11話
OFUSE始めました。
https://ofuse.me/rukea
ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。
https://rukeanote.hatenablog.com/
さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。
https://twitter.com/rukeanote
外壁を見ると、よくもまあきっちりと組み立てられるように作られているものだな。ぐるりと囲みは終わっている。後は塔を作ってバリスタなんかを配置するんだが、それがまだ組み上がっていない状態だな。塔も基礎と言うか、途中までは出来ているんだがね。
組み上がれば、バリスタを用意し、対魔物戦闘を熟せるようにしないといかん。勿論、他にも防衛の為に色々と作る予定では居るのだが、兎も角今はこの町を作らないといけない。
そうしないと鉱山町が作れないからな。此処が鉱山町では無いのだよ。鉱山町はもっと山の麓に作るからな。此処は経由地であり、食糧などを作る拠点となる。
鉱山町には農地は少ししか作らない予定だ。農地は外壁の外に作らざるを得ないからな。外壁で囲ってしまっても良いのだが、それだと、防衛にあたる兵士の数も多くなる。
さらには兵器の類も増えてしまい、維持費がかかってしまう。農民はある程度、危険を冒して農作業にあたらなければならない。まあそれでも被害は殆ど出ないのだがね。
何のために兵士や冒険者がいると思っているのか。平時の魔物であれば、冒険者でも倒せるのだよ。勇者の力を使うまでもない。討伐は出来るのだよ。
兵士とはそう言う職業であるし、冒険者などもっとそうだ。ギルドを作らせ冒険者も管理をしている。樵の護衛から魔物の討伐までが彼らの仕事だ。
基本的には、兵士が外壁よりも内側を。冒険者が外壁の外側を管理している。冒険者にはギルドを通じて依頼を出すだけなのだがな。それでも他の農民たちと比べて破格の給料になっている。
当然だろう。命を張って依頼を熟すのだからな。対価は相応にあるべきである。それでも年間に何十人も亡くなるのだがな。これでも減らしている方なのだ。
対策として、ギルドにパーティー登録をさせるようにしている。そもそもが素行の悪い連中が溜まる事が多いのが冒険者だ。自己責任の世界でもあるのだが、それでも忍びないものは忍びない。
我が領内で活動している冒険者には、活動届を出させている。その町で冒険者業をすると各ギルドに知らせを出している。そうすることで、どの町にどの位の冒険者がいるのかを管理している。
そこで、死ににくくするための方策がパーティー制度だ。基本的には冒険者には8人から16人のパーティーを組ませている。パーティーを組んだものに優先的に仕事を与えている。
特に若い冒険者に多いんだが、1人でも大丈夫と言う過信をしている者たちが多くいるのだ。武器を持ち、防具を着こむことで慢心をしている冒険者が多く見られる。
自己責任かと思うかもしれない。しかしだ、組めば魔物に対する戦力にもなる冒険者を放置しておくのも勿体ない。戦力になるのであれば使う方が良い。
命は1つである。それ故にパーティーを組ませて、少しでも生還率を上げようという試みを我が辺境伯領ではやっている。これの効果は大きいものと言っても良い。
他領に比べて圧倒的に冒険者の死亡率が低いからな。人外魔境に面したこの辺境伯領でも冒険者の損耗率は低く抑えられている。
勿論だが、他の領がどのような制度をとっているのかは知らないし、そもそも冒険者の死亡率を出しているところは無いといっても良い。
だが、明らかに我が領で活動している冒険者の数が多いのだ。我が領が特別冒険者を募集しているわけでは無いのにだ。我が領内で活動している冒険者の数は、他の辺境伯家に比べても3割ほど多い。
冒険者の数が多いと何が起きるのか。人口が増えやすくなるのだよ。冒険者の結婚数が高くなるのだ。そして、そうすれば子供が増える。いいことづくめだ。
たかが冒険者と見ている領と、冒険者を大切にしている領。何方が発展するかと言われたら、冒険者を保護していた方が発展に繋がる。人口の増加に繋がるのだよ。
私が内務次長になってから色々と調べたところに寄ると、冒険者へ結構な額を支出している。勿論だが、依頼をするのもタダでは無いのだからそこに対する補助も当然ながら含まれている。
冒険者に手厚い領、ただでさえ多い冒険者を大切に扱う領は此処だけでは無い筈だがな。だが、扱っていない所との差は歴然だ。それが勇者の数にも現れてくる。
勇者の数は人口に比例すると言っても良い。勇者は産まれたときから勇者なのだ。であれば、子供が多ければ多いほど、勇者は生まれやすくなる。
単純な事なのだよ。総数を増やせば、おのずと勇者も出てくる確率が上がる。15歳で成人のこの世界だ。勇者の数は多ければ多い方が良いに決まっている。
勇者が突然出てくるわけでは無いのだよ。ちゃんと産まれてくるのだ。それを解っていれば、子供を増やす方が良いと言うのは当然の事だと思える。
思えるのだが、それを実行していない領が多いのだろうな。勇者が出てきて当たり前だと思っている領主が多いという事なのだろう。勇者は産まれさせてこそなのだよ。
人口の増加は勇者の発生に拍車をかける。それについては、とても良いことだ。我が領の政策は特に変える必要がない程に整っている。
内政に不明な所は殆どなかった。私の前任者から引き継いで変えたのは早馬網の作成くらいだ。その位しか手を入れなければならないと思うところが無かったのだ。
内政はすこぶる順調だ。手を入れないといけない懸案は殆どないと言って良い。私もこのままの政策を推し進め、次の代に渡せると良いのだがな。