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第24章『ビバ☆文化祭!!』

玉置成実の曲は、高3になってガンダムSEEDをDVDで見て好きになりました。

友達に頼んでPSPのメモリにプレイリストを作って、いつも聴いていました。

PVを見てダンスもちょっとだけやってみましたが、かなり難しくて早々に挫折しました笑


ついに再会を果たした静香と涼介。

そして迎えた、文化祭当日。

ガチガチに緊張している2人のもとに、静香の兄優人が声を掛けてきた。

そして彼の背後から、ある人物が姿を現す…。


どうなる第24話!

そして次回、最終回!

ついに迎えた文化祭当日。


学校中が、かつてないほど賑わっていた。


「ついにこの時が来たね!」

「うん」

「…って涼くん、なに見てんの?」

「玉置成実のPV。もう一度おさらいしようと思って」

「あっ…」


正直、今のダンスに自信はなかった。

なのでこうして、本番前に再確認しているのだ。


「本番かぁ…緊張するなぁ」

「オレもめっちゃ緊張してる。あまり人前で何かするの、慣れてねーし」

「そうみたいね。だって手が震えてるもん」

「ホントよく気づくよな、静香は」


オレは動画を止めた。

たしかに、スマホを持つオレの手は小刻みに震えていた。

今朝からずっとだった。


「こんなモン、東に立ち向かった時に比べりゃ大したことねーよ」

「…無理してる?」

「…ちょっとな」


ちょっとどころじゃなかった。

ひょっとしたら、東の時以来かもしれない。


「おはよ。調子はどお?」


佐久間さんが声を掛けてきた。


「おざーす。絶賛緊張なうッス」

「あたしも〜。昼イチからとはいえ、さっきからドキドキしてしょうがない」

「アハハハハ」


佐久間さんは困ったように笑った。


「まぁ、あたしも緊張してるんだけどね。うちらの学年のみんな、文化祭とか初めてだもん」

「…鈴木は来てます?」

「来てるよ。ほら」


佐久間さんが顎でしゃくった。

鈴木は何故か、椅子の上で座禅を組んでいた。


「『何やってんの?』って訊いたら、『これが俺なりの緊張解消法だ』ってさ。寺の坊主かっての」

「いや草」

「写メ撮りたい…」


オレ達は笑いを必死に堪えた。

佐久間さんは散々笑った後、真剣な面持ちになった。


「初めての文化祭だからって、妥協は許さないわよ。やるからには全力で、今まで培ったものを残らず出し切ろう。ね?」


佐久間さんは拳を突き出した。


「絶対、成功させよ?」

「はい!」

「うん!」


オレと静香は拳を合わせた。


「じゃ、昼の部までゆっくりしてて」


佐久間さんはそう言うと、他のグループの輪に戻った。




「小腹空いたし、何か食いに行かね?」

「そだね。ここでじっとしても何だし、行こ?」


文化祭が始まって1時間程が経ち、オレは静香と共に中庭へ向かった。


「焼きそばにたこ焼き、クレープ…何食おう」

「どれも美味しそうだな〜。迷うよ〜」


静香がよだれを垂らしながら、屋台を見渡して言った。


すると、静香の背後で声がした。


「お兄さんが奢ってあげようか?」

「優人さん!」

「よっ。元気そうで何よりだな」


ファーのついた革ジャンのポケットに手を突っ込みながら、優人さんが笑い掛けた。


「そーいえば、途中でこの子拾ったんだが」

「久しぶり、静香。元気してる?」

「菜月!!」


優人さんの後ろから、来島さんがひょっこり現れた。

静香は菜月と抱き合った。


オレ達は優人さんに、焼きそばを奢ってもらった。


「そーいや菜月ちゃん、修吾のクラスが知りたいんだと。アイツは?」


優人さんはクレープをモグモグ食べながら言った。


「さっきちょろっと見たんスけど、ドラムの練習してました」

「ドラム?修吾のヤツ、バンドすんのか?」

「はい」

「案内してくれ」


オレは3人を連れて、修吾のクラスに来た。

少しだけ引き戸を開けて覗き込むと、真面目な顔つきで机を指で叩いていた。


「ほら、菜月ちゃん。声掛けてやれよ」

「で、でも…あんな一生懸命練習してるのに、そんな…」

「いいから、ほらっ」

「きゃっ!」


優人さんは思いきり引き戸を全開にし、来島さんの背中を押した。


「な、菜月!優人さんも!」

「よう、優等生」


優人さんは人差し指と中指をピッと上げた。


「涼介に教室を案内してもらってな。この子の為にな」

「あ、あの…修吾…」

「どうした、菜月?」


修吾が来島さんに歩み寄ってきた。

来島さんは顔が真っ赤だった。


「菜月ちゃん、ここで決めちまえ」

「優人さん、丸聞こえで─」


修吾が言いきらないうちに、来島さんは動いた。

修吾の首に両腕を回し、少し背伸びしてキスした。


見ていた修吾のクラスメート達が、口笛を吹いたり(主に男子)ざわついたり(主に女子)した。


「…ライブ、頑張って。最前列で見てるから」


来島さんはそれだけ言うと、恥ずかしそうに教室を出ていった。

修吾を虎視眈々と狙ってたのだろうか、女子達が落胆したり仰天したりと騒ぐ中、優人さんが茶化すように訊いた。


「感想は?」

「照れ臭いです…」


修吾は顔を真っ赤にして言った。


「でも、嬉しかった。今の俺なら、いける気がします」

「そうかい。じゃあ菜月ちゃんに、カッコいいとこ見せつけてやんな」

「はい!」


修吾は声を張り上げた。




午後の部開始まで、残り5分。

衣装の黒いレザースーツに着替えたオレと静香は、舞台袖に集まった。


「よし、これで全員揃ったわね?」


佐久間さんが満足げに頷くと、オレ達はスクラムを組んだ。


「みんな、準備はいい?」

「押忍!!」

「絶対成功させよう!!」

「押忍!!」

「全力出し切ろう!!」

「押忍!!」

「1年C組!!」

「ゴーファイ!!」


掛け声と共に、オレ達は片足を踏み鳴らした。


そしていよいよ、午後の部が始まった─。



幕が上がり、背中合わせに立つオレと静香をスポットライトが照らし出す。


静香は息を吸い込み、宙を見上げて歌い出した。


耀く未来は 僕の為に

愛しい記憶は 君の為に

絆はいつでも繋がってる

あの日の約束胸に僕らは

奇蹟を叶えてく…


曲のテンポが変わり、オレと静香はシンメトリーな動きで踊り出した。

オレと一糸乱れぬステップを踏む静香は、常に笑顔だった。

オレも自然と笑顔になり、心も踊ってきた。


1分半のオープニングパフォーマンスは、あっという間に終わった。


拍手喝采を浴びたオレ達は、観客席に一礼した。


佐久間さん率いる他のメンバーが舞台袖から現れ、それぞれ配置につく。

勿論センターは静香だった。

静香はインカムを直し、体勢を整えた。


佐久間さんが挨拶した。


「オープニングパフォーマンス『Result』を見ていただき、ありがとうございました。本番はいよいよここからです。『Believe』『Realize』『Reason』の3曲と、続けてお送りします。それでは最後まで、どうぞご覧下さい!まずは、『Believe』!!」




次回、最終回

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