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第13章『オレとキミの初めてを』

夏休みって、どうしても昼夜逆転しがちですよね笑


ゲームがあれば、心ゆくまでやり続けた結果、眠くなる頃には朝を迎えてたり。


好きな動画を見続けた結果、やっぱ朝迎えてたり。


長期休みって、翌日に予定が無ければどうしても徹夜してまで楽しいことをしたくなりますよね。


まぁ涼介は、翌日が学校だろうと徹ゲーは日常茶飯事の廃人ゲーマーですが笑


そんな人肌恋しくなった涼介の、夜中のストーリーです。

「よっ、と」


深夜2時。

オレは自室にて、いつものようにオンライン狩猟をしていた。


ルーキーの枠にお邪魔しては、どちらかが寝落ちするまで主要クエストを周回していく。

最近はそんな感じだった。


「おっ、来た来た」


静香がログインして来た。

ボイスチャットのリクエストも来た。

ちなみに枠主には聞こえない設定にしている。


「おーす」

『来たよー』


いつもの声のトーンだ。


『クエ手伝い中?』

「おー」

『参加していい?』

「いんじゃね?その分早く終わるし」


静香が『クエ同行してもいいですか?』とチャットを送る。

ルーキーハンターは『いいですよ!』と返してきた。


「さーて、ここからはちょっとふざけるか」

『いや片手剣って。てか重ね着裸じゃん』


静香の笑う声が聞こえた。

オレも声を抑えて笑った。




『ねぇ涼くん』

「んー?」


ものの5分足らずでクリア後、静香が訊いてきた。


『こないだはごめんね。あたしのせいで…』

「気にすんなよ。静香は悪くない。それにオレは大したケガじゃねーし」

『そうだけど…でもあたしに関わったせいで、涼くんが傷ついたのが、ホント辛くて…』

「なあ静香」


オレはコントローラーを置いた。


「オレは静香と付き合えた事を後悔してないよ。入学式の日にあの教室で出会ってから、オレは静香にベタ惚れしてたんだ。そんな君を守るのはオレの役目。それを果たそうとしただけだよ」

『でも…』

「オレは確かに東にボコられたけど、結局アイツらを検挙する時間稼ぎにはなったんだ。そんで静香は助かった。いいじゃねーか、それで」


オレは再びコントローラーを手に取り、報酬素材を全て売却した。


「なあ静香」

『何?』

「良かったら、今からオレん家来て」


静香は少し間を置くと、


『…分かった』


と言った。




15分後、静香はオレの部屋に入ってきた。


「…甘えていい?」

「…うん」


静香はベッドに腰を下ろした。

オレは静香の膝元に頭を乗せた。


「オレさ、ホントは怖かったんだ…アイツらの事だから…オレをボコすのは目に見えてたんだ。

でもオレは静香を守りたかった…大好きな静香を守りたくて…静香に同じ思いをさせたくなくて…オレはあの時立ち向かおうとしたんだ…結局ボコられたけど。

カッコつけすぎたかな、オレ…弱っちいくせに、静香が見てるからって…」


本心をぽつぽつと告げていくうちに、涙が流れた。


あの日の晩にも押し寄せた悔しさが、申し訳なさが、どうしても抑えられなかった。


「そんな事ないよ」


静香はオレの頭を撫でた。


「兄貴がね、あたしに言ってくれたの。『惚れた女の為に立ち向かう勇気ある男はなかなかいねーぞ。いい彼氏を持ったな』って。

あたし、それを聞いてすっごく嬉しかった。自分がここまで大事にされてる、って思えて、胸が温かくなった。

守ってくれてありがとね、涼くん。あの時の涼くん、とてもカッコよかったよ。ホントにありがとね」


静香は慈しむように微笑んだ。


「静香」

「なあに?」

「ハグ…していい?」

「うん」


オレは身を起こすと、静香の腰に両手を回した。

温かくて甘酸っぱい、けどふんわりしたいい香りがした。


「ケガはもう平気なの?」

「平気。これが一番の特効薬だから」

「涼くんったら。いいよ、好きなだけハグしよ」


静香はオレに抱かれたまま、ゆっくり仰向けに倒れ込んだ。




「静香…ホントにいいの?」


「うん」


「オレなんかでいいの?」


「涼くんがいいの。涼くんなら、あたしの初めて、あげてもいい」


「じゃあ…いくよ、静香」


「うん…来て」




そして、オレと静香はひとつになった。


オレは静香が痛みに苦しむ表情に耐えきれず、泣き続けながら最後までした。


静香は涙を浮かべつつも、最後まで笑っていた。


終わった後、2人で抱き締め合った。


互いに離れたくないかのように。


互いに求め合うかのように。




続く

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