13話
OFUSE始めました。
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さて、何の対策も練れないまま、今日を迎えてしまったのだが、さてどう出るのか。全くわからん所ではあるのだが、要求されると言う事は大体予想が付く。
要求以外にすることがあるのかと言いたいところではあるんだが、それでも要求は筋違いの事だからな。何をどのように要求をされるのかが解らない。
王宮からの援助が全くない状態で、その成果を渡せと言われても困るからな。何を考えて王宮の役人がやってくるのか知りたいところだ。
今日知れるのだが、前もって知っておきたい内容ではある。想定問答が作れないからな。各所の根回し等も行えない。どうしろと言うんだ。何が正解なのかも解らんからな。
父や兄がいてくれたら変わってくれるのだろうが、現在は王都へ向かって絶賛移動中である。私が王都に行く訳にもいかないからな。まあ適材適所ではあるのだが。
だがもう少しだけでも連絡を密にしてくれれば良いものを。今日の午前中に到着すると言う事以外は何も聞いていない。午前中に来ると言うのだから、昨日は隣の町に泊ったのだろう。
場所は本当に簡易的な場所になる。天幕を張っただけの場所だ。兵士たちや大工たちもまずは外壁の完成を急がせている。それなのに会議場を作れとは言えんだろう。
外側からは見えない様にするだけで、声も何もかもが筒抜けの状態だ。秘密の会議ともいかない。半分以上は、ここで話した内容は公の物とあるだろう。
全く、胃が痛い。どうしてこんな交渉事をしなければならないと言うのか。まあ仕方がないことではあるのだがね。内務次長という立場だ。どうしても私が出席しなければならないのだよ。
内務部長たる長兄が出張中であり、辺境伯である父も出張中。軍務部長である次兄はいるが、話の内容は内務の事であるために、必然的に内務次長である私に声がかかってしまう。
内容によっては全つっぱの可能性が高い。交渉にならない可能性が高いんだよ。簡単に言うと、向こう側が成果の何かしらを寄こせと言ってきていることだからな。
成果を寄こすわけが無いじゃないか。辺境伯家の為の行軍であったのだから、辺境伯家で収めるのが道理だろう。一体何をやらされるのやらだ。全く見当が付かん。
まあ午前中と言われたのだから、午前中は町を見ることなく、天幕の前で待たなければならないのだろうな。非常に面倒くさい。こんな会議など無ければ良かったのに。
時刻は11時を回って、もう少しで15分になると言ったところか。漸くと向こうの使者の馬車がやってきた。揺れただろうな。まだまだ石畳にはしていないからな。仕方のないことだが。
舗装はまだだ。舗装も途中までは終わっているのだが、こちらの町まで全て舗装するには、後半年はかかるだろうな。その位の時間は必要である。幾ら兵や大工を動員したからと言って、簡単に終わるものでもない。簡単に終わってくれればどれ程楽な物か。
別に私は領都で会議をしても良かったのだよ。と言うか、わざわざこの町に来て行わなければならない会議なのかが疑問でしか無いのだがね。場所は何処でもいいのでは無いか?
まあ向こうがこちらを選択してきたのだから仕方が無いんだが。わざわざ何も無い所までご苦労な事だとは思うのだがね。時間の無駄でしか無いとは思うのだがな。
降りてきた面々を見るに、官僚と書記官が2人と言う構成だな。3人か。どのクラスの官僚が来たのかに寄るのだが、これは碌な物では無さそうだと判断することができる。
大きな会議になると、そもそも馬車が1台で来るわけもなく。高級官僚とその取り巻きである官僚たち。さらには書記官が数人と3台から5台の馬車で来るものなのだよ。
それが、馬車1台。碌な事にならない気がする。面倒な会議になりそうな気がするな。長い会議は嫌いだ。なるべく端的に単純に物事を判断できる会議が良いのだがね。
そういう訳にはいかないのだろうな。向こうが何を考えているのか知らんが、高級官僚が1人でやってくることなどまず無いからな。使いっパシリの官僚が来ているのだろう。
碌に何も決まらん可能性があるのだが、大丈夫だろうか。大丈夫であれば良いのだがな。まあまずは挨拶からだな。それでとりあえずは様子を見ることになるだろうな。
「遠い所からようこそお越しくださいました。内務を担当しております、ユースタニス=アンカリアスでございます。今日はよろしくお願いします」
「ああ、よろしく頼むよ。私も長旅で疲れてはいるが、重要な会議だ。早速始めようでは無いか。会場に案内してくれ」
「かしこまりました。こちらでございます」
……名乗りは無しと。高級官僚であれば、ここで名乗らない訳がない。こちらが名乗ったのだからな。それに返礼するのは当たり前の事だ。これはかなりきな臭い話になりそうだ。
会場となる天幕まで案内する。屋根があるだけマシと思ってもらわないと困るんだがね。何か不満げな顔をしているんだが、知ったことではないな。場所を指定したのはそちらの方だからな。
既に建物が建っていると思っていたのだろうな。甘すぎる。辺境ではまずは外壁から整備をしなければならないのだよ。安全地帯である王都付近と比べて貰っては困るんだがね。
さてと、とりあえずは席についてもらった。広々としているわけでは無いが、高級官僚が来ると踏んでいたために、若干広めに場所の設営をしてもらっていたのだ。
こんな下っ端には勿体ない設備だな。これで工事が半日程遅れているのだからこちらも不満があるのだがね。そんな事も解っていないのだろうな。