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勇者の後始末  作者: ルケア
2章
18/44

17話

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「ユースタニス様、あれで本当によろしかったんですか?」


「ああ、大丈夫だ。ずっと控えさせていて悪かったな」


「いえ、それは良いんですが、ロバート様の実績を売ってしまって良かったんですか?」


「ん? ああそっちか。それならば問題はない。父と代わるまでにもう一度実績を作りにいけばいい。金は王宮から出ることになったんだからな」


 全部の費用の8割が出ると言う事は、もう1戦可能だと言う事だ。それくらいの大金が返って来る。金板にして、何万枚か返ってくる話だからな。


 1年半の計画をもう一度行うには十分の金が入って来ている。それくらいには儲かったと思っている。流石にあれ以上で売るのは可哀そうな所があるが、今後、辺境伯家に流れる金を考えたら王宮も頭が痛いことだろう。それだけの金額を要求したからな。


 実績だけでな。実績のみを売ると書いてある。実利は全て辺境伯家のものだ。鉱山資源も何もかもが辺境伯家の管理下のものとなった。これに王家がお墨付きを与えたんだから仕方が無いだろう。


 そう言う契約だからな。実績は売った。全部の費用、魔王攻略費用と町の作成費用、鉱山の開発費用と全部盛りで8割出して貰えるんだからな。今後何千年もな。


 その内、辺境伯家の管理で無くなるだろうが、その時は契約を打ち切ることになっている。そう明記してあるからな。テリシニアが辺境伯領である限りはかかった費用の8割が帰って来るのだよ。


 テリシニアから鉱山町が幾つ派生させられるのかは解らない所ではあるんだが、費用の8割が返って来るのは非常に美味しい。これもまた長兄の実績になるだろう。


 まあうまく立ち回った方だと思っている。とりあえずはこれで何とかなるとは思う。この後に会いに来られても、既に実績は売ったと言えばいいだけだからな。


 口止め料は入っていない。だから、事実をそのまま言っても問題は無いんだよ。王宮が頭を抱える理由にそれもある。実績を買ったことが公然の事実だと言う事だからな。


 そんな事を言っても、罰則規定を入れなかった方が悪いのだよ。口止め料を払い、且つ口止めの条文を入れなければならなかったのだ。わざといれていないんだがね。


 さて、これで長兄がもう一度、魔物の領域を切り取りにいけるだけの準備は整ったわけだ。後は実行あるのみなんだがね。それにしても、王都での3か月は長いだろうな。


 ……いっその事、この契約書の写しを長兄と父に送ってしまうか。いや、それも良いが、一応は控えを作っておくか。控えを送るだけでいいか。そうするか。


「なあ、もう一仕事頼まれてくれないか?」


「良いですが、何をすればよろしいんで?」


「王都まで早馬をね。父と長兄にこれの写しを届けて欲しいんだよ。向こうでも有効に使ってくれるだろうからな。手札は多い方が良い」


「解りました」


 後は第二王子か第三王子を取り込めれば、もっと面白いことになるだろうとは思うが、それをするのかどうかは父次第な所がある。何処までやるのかは解らんね。


 徹底的にやると言うのでもそれはそれで面白そうではあるんだが、どう出るか。その辺は父の腹黒さを見せつけてやるがいいと思う訳だが。


 辺境伯家には利益が出る話ではある。金のなる木は何本あっても良いからな。特に王宮から吸い上げる分には問題はない。自分たちの腹が痛まなければ、問題はない。


 国の金が滞っていてはいけないのだよ。なるべく地方に回し、地方が発展していかないと、国としては亡びの道を辿るからな。地方が元気が無ければ、魔物の領域を減らしていけないからな。


 今後もどんどんと地方に金を流し込んでくれて構わんのだぞ。中央に置いておくにしても問題はあるからな。なるべく使えと言う話だ。貯め込んでいてもしょうがない話なんだよ。


 国の金は使うためにあるんだからな。有効に使ってあげないといけない。色々と使い道はあるのだよ。勿論私腹を肥やすためには使わないが。


 まあ多少、魔物退治のための軍に金を割いてはいるとは思うのだが、官僚機構は癒着の温床だからな。基本的には無駄金などないと言ってはいるが、削ろうと思えば削れるのだよ。


 地方にいけば行くほど、余裕が無くなり、癒着が出来なくなっていくが、地方でも癒着はどうしても出来てしまう。官僚機構というものはそういうものなのだよ。


 だからこそ、貴族が律して使わねばならない。時には大胆に人事を行う事も致し方無し。どれだけ高潔に作ったとしても、端からどんどんと腐っていくからな。


 それを一掃できれば良いんだがね。そんな事は誰にも出来ないんだよ。そう言う仕組みなのだよ。だからこそ、貴族は何を言われようとも、独立していると言う気概が必要なんだがね。貴族が癒着に染まってしまってはいけないのだよ。


 まあ官僚の大半が貴族な訳なんだが、組織に馴染むとそう言う事も忘れてしまうんだよな。これは公務員でも同じだ。組織である以上、腐りはする。


 新陳代謝が出来るかどうかなんだよ。腐る速度が余りにも早すぎればどうにもならないんだが、そう言った腐った部分はなるべく隔離していかなければならない。


 誰もが腐る可能性はある。だが、腐ってしまえば、元に戻ることは無い。不正をすれば、また不正をしてしまう。そう言う悪循環を辿るのだよ。


 官僚機構は良い面もあれば、悪い面もある。全てを腐らせる程に悪い者がいれば、切らねばならない。それが簡単に出来れば苦労はしないと言う事なんだがね。


 大体は実家に力があるだとか、裏に貴族が居るだとか。そんな奴ほど腐っていくんだがね。実力主義ではいられないんだよ。官僚機構は。


 権力を使うのであれば、高潔であれ。そう思うのだがね。そうならない者も一定数居るのは確かだ。まあそれでも、我が辺境伯家はまともな部類だとは思うがね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 契約がガバガバ過ぎて笑うしかない。 お金で買ったことを公言される実績とはいったい…。有名無実ですらない。
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