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【時間跳躍の守護者】魔法庁の「影」を狩るクールな少年と、時空を超える相棒のクロニクル  作者: ねこあし


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第3話:時空の狭間での訓練と、零司の「監視網」

法則の共有

 九条刹那とリナは、『時空の狭間タイム・アビス』に滞在していた。ここは時間が曖昧なため、外界の時間の流れがリセットされるまで、零司の追跡から逃れるための完璧な隠れ家となる。


「あなたの『時間法則の守護』は、世界の『流れ』の維持を目的としている。私の『時空転移』は、その『流れ』を一時的に曲げることを目的としている。私たちの協力は、法則への反逆とも言えます」


 リナは、静かに自分の能力と刹那の能力の差異を説明した。


 刹那は、懐から取り出した『一秒の破片』を観察していた。破片は、依然として微細な過去の風景を映し出している。


「反逆ではない。僕の法則は、『悪意ある改変』を許さない。君の協会は、この破片を使って、特定の過去を改変しようとしている」


「その通りです。協会は、『起源の魔力』を集め、特定の過去の『分岐点』を修正しようとしています。その目的は、協会の絶対的な支配を確立すること」


 リナは、刹那の前にホログラムを展開した。そこには、彼女の『時空転移』の座標を示す、複雑な数式と、それが周囲の『時間干渉波』にどう反応するかという理論が表示されていた。


「私の転移の魔力は、空間軸と時間軸の交点を起点にします。あなたが『時間干渉術アストラル・ノイズ』でその交点を乱せば、私の転移は座標を失い、暴走する」


「だから、君は僕に『時間干渉』を『制御』してほしいのか。君の時空転移を、零司の空間魔術から守るために」


「その通りです。私の『時空の扉』を、あなたの『法則』で守ってください。そうすれば、私たちは誰にも追跡されない絶対的な移動手段を手に入れられる」


 二人の間の関係は、「管理者」と「守護者」の、極めて合理的でクールな協力関係へと発展した。


時間遅延訓練クロノ・スパーリング

 刹那は、時空の狭間で、リナを相手に訓練を開始した。


「君の時空の扉が開く直前、僕が『時間遅延クロノ・ディレイ』を放つ。君は、その時間的なズレを、転移の座標に組み込め」


 刹那の『時間遅延』がリナを襲う。リナの身体は、まるで粘度の高い液体の中を進むように、動きが鈍くなる。彼女は、そのわずかな時間のズレの中で、魔導具のダイヤルを調整し、時空転移の起動座標を変更しようと試みた。


「遅い!」


 刹那は、瞬時に『時間跳躍』でリナの背後に回り込み、『時間停止クロノ・ストップ』を放つ直前の魔力の予兆を、彼女に叩きつけた。


「くっ……!」


 リナは、刹那の『時間停止』の予兆を感知した瞬間、自身の魔力を未来へ『0.5秒分』だけ前倒しして発動した。


 ポン!


 リナの身体が、一瞬だけ、『未来の座標』へと移動した。


「すごい。僕の『時間停止』の直前で、『未来への転移』を成功させた」


 刹那は、その技術の高さに感嘆した。


「あなたの『時間停止』は、『絶対的な現在』を創り出す。私は、その『現在』から、一瞬だけ『逃げた』だけです」


 リナは、息を切らしながら言った。


 二人は、「時間の絶対性」と「時空の相対性」という、相反する法則の狭間で、その能力を磨き上げていった。


外界の監視網

 外界の時間軸がリセットされ、刹那とリナが『時空の狭間』から元の時間軸に戻る準備をしている頃。


 新生魔法庁本部。神崎零司は、監査チームの最新の報告を受けていた。


「影山の事件以来、九条刹那と霧島冴子の動きは途絶している。だが、あの時空の魔術師リナの出現は、看過できない」


 零司の前に、巨大な東京のホログラムマップが展開されていた。マップ上には、無数の『空間アンカー』が埋め込まれている。


「全ての手動『空間アンカー』を、『自動時間干渉感知器』に切り替えろ」


 監査チームの部下は驚愕した。


「零司部長!それは、風見の残した『空間歪み理論』を応用した、極めて危険な監視網です。時間魔術師の魔力を感知するために、広域の空間の法則を常に監視下に置くなど……」


「構わない。九条刹那の『時間干渉』、そしてあの少女の『時空の扉』は、従来の『空間法則』の監視では捉えられない。『法』が届かぬなら、『法則』の壁で監視する」


 零司は、「法と秩序」を維持するために、かつての敵である風見の理論まで取り込み、巨大な「時間監視網」を構築しようとしていた。


(刹那。君は、法則の外に逃げた。ならば、私は法則そのものを張り巡らせて、君の存在を捉える)


 零司の瞳には、冷たい執念が宿っていた。彼の「法」は、刹那の存在を最大の脅威として定義し、その追跡を、組織の最優先事項としていた。


新たな任務

 刹那とリナは、時空の狭間を抜け、東京の地下鉄の廃駅に降り立った。


「協会の次の目標を特定しました」


 リナは、端末を取り出し、新たな情報を表示させた。


「次のターゲットは、東京大学の『起源魔力研究室』に保管されている『過去の魔力結晶』です。それは、千年前の特定の時間軸の魔力を固定化したもの。協会はそれを狙っている」


「千年前の魔力結晶……協会の目的は、歴史の改変が濃厚になったな」


 刹那は、自身の『時間法則の守護』の使命を再認識した。彼は、リナに告げた。


「行こう、リナ。君の『時空の扉』と、僕の『時間法則』で、協会の計画を阻止する」


 刹那のクールな瞳に、新たな戦いへの決意が宿る。彼の隣には、時空を超える新たな相棒、リナがいる。孤独な復讐者の旅は終わり、『時間跳躍の守護者』としての新たな物語が、東京の闇から始まろうとしていた。

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