葉を信じるとでも思うか。君の存在そのものが、『法』への反逆だ」


 その時、リナが、自身の端末を操作し、零司の目の前の空間に、ホログラムの警告を表示させた。


【警告:時の協会、協会員・コードネーム『調律者チューナー』が、新生魔法庁の『起源の魔力貯蔵庫』に侵入開始。残り時間:8分】


 これは、リナが協会から盗み出した、内部の機密情報だった。零司の顔に、強い葛藤が浮かんだ。彼の『法』は、刹那の拘束を求めている。だが、『秩序の危機』は、目前に迫っていた。


「零司。君の『法』の優先順位は、『僕の拘束』か、それとも『世界の危機』か。選べ」


 刹那は、零司に、究極の選択を突きつけた。

お読みいただき、ありがとうございます!

よろしければ、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ