第16話:零司の介入と、三つ巴の過去戦線
儀式への強行突入
千年前の『天空の石塔』。『原始の管理者』が絶対支配者となるための儀式が始まり、『時間軸のアンカー』が地面に打ち込まれていた。
刹那は、『時間跳躍』で石塔の中心へと一気に接近し、『原始の管理者』の目の前に降り立った。
「君の『時間の純粋性』は、世界の『法則』を破壊する!」
「ふむ。この『時間の純粋な流れ』こそが、『法則』そのものだ、未来の異物よ」
老人は、刹那の出現にも動じることなく、静かに石盤に手を触れ続けた。儀式の光は、刹那の『時間法則のノイズ』すらも透過し、彼の存在を『時間の流れのゴミ』として排除しようとしていた。
リナは、刹那の後方で、『時間法則のノイズ』を広域に展開し、天空から降下してくる協会の『時間潜行部隊』の座標を攪乱していた。
「刹那!協会の潜行部隊は、五秒で地上に到達します!早く儀式を止めないと!」
刹那は、渾身の『時空の絶対固定』を発動させた。彼の魔力は、千年前の純粋な魔力と衝突し、彼の魔力回路が悲鳴を上げた。
「――『絶対固定』!」
刹那の魔力が石塔の儀式の光に触れた瞬間、光の動きが一瞬だけ静止した。しかし、千年の時をかけて確立された『原始の管理者』の時間支配の力は、刹那の『絶対固定』を押し戻そうとした。
法の壁の出現
刹那の『絶対固定』が『原始の管理者』の力と拮抗し、膠着状態に陥った、その時。
天空を覆う協会の時空の歪みとは別に、強烈な『空間の断裂』の予兆が、千年の時間を超えて、この地に到達した。
ズオオンッ!
現代の東京とは異なる、この原始的な空間に、神崎零司が率いる『対時間潜行部隊』が、『空間跳躍』で強行介入してきたのだ。
「九条刹那!協会の刺客を断罪する!君の行動を妨害するな!」
零司は、原始の風景にも動じることなく、『法』の執行者の冷徹な視線を、石塔の創設者に向けた。
「零司!君の『空間断裂』は、この千年前の法則を破壊する!未来に予測不能な影響を与えるぞ!」
刹那は、『絶対固定』を維持しながら、零司に警告した。
「私の『法』は、秩序の破壊者を、時間軸のいかなる場所でも断罪する!」
零司は、刹那の警告を無視し、『空間断裂』の魔力を『原始の管理者』に向けて放った。
「――『空間断裂』!」
三つ巴の激突
零司の空間攻撃は、刹那の『時間固定』と創設者の時間支配が拮抗する、極めて不安定な空間へと突入した。
ガキンッ!
『原始の管理者』は、時間支配の力を、零司の空間攻撃を『未来へと転送』することで回避した。零司の断裂は、石塔の数時間後の空間を切り裂き、時間の残響となって消えた。
そして、その隙を突いて、協会の『時間潜行部隊』が、地上に降り立った。彼らを率いるのは、『協会の幹部』の一人、『時間導師』だった。
「裏切り者のリナ!そして、『未来の異物』どもめ!我々の『時間支配の儀式』を邪魔立てするな!」
ここに、『法則の守護者』(刹那・リナ)、『法の執行者』(零司隊)、『時間の支配者』(協会隊・創設者)の三つ巴の戦線が、千年前の『分岐点』で激突した。
創設者の真意と刹那の疑惑
刹那は、零司と協会の激突を『時間固定』で隔離しつつ、『原始の管理者』に問いかけた。
「君の目的は、本当に『時間軸の純粋性』か?それとも、『絶対的な支配』か?」
老人は、静かに笑い、刹那の『一秒の破片』に視線を向けた。 「その『破片』は、君の母親の時間の欠片だ。私が『時間支配者』となれば、君の母親が死んだ『未来の悲劇』さえも、『調律』できる」
その言葉は、刹那の『時間法則の守護』の信念を揺さぶる、究極の誘惑だった。
(母さんの悲劇を、この力で無かったことにできる……?)
しかし、刹那の瞳は、すぐにクールな輝きを取り戻した。
「『悲劇の改変』は、『未来の法則』の破壊だ。君の『支配』は、僕の『法則』が許さない」
刹那は、『絶対固定』の魔力を、儀式のアンカーに向けて最大出力で放った。
ガガガガッ!
儀式のアンカーが、刹那の『絶対固定』によって、時間軸から切り離され、活動を停止し始めた。『原始の管理者』は、初めて焦りの表情を浮かべた。
「馬鹿な!この『法則の特異点』が、私の千年の法則を破るというのか!」
刹那のクールなリベンジは、自身の過去の悲劇を乗り越え、世界の法則を守るための、絶対的な意志によって遂行されていた。
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