第17章『出し物何するよ?』
文化祭といえば、みなさんは何をしましたか?
私は1年生の頃に本田圭佑のモザイクアート、2年生で東日本大震災復興支援のバザー、3年生ではダンスをしました。
特に3年生の頃は、1番してみたかったことができて、いい思い出になりました。
チームでグラサンを掛け、TEAM BLACK STARSの『残酷な天使のテーゼ』を踊ったのはもう8年半前でしょうか、未だに覚えてます。
YouTubeで検索すれば、元ネタが出てくるかもしれません笑
今回から物語のクライマックスに向けた、文化祭編となります。
果たして涼介達が文化祭でやるのは何なのか、そんな中いつもと違う様子の修吾に菜月はどうするのか、第17話をどうぞ!
あ、ちなみに新キャラ登場です笑
ある日のLHRにて。
「…多数決の結果、文化祭の出し物はダンスに決定です!」
文化祭実行委員の佐久間さんが、黒板を叩いた。
「またメンバーの募集は、随時行います。いくつでもいいんで今月中にグループを作って、曲目を決めて練習に入ってください。以上!」
その後は適当にグループを作って、ミーティングに入った。
「涼くん、ダンスしよ?」
「いいよ」
元々興味はあった。ゲームの合間に動画サイトで、いくつか視聴はしていた。
ただ、あまりにキレのある動きだった為、自分にできるかどうかが不安だった。
静香も乗り気なので、とりあえず挑戦することにした。
「静香!一緒にやろ?」
「やるやる!涼くんも一緒でいい?」
「いいよー!藤田くん、入って入って!」
佐久間さんに誘われるがままに、オレと静香はグループの輪に入った。
佐久間ひろみ。
中学は静香やオレとも違うが、入学当初からみんなのまとめ役だった。
イベント事が大好きで、今回は特にLHRに熱がこもっていた。
メンバーはオレや静香を含め、ざっと10数人ぐらいだった。
適当な席に座り、雑な輪を成していた。
「さてと…何踊る?ジャンルはいっぱいあるけど」
椅子にふんぞり返り、脚を組んだ佐久間さんが口を開いた。
「やっぱRAMPAGEじゃね?」
「いやいや乃木坂でしょ。女子がいるの忘れないで」
「ボカロ踊ろーよ。RAMPAGEっぽい曲、最近話題だし」
「その手のジャンル知らねーよ」
うーん、のっけからジャンル論争。
長くなるのかな、これ。
「静香や藤田くんは?」
「あたしは…ヒップホップとかがいいかな」
「えーと…」
オレはスマホをポチポチ操作すると、最近見た動画を開いた。
「こんなのとか?」
真ん中の机にスマホを置く。
皆が次々に身を乗り出し、動画を見た。
玉置成実の『Believe』。
PV自体は、オレ達が生まれる前の年のだった。
某ロボットアニメのオープニングに使われた曲だが、PVにはその歌手も含めたダンスもあった。
「けっこう古いな…何年前だよコレ?」
「んー…21年前、だっけか?」
「私達生まれてないじゃん」
メンバーがどっと笑った。
「あくまで参考だけど、佐久間さん的にどうスか?」
「私、こーゆーの好きよ?みんなは?」
「いいんじゃね?」
「全然アリ」
「ナイス藤田!」
みんな口々に賛同した。
佐久間さんはレポート用紙に書き込んだ。
「じゃあ、一応候補に入れとくね。他には?」
放課後。
「へぇ〜、藤田くんとこはダンスするんだ」
オレ、静香、修吾の3人は、来島さんと喫茶店で待ち合わせし、文化祭について話していた。
「修吾は何するの?」
「バンドに決まった。俺はドラム担当になったよ」
「修吾がドラムか〜。もう何やらせてもかっこいいと思うな」
「は、恥ずかしいな…」
修吾は照れ臭そうに頬をかいた。
「てか私、思ったんだけどさ…」
「実はあたしも思ってた」
「オレも最近感じるようになりました」
オレ達3人は、一斉に修吾を見た。
「なんか私が知ってる修吾と藤田くん、いつもと逆じゃない?」
「え?俺が?」
当の本人は、顔をひきつらせていた。
ここ最近、修吾は来島さんの前で緊張しっぱなしだった。
おそらく、来島さんを意識しすぎているのだろう。
それにしても、以前の俺っていつもあんな感じだったのか…。
そうしみじみ思うと、感慨深くなってきた。
「いつも女子の前では恥ずかしそうにしてたの、藤田くんだったんだけどなぁ〜」
「もはや懐かしいッスね」
「やめてくれ…」
修吾は恥ずかしそうにそっぽを向き、ブラックコーヒーを啜った。
「あれ?いつもはキャラメルラテなのに、今日はブラックなの?」
「お、俺だってブラック飲むさ。たまーにな」
「スイーツは結局いつものフルーツタルトじゃん。見栄張ってんのか?」
「う、うるさい!」
修吾は熱々のコーヒーを一気に飲み干そうとした。
「あっつ!!」
案の定修吾はむせた。
オレはこんなにテンパった修吾を見た事が無かった。
「無理するからよ」
来島さんは修吾の背中を優しくさすった。
「ヒューヒュー」
「やめなさい2人とも」
オレと静香が囃し立てると、来島さんがピシャリと咎めた。
しかし、来島さんも満更ではなさそうだった。
耳のあたりが赤くなっていた。
「ところで、菜月のクラスは何するの?」
「モザイクアートやる事になったわ。それと並行して、吹奏楽部からオファーが来て、演奏会に参加する事になった」
「え?菜月も楽器演奏できるの?」
「ええ。静香は私が元吹奏楽部だったの、まだ言ってなかったっけ?」
そう。来島さんは中学時代、吹奏楽部に所属していたのだ。
「元々吹奏楽部の推薦で入った学校だしね。でも、高校からはゲームにのめり込みたかったし、練習量も中学よりハードそうだからやめたの」
「もったいなーい」
「まぁ私の腕前を知ってる人から、『今回の演奏会だけでも出て欲しい』って頼まれた訳だし、久々にやろうかなって」
「来島さんの担当楽器何でしたっけ?」
「主にフルートだったけど、管楽器は何でもできるよ?」
「さっすが…」
思わずオレは舌を巻いた。
管楽器のスペシャリストかよ…。
「文化祭は藤田くん達の次の週末になるから…ねぇ、良かったら来ない?」
「いいの?」
「ええ。あなたも来るわよね、修吾」
「え?…あ、うん」
修吾はまだ咳き込んでいた。
来島さんはまた修吾の背中をさすった。
「ねぇ、修吾。私の演奏、最前列で見守っててくれる?」
「…ああ」
「約束ね」
来島さんは小指を差し出す。修吾は空いた片手で指切りをした。
「ヒュー」
「藤田くん!」
来島さんがキッと睨んだ。うおっ、怖ぇ〜。
続く




