26話
OFUSE始めました。
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此処は河川沿い。平時であれば、冬の寒い中、河川の浚渫を行っている。何故寒い中、水に入って仕事をしているのかと言うと、冬が一番水位が下がるからなのだ。
春から夏に掛けては、水が大量に流れており、秋になると、豪雨で土砂が流れてくる。その土砂を取り除く作業が浚渫だ。当然ながら水の少ない時期を見計らって行うものなんだ。
それに冬場は農民が農作業を休んでいる。人手が沢山あるという事でもあるんだ。浚渫はかなりの人の手を使う事になる。だからこの冬場が丁度良いわけだ。
浚渫をしないという選択肢はない。浚渫をしないと、夏場に河川が洪水を起こすからだ。夏場の水量は河川の限界を攻めてくる。
当然ながら堤防もしっかりと作っているが、それ以上に河川流量が増えることになる。水面が地面よりも高くなるのはいつもの事。それを食い止めるのが堤防だからな。
堤防の工事は抜かってはいけない。毎年、洪水被害を防ぐために、魔物の領域にも堤防を作りに言っている。そちらから水が流れ込んできても困るからだな。
治水はまず一番初めに行う事なのだよ。治水がなってないと、農作物も碌にできない。洪水は富んだ土を運んできてくれるという側面もあるが、無いに超したことは無いのだ。
それは当然ながらアンカリアス辺境伯領でも同じことだ。毎年、河川の管理にお金を費やしている。洪水被害を起こされても堪ったものではないからな。
もし、飲み水に困っているのであれば、危険を冒してでも、ダムを作らなければならなかっただろう。流量の多い河川にダムを作るのは大変危険な行為だ。人為的に水を堰き止める訳だからな。
幸いにして、ベッキンセイル王国は地下水の豊富な土地であった。井戸も数メートルも掘れば、水が出てくるという土地柄である。飲み水に関しては問題ない。
ダムを作るまでも無いという事は良いことではある。ダムを作らなければならない土地柄と言うのは大変なのだ。特に水不足は人口の増加にも影響が出てくる。それは非常にまずい。
人口は増加した方が良い。それは当然の事なのだ。人口が増加すれば、勇者が出てくる確率も上がるというもの。人口の増加は国家の政策である。人口は増やせと言うのが国の方針だ。人口が増えれば増えるほどに魔物の領域も切り取ることができる。
話は脱線したが、要するに、治水は大事だという事なんだ。河川から領土を守ることは当然大事な事である。水の被害は恐ろしいものだ。数多の病原になるからな。
ところで、河川は魔物の領域から流れてきている。魔物も河川を利用しているだろう。それが下流の海までずっと続いている。これがどういうことかお判りいただけるだろうか。
魔物の直通ルートがあるという事だ。それは大変危険な事なのだが、これを防ぐ手立ては無い。水道を塞いでも、何処かから溢れ、また水道が出来るだけだからだ。
そして、こう言う事も起きる。魔王が率いた魔物の軍勢が、河川を伝ってどんどんと下流へ向かっていくことがある。特に水の少ない冬場にはよくあることだ。
今回もまた、その例に漏れず、魔物が下ってきている。勿論上流側で監視をしており、下流に進むのを止めるべく、勇者が派遣されている。
「今年もあったな! 水辺は俺の領域だ! 唸れ雷よ! グラウンドサンダー!」
雷鳴の勇者が活き活きとしている。不純物の多く含まれている水は電気をよく通す。周囲一帯を感電地帯に変える魔法は確かに強力だろう。味方に当たらないというのが素晴らしい利点だ。
「水の中だからって植物が無いとは思わない事ね! グロウプラント!」
「魔物のこれ以上の侵入を防ぐぞ! アースピラーズ!」
新緑の勇者が水草を使い、魔物を拘束する。水辺の草を甘く見てはいけない。長さも強度も強いものが多い。足を捉えるのには有効な魔法だ。そこを大地の勇者が蓋をする。
「集団には広範囲魔法よね! いっけー! メテオレイン!」
「集団に範囲魔法。真理だな。エクスプロージョン!」
広範囲魔法が炸裂する。潰され、吹き飛ばされた魔物は息絶え絶えである。確実に削っていく。これが勇者の戦い方だ。そして、一気に魔王に詰め寄る。
「リザードマンはウザい! タフで嫌になるぜ! サンダーボルケーション!」
前へ前へ。着実に魔王へと近づいて行く。魔王さえ倒してしまえば、弱体化した魔物の群れとなる。まずは魔王を倒すことが常道。それを行っている最中である。
「見えた! 噛みちぎれ! アースファング!」
「今こそ好機! 吹き飛べ! ハイパーバースト!」
「一気に決めるよ! 狙いを付ける! 一点集中! メテオストライク!」
『ガアアアアアアアアアアアア』
強力な魔法を魔王種に叩き付ける。リザードマンは水辺や沼地を得意とする魔物ではあるが、実は温度変化に弱く、この時期は弱体化しているのだ。
弱体化をしているところに、他の魔物から襲われ、こうして人間の領域に入ってくることがままある。だが、リザードマンはかなりタフで有名な魔物。この程度では落ちはしない。
「やっぱ首を取らないと駄目だな! 一気に決めるぜ! エンチャントサンダー! うおおおお! 止めだああああ!」
『ガアアアアアア――――――』
弱っていようともリザードマンだ。首を落とすまで油断はならない。特に魔王種は生きてさえ居れば、魔物を強化してしまう。確実に止めを差さないといけない。
魔王種さえ取ってしまえば、こちらのもの。後は如何にタフなリザードマンとて勇者の魔法にかかれば、あっという間に殲滅される。
こうして、魔王災は無事に人的被害無く片付けられたのであった。リザードマンは時機を間違えるとかなりの難敵なのだが、冬場のリザードマンはそれ程でもない。勇者側の勝利で終わった。




