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第16章『きっと大丈夫だよ』

もうアイスボーン辞めて3年半ですが、アルバトリオンは未だにエスカトンジャッジメントの回避が難しいです笑


ソロで挑んでも、マルチで双剣で挑んでも、やっぱりあれは無理ですorz

倒せる人ホント羨ましい!!笑


つーかミラボレアスやりたかった…。


そんな今回は、珍しく涼介が修吾と狩りに行く話です。

狩りの最中、修吾はある思いを涼介に吐露します。

その思いとは…?


何やら波乱の予感がする2学期編突入の第16話をどうぞ!

長いようで短い夏休みが終わり、オレ達は2学期を迎えた。


1か月半ぶりの制服に身を包み、スニーカーを履いたオレは、残暑厳しい玄関の外に身を投じた。


「涼くんおはよ〜…」

「はよ〜」


昼夜逆転生活が抜けきらないオレ達2人は、昨晩遅くまで狩りゲーをしていた。


「だらしないぞ2人とも」


朝からビシッと言うのは、規則正しい生活で寝覚めのいい修吾だった。


「ゲームするなとは言わないが、徹夜だけどうにかならないのか?」

「廃人ゲーマーの使命だから無理」

「やかましいわ」


毅然とした態度で修吾はつっこんだ。


「頼むから始業式の間は寝るなよ?」

「寝たら起こして」

「無茶言うな」


という茶番を繰り広げつつ、オレ達は駅へ向かった。




「おはよ〜みんな」

「菜月…君もか」


半目開きでフラフラ気味の来島さんを見て、修吾は頭を抱えた。


「だって昨日、大型アプデあったんだもん…新しいクエも来てみんなやってるから、やらなきゃいけない気がして…」

「俺の周りは徹夜好きのゲーマーしかいないのか?」

「修吾、オメーが真面目すぎるだけ」

「この腑抜け共が…」


ボソッと修吾がボヤいた。


「来島さんは素材集まりました?」


聞かないふりをして、オレは来島さんに訊いた。


「まだ足りないかな。今夜もうちょっとやろうかと」

「あたしも足りてないから、一緒に行っていい?」

「じゃあオレも加わっていいスか?」

「いいわよ。じゃあ今夜もひと狩り行きましょ」

「〜〜〜〜〜っ!!」


置いてけぼりが歯痒くなったのか、修吾がワナワナ震えた。


「分かった分かった!俺も帰ったらアプデ済ませるから、今夜混ぜてくれ!」

「「「ソロで頑張って」」」

「なんでだよ!!」


朝のプラットホームに、修吾の悲痛な叫びが響いた。




夕方。


「なーにやってんだよ、また3乙しやがって」

『あんな強力なヤツだとは思わなかった…』


久々にオレは、長いアップデートを済ませた修吾とペアで狩りに出た。


静香は来島さんとペアを組み、別の狩りに出ていた。


『もう一度いいか?』

「へいへい」


そう言いつつも、オレは新モンスターのクエストを受注する。

修吾はすぐさま加わった。


「なあ、修吾」

『なんだ?』

「来島さんとはどうよ、最近」

『仲良くさせてもらってるよ。ただ…』

「ただ?なんだよ」

『菜月の接し方が、普段の涼介達に比べて明らかに違うというか…距離感が近過ぎるというか…』

「マジか。例えば?」


来島さんの実情を知ってはいるものの、オレは俄然興味が湧いた。


『並んで歩く時、頻繁に手を繋ぎたがったり、スイーツを味見し合ったり…というのが最近増えてきた気がして…』

「お、おぅ…」


思った以上に来島さんの行動が大胆だった。

やるなぁ、あの人…。


「何だよ、不満なのか?」

『不満じゃないよ。ただ異性の友達というのは、これが普通なのかと思ってな』

「さーァ…どーだろなぁ…」


オレは静香と付き合う前を思い返してみたが、さすがに手を繋いだり食べ合いっこをした記憶は出てこなかった。


「それは2人の時だけ?それとも、オレ達がいる時も?」

『涼介達の前では割とサバサバしているのだが、2人きりになると態度がガラリと変わるんだ。何というか…甘えてくる感じなんだろうか…』

「ほほーぅ?」


オレはニヤニヤが抑えきれなかった。

フィールドにてモンスターと対峙するなり、オレは頭に飛び乗って一発お見舞いした。

モンスターはやられた反動で岩壁に頭をぶつけ、倒れた。


「ちょっと見てみてーな、そんな来島さん」

『やめろやめろ。ていうか、お前はもう見ただろ!夏祭りの日に!』

「あー。そーいや悪ノリした記憶あるわ」

『涼介ぇ…』

「わーりぃわりぃ。でも、満更でもなかっただろ?」

『ぐっ…!ま、まぁたしかに、恥ずかしかったけども』

「それ見ろ。…っておい何してんだ」


頭めがけて双剣の乱舞を叩き込む。

そこへ、修吾がガンランスの強力な砲撃をぶち込んできた。

巻き添えを食らったオレは、モロに吹っ飛んだ。


「好きなんじゃねーの?修吾の事」

『いや、それはまだ分からないだろ。ただ…』

「?何だよ。…あっ」


思わず手が止まる。

その隙に、モンスターの攻撃が当たってしまった。


『俺はもう意識し始めてるよ、来島さんの事』


修吾はそう言うと、立ち上がったモンスターの懐に入り込み、上段突きを繰り出した。


「ちょっ、待てよ。お前まさか…」


























『ああ。来島さんの事、好きなのかもしれない』


























「マジかよ!!」


オレは心が踊った。

同時に、段差からの空中乱舞が、モンスターの尾先から胴体にかけて炸裂した。


来島さん、アンタの想いがついに修吾に届いたかもしんねーぞ!!


『随分と嬉しそうだな。俺の事なのに』

「だってよォ!今までオレに変に気ィ遣ってよ、自分の恋愛を避けてきた修吾が、やっと恋に目覚めたんだぜ!?」

『そんなに興奮するなよ、気が早いぞ?まぁ…ありがとな』


修吾が紙一重で突進攻撃を躱す。そしてすかさず砲撃を与えると、モンスターは怯んだ。


『俺、知らなかった。人を好きになる事がこんなに簡単で、切なかったなんてな』

「オレは何度もそういう思いをしてきたよ」

『ああ。でも、お前はすごいな。何度その思いを砕かれても、泣いて吹っ切れて、また新しい恋をして…そして今や、滝さんという彼女ができた。羨ましいよ』

「いや、たまたまだよ。静香と出会わなきゃ、今のオレはねぇし」

『そうか…』


オレめがけて、モンスターのブレス攻撃が襲いかかる。すると修吾が躍り出て、盾で防いだ。


『ありがとな、あの時菜月と会わせてくれて』

「それもたまたまだよ。オレ1人だったら逃げられてた。静香がいたから、修吾と再会できたんだ」

『滝さんが?』

「オレを見るなり逃げちゃうから、静香に頼んでとっ捕まえてもらった。オレの体力じゃ、来島さんに追いつかねーし」

『お前…それは強引過ぎるだろ』


修吾の声は呆れつつも、おかしそうだった。


「卒業式の日に、来島さんの気持ちも考えず告った事、謝りたかったんだ。ホントはオレ、来島さんの気持ちに気づいてたのに」

『どういう意味だ?』

「それは言わねぇ。本人の口から聞いた方がいい」

『そうか…』


怒り状態となったモンスターが、一撃必殺の大技を発動する。

オレと修吾は、同時に回復の準備に入った。


『お前と滝さんには感謝してるよ。2人のお陰で、こうして菜月と今の関係を築けたし、俺も恋を知ることができた。本当に、ありがとな』

「おう。後はさっさと告りな」

「そうだな…早いとこ覚悟決めないと」


強力な一撃がモンスターを中心に炸裂し、スリップダメージでオレ達の体力をゴリゴリ削っていく。

しかし、とっさに回復アイテムを使用した為、体力がゼロになることはなかった。


『よし、これで一気に片をつけるぞ』

「あとよろしくな」

『待て涼介!頼むから最後まで付き合ってくれ!』


修吾が必死に哀願した。


こうして、8割がたオレの奮闘により新モンスターのクエストはようやく成功に至った。




「お前なら大丈夫さ、修吾。たとえ頑固でも、ゲームがヘタクソでも、甘党でも、来島さんはそんなお前をきっと受け入れてくれるよ」


続く

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