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第108話【 忌み嫌う精霊達 】


 <ゴゴォウゥゴゴォ━━━━━━━━━>


 魔力に覆われた漂う大陸に……、世界樹の草原近くに大小の岩が転がる荒地がある……。


そこに濃い霊力が集まり、魔力の大気とぶつかり擦れる音が響き渡っていた。


世界樹のドラを含め、力のある精霊達が集まり……、其々が霊力を放っているのだ。


その中心には…、上半身裸のアルガロスの姿がある。

悪魔の……、古の刻印の動向を確認する為だ。


これから始まるのは……、悪魔を呑み込む方法を手探りで(• • • •)探す作業。

何故なら、アルガロスの魔力がマヴロス・オーブを呑み込めるか……が、ほぼ皆無である事が明白になってきたからだ。


アルガロスの魔力を上げる為、ここ漂う大陸で闘ってきた過程で、一度、マヴロス・オーブは少し大きくなり複雑な形を形どったが、それが徐々に小さくなり、それに反してアルガロスの身体の古の刻印が濃く多くなってきている。


その状態を、世界樹のドラが一刻を争う由々しき事態だと認識したのだ。


世界樹のドラは、険しい表情で両手をアルガロスにかざしている。

下界の世界樹シルが行なった解読方法と同じ作業に入っているのだ。


その輝く手から放たれる霊力の波から古の文字がとびだして、アルガロスの回りで渦を巻いている。古の刻印の読み取り、解読、解呪を試みていた。


世界樹ドラの口からこぼれ出る音が、アルガロスを包んでいく。


     【 塊状の広義、狭義 】


       【 摘みあげ 】


        【 摘出 】


        【 ……… 】


       【 定義、分析 】


        【 解読 】


        【 判読 】


       【 洗浄、浄化 】


     【 ………………………………… 】





【 チッ…… 】


小さく口を鳴らし、顔を歪めるドラ。


「どうだ? ドラ…」


不安で心配なエルは、ドラに声を掛けるが……。

その声に、ドラはゆっくり目をつむりながら首を振った。


【 ……シル同様……、悪魔特有の魔法式が邪魔をして解読不可能だ…… 】


【不偏の等質……。同一化が更に進んでいる…… 】


世界樹ドラの言葉を聞いた精霊達がざわつき出し、<じりり>とアルガロスに近付いていく。


その表情は……、忌み嫌う悪しき……醜い物を見るかの様な険しい表情をしていて、手には力が入り……、強い霊力で<バチバチ>と光が弾けていた。


漂う大陸へ来てから1ヶ月。

その間ずっと彼等精霊達と一緒に闘ってきた。

魔力を上げる為に師事をあおいだり、共に笑い話をしたり……。


その彼等が…アルガロスへ敵意を見せ……、


戦闘態勢に入っている……………。


目を見開き精霊達に危険を感じたエルは、素早くアルガロスの前に立ち、自身の魔力を解放する。


<ドフォッッッッッ>


霊力で満たされた空間に、突然エルの強大な魔力が放たれたので、摩擦で無数の稲妻が発生する。

精霊達の身体が<ビリビリ>と強く波打つ。


「これからだよ。これからなんだよ!! 今から色々試して……必ず悪魔に打ち勝つ策を見つけるから!!」


抜け出せない逆境へと引きずり込まれぬ様、エルは緊張と焦りを抑えながら緊迫した現状を何とか回避しようと精霊達に必死に訴えかける。


……しかし精霊達は、更に霊力を上げていく。

彼等は……、悪魔と言う古の生き物が、遥か昔世界を破滅近くまで追いやった元凶の生き物だと刷り込まれているからだ。


その時、


<ゴウオオオ━━━━━━━━━>


突然……、エルの近くで今までに無い……身震いする様な強烈な霊力の炎が上がった。



エルが見上げる先には………、破壊的な霊力の持ち主……、炎の巨人スルトの姿が……。


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