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勇者の後始末  作者: ルケア
4章

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30話

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「現地についてはこれで良いでしょう。あのような穴が沢山出来ていると認識していただければ、後は同じような光景ですからな。徐々に埋め戻して、均してそれの繰り返しでございます」


「なる程。解りました。他に見るべきものはありませんね。河川堤防についても確認はさせて貰いましたし、今復旧中の工事についても確認させていただきました」


「残るのは、何処に何割の費用を持ってもらえるのかという事ですな。まあ今回の場合はそこまで難しい事ではありますまい。魔王災ですからな。魔王災では5割が国費と相場が決まっております」


「そうですね。魔王災は5割の国費負担を基礎として考えています。今回もそのような割り当てで大丈夫でしょう。一律5割で負担をしましょう」


 話が早くて助かる。5割負担を渋られるとこちらとしては粘らないといけない所だったからな。向こうが5割負担を想定してくれているのだから、こちらとしてもやりやすい。


 本来であれば、河川堤防の復旧は5割。その他のクレーターの処理は3割などと言われる可能性もあったのだが、一律5割負担をしてくれるというのだから、文句はない。


 さらに整地などの費用も見て貰えるとあっては、まるで心が踊るようだ。普通の査定官ではこうはならない。整地の費用は辺境伯で見るというのが基本だと言われかねない。


 その点は知らなかった振りをしながら、国費を使わせてもらう事にする。均す作業も国費に含まれると言質は取った。整地も均す作業だ。勿論それも国費だろう?


 工事の設計書を書き直さないといけないな。費用の負担割合が変わってきたのだから当然の事ではあるんだが、面倒な仕事が1つ出来上がった。国費が入る分やりがいはあるがね。


 しかし、本当に素人の官僚が出てきたんだな。もう少し、言葉の裏を取らなければやり込められるぞ。素直なことはこちらとしてはやりやすいが、これで良いのだろうか。


 ……そうだな。ここまで来たら、ダメ元で過剰な要求もしてみるか。基本的な工事については5割を貰っている。堤防工事も、穴の処理も、周辺の整地も国費を貰えたのだ。ならば追加で要求してみるのも1つ。向こうの勉強にもなるだろうからな。


「一律5割という事ですが、河川の浚渫の工事についても5割の負担を貰えるという認識でよろしいですな? この辺り一帯の河川の浚渫ですが、例年よりも遅れております。魔王災で遅れた分を取り戻すにはそれなりの費用と手間がかかります。こちらの負担も5割でよろしいですな?」


「えっと、ちょっと待ってください。河川の浚渫が遅れているのですか? それも魔王災の影響と見てもよろしいんですか?」


「これも立派な魔王災の影響です。本来であれば、この辺りの浚渫も終わっていないといけない時期になっております。しかしながら、魔王が押し寄せてきたことにより、土砂の堆積も著しいことになっておりますれば。こちらの浚渫も5割負担で行いたく思います」


「魔王による影響であれば、魔王災で処理できる……かと思います。解りました。浚渫についても国費の負担を許します。ただ、負担の割合についてはちょっと待ってください。考えますので」


 魔王災は普通は現況復旧が基本。その中に浚渫は含まれない。当然だが、過剰な要求をしているのはこちら側だ。普通は浚渫の費用など、魔王災では出ない。


 だが、この査定官は出すといった。大儲けだな。普通は現況復旧が基本なのだ。浚渫などはあり得ない話なのだが、何故か要求が通ってしまった。本当にこの査定官は素人なのだな。


 早く来たからといって、手加減するわけでは無いのだ。貰えるのであれば、何処まででも貰うのが当然だろう? くれるというのだから貰うに決まっている。


 何度も言うが、基本的には現況復旧が主だ。浚渫なんぞは解らんだろう? 現況が何処までだったのか、判断が付かないだろう? そういうものは普通であれば国費は出ないのだ。


 何せ証拠が無いのだから。ここまでの川底でしたという証拠が全くなのだよ。それ故に浚渫を魔王災で見るというのは普通は無い。私の感覚で言うと在り得ないというのが本当の所だ。


 見てくれるというのだから見て貰おう。例え5割ではなくとも、1割出るだけでもお得なのだ。交渉は出来るのであれば、やっておくべきだろうな。さて、何割貰えるのか。


「そうですね。決めました。2割を負担致しましょう。2割と致しましたのは直接的な魔王災とは離れているからですね。間接的なものですから、2割負担と致しましょう」


「いえいえ。魔王がやってきたという事で起こり得た災害ですので。此処は4割負担でなんとかお願いいたします。こちらとしても急ぎ工事をしなければならないのです。是非とも国費の方も大きく負担してくれると大変ありがたいのですが」


「そうは言ってもですね。浚渫も急ぎなのは解りますが、魔王が直接土砂を持ってきている訳では無いでしょう? ですから頑張っても2割が限界だと思います」


「そこをなんとかお願いします。春まで時間が無いのです。早急に取り掛からないといけない工事なんです。水が増えてくるこれからの時期では出来ない事なのです。何卒、3割負担をよろしくお願いいたします。ここまで見ていただければ、それは工事も捗るでしょう」


 工事は捗るだろうな。人員を増やして浚渫をすれば良いんだからな。春までにはなんとか間に合うだろうとは思ってる。国費が入らなくても、辺境伯家で出さないといけない所だったんだから。


 国費が入るのであれば言うことは無い。普通は入らないからな。なんとか割合が上げられないか交渉はしているが、正直な話、2割出ているだけでも驚きなのだ。


「……仕方がありません。時期的にも早い方が良いでしょうからね。3割負担までは面倒を見ることにしましょう。ですが、氾濫を起こさせないように。下流域への被害が出ますからね」


「それは重々承知しております。下流への被害は最小限に止めるように努力いたします」


 何でか知らないが、浚渫にも国費が入ることになった。これは大きい。これである程度は費用の軽減が出来る。書記官も居ることではあるからな。後で議事録でこれは無かったことにとは出来ない。


 今回の査定は大勝利で終われただろう。私も工事の費用の見直しをしなければならないが、国費が入るんだから、盛大にやってやろうと思っている。それはもう、盛大にな。

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