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勇者の後始末  作者: ルケア
2章
13/44

12話

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 問題があるとするのであれば、次の会議な訳なんだがね。何を言ってくるのかが心配でならない訳だ。幾ら全権委任されているとはいえ、辺境伯家に不利益があってはならない。


 お土産をくれるのであれば、喜んで貰うのだが、そう言う理由で来るわけでもあるまい。何を理由にしているのか解らんが、こちらに要求を飲めと言ってくるのだろうと推察できる。


 一体何処にそんな権限があると思っているのか知らないが、我が辺境伯家で成し遂げた成果を奪われるわけにはいかないのだよ。譲歩する余地が無いのだ。


 権利を寄こせと言うのは簡単だが、王国法に則っても、そんな事はあり得んのだよ。辺境伯家で成し遂げたことは、辺境伯家に帰する。それが当然の事ではある。


 強いて言うのであれば、同盟と言うか、同じ派閥の貴族に多少の分け前を寄こせと言われたら、本当に多少は出さないといけないだろうがな。勇者をこちらに派遣してもらっているわけだからな。勇者は各派閥の辺境伯領に集められる。だからこそ、我が領もこの人数を維持できているのだが。


 だが、今回活躍してもらった勇者は辺境伯領内で産まれた勇者のみで作戦を決行している。特に交換の勇者と剣聖の勇者には長く働いて貰った。それに報いる必要もある。


 まあ交換の勇者はまだこのテリシニアに残って貰っているのだが。本人曰く、まだいた方が良いらしい。他の勇者の方々にはお帰りを頂いたが、交換の勇者だけは残って貰っている。


 何かあった場合は頼もしいから有難いがな。何かあった場合は出て貰う。そう言う体制をとっているのだよ。現状、東の大山脈側には魔王がいないことは確認している。


 だが、北と西については解らんとしか言いようがない。同じように道を作りながらの作戦を行うにしても、勇者だけを特攻させるにしても、作戦というものが必要になってくるからな。


 そちらに関しては、完全に兄たちに任せている。私には軍略の才能が無かったのだ。そんな私が出張っていっても、何事も無く終わるだけだろう。


 であるからだ。作戦から行軍、その後の町づくりまでを我が辺境伯家で完結させている以上は、他の貴族たちも文句を言えないはずなのだがな。


 無論、派閥の者たちには多少なりとも恩恵を配ることはするが、今回の様に、王宮から何かを言われる筋合いは無い訳なんだ。何もしていないからな。


 本当に何もしていないのだよ。1鉄貨足りとも金銭は貰っていないし、1兵足りとも借り受けてもいない。何もしていない王宮に利益を与えてやるほど、私はお人好しではない。


 ああ、鉄貨というのは通貨だ。ベッキンセイル王国内で使われている通貨の一番安いのが鉄貨だ。そこから、鉄貨⇒鉄板⇒銅貨⇒銅板⇒銀貨⇒銀板⇒金貨⇒金板と価値が上がっていく。10進数でな。ついでに言うと単位はセイルだ。単位の方を使う事は珍しいが。


 大体1セイルイコール1円と換算してくれ。それで大丈夫だ。私の中でもその位となっている。まあ少しばかり、食べ物が安いのと、平均の収入が安いのが気にはなるが。


 大体、農民が1年間働いて得られるのは銀板1枚が限界だ。約10万円だな。冒険者は金貨2枚と言われている。約200万円だな。安すぎると感覚的には思ってしまう。


 だがまあ、1年間に1人の人間を食わせるのに必要な金額が大体銅板5枚だ。5000円となる。そこまで安いかと言われたら安いんだよな。教育にお金がかかっているわけでは無いからな。


 教育は教会で無償で行われる。簡単な計算と読み書きと神学を教わっている。歴史は授業内容には含まれていないし、生活魔法も授業内容には含まれていない。


 簡単に言えば、国語、算数、神学のみを教えていると思ってもらえればいい。それ以外の教育は自分たちで行わなければならない。生活魔法然りだ。


 生活魔法は便利だぞ。火を付ける魔法に水を生成する魔法、乾かす魔法に土を耕す魔法。色々とあるが、それを必要なものだけを教え込む。必要ないものを教えられるのは貴族と聖職者だけだ。


 貴族と聖職者だけは必要がなかろうと、様々な生活魔法を教えられる。失伝しないためにだな。私も使わないであろう魔法を沢山覚えたものだ。基本的には使わないが。


 灯りを付ける魔法くらいか? 夜に歩くときに使う魔法くらいで他に使い道が無い魔法ではあるんだが、これはこれからは沢山使い手が必要になる。鉱山の開発をするわけだからな。


 新たな鉱山夫には覚えて貰わないといけない魔法である。その他にも色々と生活魔法を駆使して鉱石を掘って貰う事になるんだが、そのための人員も確保は終わっている。


 私に不足は無しだ。と言っても、始めから作戦が成功するものだと考えて、人材を募集していただけなのだがな。生活魔法で必要なものは私が直接教えた。1人に教えれば、後はネズミ算式に増えていくから楽なものだったがね。


 話を戻そう。本当に解らないのが、今回の会談なのだよ。何を王宮が求めているのかが解らないんだ。お膳立ては全て我が辺境伯家がしたんだからな。


 成果の横取りとはいかんだろう。流石にそんな事を1官僚がやるかと言われたらやらんだろう。王宮から何かを言われて特使として派遣されてきているはずなのだよ。


 何を言ってくるのか本当に解らん。想定問答が作れないのが痛いな。既に明日だというのに、情報の1つも入ってこなかったのだからな。仕方がない所ではあるのだが。


 何にせよ、我が辺境伯家が損をするような事は絶対にしてはいけない。利益を引き出すことはしても、損をしてはいけない。荷が重いぞ兄よ。代わって貰えるのであれば、代わって貰いたいものだ。

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