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勇者の後始末  作者: ルケア
0章
1/44

0話

短編です。10万字程度で終わります。

長くは書けない。マンネリ化必至なので。



OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 あるところに創造神在り。創造神は様々な世界を作り、そして様々な神を生み出す存在である。創造神は我らが住まうこの世界も創り、それを管理させるために様々な神を生み出した。


 その中に1柱、人神という神がいた。人神は人間を生み出し、世界に人間を散らせた。またその中に1柱、魔神という神がいた。魔神は魔物を生み出し、世界に魔物を散らせた。


 魔物は強力で人間を襲い始めた。なすすべもなくやられていく同朋。人間は世界の端に追い込まれていった。抵抗する力が無かった。魔法という便利な力はあれど、魔物には届かなかった。


 余りにもおかしいと感じた人神は魔神を疑い、魔物を良く観察した。観察してみれば、明らかに魔物とは違う強さを持った存在が居た。魔王である。


 魔王は魔物を強化し、人間を世界の端へと追い立てる。ただ魔物は魔王に付き従うのみ。だが、その魔王にも欠点が在った。


 魔王同士が対立するのだ。次々と追加される魔王、だが魔王同士でも数を減らしていっている。今しかないと人神は思い立つ。現状を何とかするには今しかないと。


 持てる力を振り絞り、特別な人間を作ることにした。その者こそが勇者である。勇者は魔物を散らし、魔王を討伐した。これで人間の住む場所は広がる。そう人神は思った。


 しかし、人間同士も争いを始めてしまった。増えた人間は国を作り、互いに争い始めてしまった。まだまだ魔物は沢山いるというのにも関わらず、人間は対立してしまった。


 表立っては対立していないように見える。だが、裏では我が国を大きくしようと目論んでいる。魔物という、魔王という共通の敵がいるにも関わらず、人間は協力することを辞めていた。


 そこに人神は介入せず。魔神もまた介入せず。人神は人間同士の争いごとを認めてしまった。人間同士で争う事を認めてしまった。


 されど、勇者は生み出され続けている。勇者の使う特別な魔法は人間を攻撃しても何も効果が無かった。それは魔王と戦うための力だからだ。人間同士の争いごとには使えない。


 各国は勇者を使い、魔王を討伐し、国土を広げ始めた。我らが先に手に入れんとするために、勇者を使い国土を広げ始めた。


 しかし、それは簡単な事ではなかった。勇者が奪い返した土地も、また魔王に奪い返されるという事が多々起こった。魔王とて、協力関係では無いが、人間は共通の敵なのである。


 人間は互いに争う事を辞めない。それは神が認めてしまったこと。神が認めている以上、その行為は正当化され、今後も争いを続けていくだろう。


 しかしながら、ある程度は団結しなければならない。このベッキンセイル王国にとってもそうだ。皆が纏まって魔物の脅威を払いのけなければならない。皆が皆、出来ることをすればいい。出来ることには限りがあるのだから。


 畑を耕す者、衣服を作る者、武器を作る者。全ての人間が戦う者である。皆がそれぞれに戦いに赴き、その方向で力を見せなければならない。


 ベッキンセイル王国が発展しなくてはならない訳ではない。だが、ベッキンセイル王国が発展しなければ、人間にとっての未来も暗いものになる。


 全ての人間は魔物と戦う者だ。各々の戦場で戦う者だ。人間の発展が、最終的に魔物を駆逐するまで、戦いを辞めてはいけないのだ。


 それぞれに出来ることを行おう。国が大きくなれば、それだけ、安全に暮らせる人間が多くなるという事だ。その戦いに我々はついて行かねばならない。


 魔神がいる限り、魔物は必ず生まれる。魔王もまた生まれてくるのだ。それと戦うには勇者が必要不可欠である。勇者は1人では戦えない。


 勇者もまた人間である。食べ物が無ければ動けないし、服が無ければ寒さに凍えてしまう。だから皆で勇者を支えよう。ベッキンセイル王国の勇者を支えるのだ。


 さすれば、安全な暮らしが待っている。人間にとっての安らかな暮らしが待っている。国の為でなくともよい。勇者の為に働くのだ。


 人神が遣わせた勇者を支え、できうる限りに人間の領域を増やすのだ。そうすれば必ず、幸せな毎日がやってくるだろう。人間は勇者を支え、勇者と共に魔物を討つのだ。


 自分の得意なことをやろう。それが戦いなのだ。勇者を支えることになるのだ。人神が見守る限り、人間は戦える。勇者が在る限り、人間は戦えるのだ。


 だから今の内に勉強を頑張りなさい。勇者と共に戦う日が来るのだから。今の内に勉強をして、勇者の支えと成れる様に頑張りなさい。……今日の説法の時間は以上です。さあ勉強に励みましょう。


 ここはこの町の教会。そこで行われるいつもの説法の時間。何度も何度も繰り返される説法。聞いているのはこの町の子供たち。次代を担う若者たち。


 ここに勇者は居ない。勇者はまた別のところで訓練をしている。魔物を倒す訓練をしている。勇者無くして、魔王を討伐することは適わないから。


 人間が割れていることは、教えている。それは人神が認めてしまったことだから。人間が割れてはならないのであれば、人神は必ず止めに入るだろう。


 魔神が魔王同士の争いを止めぬように、人神もまた人間同士の争いを止めないのであろう。だが、団結しなければ、人間の発展は望めないと考える聖職者も多い。


 国が割れているのは良いことではない。それは誰もが解っていることだ。だから国同士での争いはしない。どれだけ魔物を討伐したのか、どれだけ魔王を討伐したのか。それで競う事となっている。


 さあ、貴方もお勉強の時間ですよ。未来を支える勇者の為に頑張りましょう。何が出来るのかはあなた次第です。何を頑張るのかはあなた次第です。それでは勉強を頑張りなさい。

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