表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【時間跳躍の守護者】魔法庁の「影」を狩るクールな少年と、時空を超える相棒のクロニクル  作者: ねこあし


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/20

第13話:絶対固定の発動と、過去の記憶の奔流

法則の絶対防御

 国立歴史博物館、中央展示ホール。波紋術士が放った『時間波紋・抽出クロノ・リップル・エクスストラクト』は、『第一魔法時代の遺物』から起源の魔力を一気に引き出そうと、ホールの空間全体を覆い尽くしていた。


 零司の空間防御が波紋に無力化される中、刹那とリナが、時空の法則を統合した究極の防御を発動させた。


「――『時空の絶対固定クロノ・アストラル・ロック』!」


 刹那の『時間収束』と、リナの『時空の安定化』が、『一秒の破片』から得た絶対的な時間基準と同期し、遺物の周囲の空間に、目に見えない『法則の壁』を構築した。


 波紋術士の『時間波紋』は、この『法則の壁』に衝突した瞬間、エネルギーを完全に奪われた。波紋は、『絶対的に固定された時間』の中を、進むことも、戻ることもできなくなり、ホールの空気に溶け込むように消滅した。


「馬鹿な!私の『時間の波紋』が、完全に『静止』させられただと!?」


 波紋術士は、自身の魔術の核心を無力化されたことに、激しい動揺を見せた。


「君たちの『時間改変』は、僕の『時間法則の守護』が許さない」


 刹那は、『時空の絶対固定』の負荷で全身に激痛が走るのを無視し、冷徹に言い放った。


零司の決断と反撃

 零司は、刹那の魔術が、彼の『法』が持つ空間魔術では絶対に成し得ない絶対的な防御を完成させたことに、戦慄した。しかし、彼の『法』は、秩序の回復を最優先する。


「監査チーム!『波紋術士』の動きが止まった!『空間固定』で、奴の脱出座標を封鎖しろ!」


 零司は、刹那の『絶対固定』が解除される前に、自らの魔術を波紋術士に向けて放った。


「――『連鎖空間断裂チェイン・ディメンション・スライス』!」


 零司は、波紋術士の周囲に、空間の切断層を幾重にも展開し、刹那の法則に依存した、完璧な包囲網を完成させた。


「くっ……!この空間固定は、調律者シドの敗北を学習したのか!?」


 波紋術士は、脱出座標が封じられたことに気づき、焦燥した。


 刹那は、自身の『絶対固定』を、波紋術士が魔術を放てないギリギリのラインで維持したまま、零司の空間攻撃をサポートした。


『法則』と『法』の連携は、調律者戦よりも遥かに洗練されていた。波紋術士は、魔力を封じられ、零司の『空間断裂』の層に囚われ、行動不能に陥った。


過去の奔流と刹那の危機

 波紋術士は、捕縛される直前、最後の抵抗に出た。


「――『起源の反響オリジン・エコー』!」


 彼は、自らに封じられていた起源の魔力を、刹那が絶対固定に使用した『第一魔法時代の遺物』に向けて、無理矢理に放出した。


 起源の魔力は、遺物と衝突し、爆発的な『過去の記憶の奔流』を発生させた。それは、千年前の特定の時間軸の光景、音、感情を、『現在』に叩きつける現象だった。


 ゴオオオッ!


 ホールの空間が歪み、刹那の脳内に、圧倒的な情報量が流れ込んできた。


 千年前、魔法の力が世界に溢れていた光景。そして、「時の協会」の原型となる、『時間の純粋性』を求める集団の、狂信的な儀式の光景。


 その奔流の中に、刹那は見覚えのある、金色の髪の女性の姿を見た。それは、二年前の事件で死んだ、彼の母親の姿と酷似していた。


(なぜ、母さんが……千年前の記憶に……?)


 刹那の『時間法則のノイズ』が、母親の映像に強く反応し、魔力回路が過負荷を起こした。絶対的な時間基準が揺らぎ、『時空の絶対固定』が崩壊寸前になる。


「刹那!目を覚まして!」


 リナが、刹那の身体を揺さぶった。


零司の保護と、二人のすれ違い

 零司は、波紋術士を拘束した後、刹那の異常に気づいた。刹那の魔力が、暴走寸前の状態にある。


「九条刹那!魔力を解放しろ!」


 零司は、躊躇せず、自身の魔力を刹那の周囲に展開した。『空間安定化』の魔術で、刹那の過剰な時間魔力が外部に漏れるのを防ぐと同時に、波紋術士の『過去の奔流』から彼を物理的に隔離した。


 零司の『法』は、危険な力の暴発を防ぐために、刹那を保護したのだ。


 刹那は、零司の空間魔術の保護により、なんとか意識を保った。


「零司……なぜ、僕を……」


「君の魔力は、秩序を乱す。私が『法』として、その暴走を止めるのは当然の責務だ!」


 零司は、冷たい言葉を投げかけたが、その瞳には、かつての盟友への複雑な感情が浮かんでいた。


 この隙に、リナは、波紋術士の遺した微細な時空の座標を回収した。


「刹那、行きます!協会の次の標的は、『過去の分岐点』へ『直接潜行』することです!早く!」


 刹那は、零司の『空間保護』から脱出し、リナが開いた『時空の扉』へと飛び込んだ。


「待て、九条刹那!逃亡は、『法』への最大の侮辱だ!」


 零司は叫んだが、刹那の姿は、空間の歪みの中に消えていった。


 零司は、拘束した波紋術士と、破壊寸前の『第一魔法時代の遺物』を見つめた。そして、刹那が過去の記憶の奔流に苦しむ姿から、彼の復讐のルーツに、協会が深く関わっている可能性を確信した。


『法』の追跡者である零司の使命は、「時の協会」の追跡と、その先にいる刹那の断罪へと、さらに深く進むことになる。

お読みいただき、ありがとうございます!

よろしければ、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ