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これは賢神ジャムシードが神への転生前に現世に存在していた時代の物語。さまざまな現世の怪物達との戦いの末に、彼はある国の覇者となる。そして…
賢神ジャムシードが神に転生前する以前現世にまだ在った頃の物語。中流貴族の家に生まれた彼はとても大柄で文武ともに能力が高く将来を渇望されていたが、彼が13歳になった時王国が滅亡した。彼と彼の一族は離散して逃げた。彼が逃げ延びた洞窟にはある存在がいた。
「この鹿肉には大蒜と黒胡椒、山椒の組み合わせが絶品だ。」
3日前に出た街で購入した肉から溢れた油の滴るチョップを、暖を取りながら食い思う。
冷えて来た北風を防ぐために入った
その洞窟の外には、新月の夜空が広がっている。
『アルデバランの先に見えた、この宙の先には何が広がっているのだろうか?』
あの日の事を思い出す。
そんなことはどうでもいい。
明日には砂漠の王都リハッドに入るだろう。
ここまで、兵士の網目を掻い潜って進行することが出来たが明日からはより慎重な選択が迫られる。
『王都を奪還する』
その目的のためにここにいるのだから。